ABAPでのトランザクション制御
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業務アプリケーションでは、データベースを更新する際にデータの整合性を保つ必要があります。そこで重要なのが、次の二つです。

  • トランザクション制御
  • 排他制御

トランザクションとは、「ある意味をもった一連の処理のまとまり」のことで、完全に実行するか、またはまったく実行しないようにする必要がある原子性や、実行前後とも常にデータの整合性をを保持しなければならない一貫性という性質をもっております。

普通の意味では、アプリケーションの動作のうち、「ある意味を持った一連の処理のまとまり」のことをトランザクションといいます。そして、トランザクション制御とはこの一つのトランザクション内でデータの整合性が保たれるようにすることです。

SAP ERPでは、正式的な名称として、この「ある意味を持った一連の処理のまとまり」を「トランザクション」ではなく、「作業論理単位(Logical Unit of Work、略するとLUW)」と呼んでいます。関連がありますが、SAPの「トランザクション」は、トランザクションコードを使用して開始するアプリケーションプログラムのことと定義されています。

SAPでは、作業論理単位(LUW)はデータベース作業論理単位(DB LUW)とSAP作業論理単位(SAP LUW)と2種類が存在していますので、次にそれぞれ説明します。

DB LUW

データベース作業論理単位(DB LUW)

DB LUW は、データが常に整合性を持つようにするために、OracleやMSSQLなどのDBMS(データベース管理システム)が使用するメカニズムです。DBMS側では、一般的にこのDB LUWを「トランザクション」と呼んでいます。

SAPのDB LUWは、以下のように動作します。

  • DB LUWは一つのワークプロセスの中に完結しなければなりません
  • ワークプロセスが正常又は異常終了する際に、コミットされていないDB更新に対して、暗黙的なデータベースコミット又はロールバックを行います
  • プログラムが汎用モジュール DB_COMMITを呼び出して明示的にデータベースコミットを行うことができます。
  • プログラムがSAP LUWの命令(COMMIT WORK、ROLLBACK WORK)を呼び出してSAP LUWを終了する同時に、データベースLUWも終了します。
  • 開始されるときや、前のDB LUW がコミット又はロールバックで終了するときに、新しいDB LUWが開始される
  • DB LUW内で実行されるデータベース変更はデータベースロックを起こします、そのデータベースロックはLUWの終了に伴い、自動的に解放されます。

SAP LUW

SAP作業論理単位(SAP LUW)

DB LUWはデータベースに対して分割できない連続したデータ上の操作であり、完全に終了するか、まったく実行しないかのいずれかにする必要があります。SAP LUWは、システムに対して分割できない業務処理であり、その業務処理全体を完了するか、あるいはまったく実行しないかのいずれかにする必要があります。SAP-LUW は通常、複数のダイアログステップや複数のDB LUW に及ぶことがあります。 同じSAP LUW で発生したDBデータ変更要求は、全て最後にデータベースに反映されることになります。

SAP LUWの終了

SAP LUWは、DB LUWのように暗黙的に終了することがありません。「COMMIT WORK」や「ROLLBACK WORK」命令を発行して、明示的に終了させる必要があります。

SAP LUWの原子性

一つのSAP LUWの中の各更新は複数のダイアログステップに跨って発行されることがよくありますが、発行時に即時に実行されるとすれば、別々のDB LUWのDBデータ操作になりますので、トランザクションとしての原子性が完全に崩れてしまうことになります。

SAPは、それらの更新を即時実行せずに、「更新依頼」オブジェクトを登録しておきます。「commit work」命令でSAP LUWがコミットされる際に、登録された「更新依頼」を一つのデータベースLUWで実行することにより、トランザクションとしての原子性を維持します。

但し、下記「エラー処理とデータの整合性」節で説明するように、各更新依頼の種類により完全な原子性が出来ない場合も存在します。

SAP LUWとDB LUW

SAPはワークプロセスごとに、固定データベース接続1 つが割り当てられています。そのデータベース接続でデータベースLUWが実行されますので、ワークプロセスは常に一つのDB LUWと結び付いております。

一方、SAP LUWは論理的な単位を提供しています、SAP LUWにおける各更新依頼は、結局、DB LUWによりデータの変更をデータベースに反映しないといけないですが、そのDB LUWは新たに生成されるものではなく、更新依頼が実行されるワークプロセスの固有のDB LUWとなります。そのDB LUWで発行された別の即時DB更新がもしあれば、同時にコミットされます、なお、エラーが発生する場合も、一緒にロールバックされることになります。

 

SAP LUWの単位

SAP LUW毎に、違う更新キーが割り当てられます、更新依頼はその更新キーと一緒に更新キューに登録されますので、それにより同じSAP LUWのものかどうかを判断できます。

アプリケーションプログラム( TYPE 1、TYPE M)はそれぞれ別のSAP LUWをもっています。但し、トランザクション( 機能)ではなく、「ダイアログモジュール」として起動される場合は、呼び出し元のアプリケーションプログラムのSAP LUWで実行されることになります。

更新依頼の種類と同期化制御

  あとから実行するように登録される更新依頼は、下記のように幾つかの種類が存在します。種類によって、処理が実行されるワークプロセスと同期・非同期の制御などが変ります。 

(1)サブルーチン更新依頼

PERMFORM <サブルーチン名>命令でON COMMITオプションを付けておければ、そのサブルーチンは即時に実行されることがありません、代わりに更新依頼として登録されます。

そのサブルーチン処理は、SAP LUWがcommit work命令でコミットされる際に、COMMIT WORK 命令と同じデータベース LUW の中で、同じワークプロセスによってインラインで実行されます。

同じワークプロセスなので、COMMIT WORK命令はすべてのサブルーチン更新依頼が処理完了するまでブロックされ、つまり同期化になります。

(2)汎用モジュール更新依頼

CALL <汎用モジュール>命令でIN UPDATE TASKオプションを付けておければ、その汎用モジュールは即時に実行されることがありません、その代わりに更新依頼として、汎用モジュール名とそのインタフェースパラメータがVBLOG という名称の特別なデータベーステーブルに格納されます。

その汎用モジュール処理は、SAP LUWがcommit work命令でコミットされる際に、更新プログラムにより実行されます。

デフォルトは、更新プログラムはcommit work命令が発行されたワークプロセスと別に、更新プロセスと呼ばれているバックグラウンドワークプロセスで非同期に処理を実行します。よってcommit work命令は待たずに、すぐ次の処理に入ることになります。

なお、下記のような場合、汎用モジュール更新依頼の実行はcommit work命令と同期になります。

①commit work命令にand waitオプションを付ける 更新プロセスで実行されるままですが、commit work命令は、全ての汎用モジュール更新依頼が処理完了するまでブロックされますので、同期になります。

②SET UPDATE TASK LOCAL

SET UPDATE TASK LOCALでローカル更新スイッチをONに指定された場合、更新プログラムは更新プロセスではなく、perfom … on commitのように、commit workと同じワークプロセスで実行されることになります。

更新用の汎用モジュールはU1(優先順位が高い)とU2(優先順位が低い)との2種類に分けられ、作成時に属性として指定することができます。更新プロセスで実行される時も別々のワークプロセスで実行されることになります。

(3) バックグラウンド更新依頼

CALL <汎用モジュール>命令でIN BACKGROUND TASKオプションを付けておければ、その汎用モジュールは即時に実行されることがありません、その代わりに更新依頼として登録されます。  

その汎用モジュール処理は、SAP LUWがcommit work命令でコミットされる際に、commit work命令が発行されたワークプロセスと別に、バックグラウンドプロセスと呼ばれているワークプロセスで非同期に処理を実行されます。

下記のイメージ図で示されるように、同じSAP LUWの各更新依頼は、(1)→(2)のU1→(2)のU2→(3)の前後順で処理されます。

更新マネージャ「トランザクションコード:SM13」を使えば、更新依頼の処理状況を照会したり、エラーで中止された更新を再実行させたりすることができます。

エラー処理とデータの整合性 

SAP LUWにおける各更新は、実行時エラーによっていずれかが失敗した場合、更新システムは下記のように処理します。

(1)FORM ルーチン内( PERFORM ON COMMIT で呼び出し)

-現在の更新トランザクションですでに実行された更新はロールバックされます。

-他の FORM ルーチンは開始されません。

-更新タスクまたはバックグラウンドタスク機能が開始されることはありません。

-エラーメッセージが画面に表示されます。

(2)V1 更新タスク汎用モジュール内( IN UPDATE TASK を依頼)

- V1 機能ですでに実行された更新はロールバックされます。

-更新タスクの依頼 (V1 または V2) はすべて取り消されます。

-バックグラウンドタスク依頼もすべて取り消されます。

- PERFORM ON COMMIT によって呼び出された サブルーチンですでに実行された更新は、ロールバック されません。

-エラーメッセージを送るようにシステム設定されている場合は、エラーメッセージが画面に表示されます。

(3)V2 更新タスク汎用モジュール内( IN UPDATE TASK を依頼)

-現在の V2 機能ですでに実行された更新はロールバックされません。

-まだ実行しなければならない更新タスク依頼 (V2) はすべて実行します。

-まだ実行しなければならないバックグラウンドタスク依頼はすべて実行します。

-V1 または V2 機能ですでに実行された更新はロールバックされません。

-サブルーチン( ON COMMIT で呼び出し)ですでに実行された更新はロールバックされません。

-エラーメッセージを送るようにシステム設定されている場合は、エラーメッセージが画面に表示されます。

(4)バックグラウンドタスク汎用モジュール内( IN BACKGROUND TASK DESTINATION を依頼)

-同一の DESTINATION のバックグラウンドタスク依頼はすべて取り消しされます 。

-すでに実行された他の更新はロールバックされません。

-エラーメッセージは画面に表示されません。

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  • プログラミング基礎 0 Votes 481 閲覧数


    背景

    編集中

    型の作成

    編集中

    基本型

    数値や文字列などのABAP基本型を動的に作成するには、クラスCL_ABAP_ELEMDESCRのメソッドを利用します。 クラスCL_ABAP_ELEMDESCRからいかのようなStaticメソッドが用意されております。

    メソッド名機能GET_Cパラメータで指定された長さのC(テキスト)項目型を取得GET_Nパラメータで指定された長さのN(数値テキスト)項目型を取得GET_Xパラメータで指定された長さのX(16進数)項目型を取得GET_Pパラメータで指定された長さのP(パック数値項目)型を取得

    STRING(文字順序)、XSTRING(バイト順序)、I(整数)、F(浮動小数点数)、D(日付)、T(時間)などの型もメソッドが用意されておりますが、こちらの型は長さの指定がないので、型名を静的に指定すればよく、あえてメソッドを利用する必要がありません。

    下記のサンプルソースでは、長さ10の固定長テキスト項目型を動的生成する方法を示しています。

    DATA c10 TYPE REF TO cl_abap_datadescr. 

    c10 = cl_abap_elemdescr=>get_c( 10 )."動的な型を取得


  • プログラミング基礎 0 Votes 951 閲覧数


    テーブルデータ型は、ABAP における内部テーブルの構造と機能属性を示します。このトピックでは、テーブルデータ型を取り上げて、その構成や種類などを説明します。

    構成

    テーブルデータ型は、行データ型、キー、およびアクセス方法によって完全指定されます。

    (source:SAP Help Portal)

    行データ型

    通常、内部テーブルのデータ型は構造であり、その構造の各コンポーネントは、それぞれ内部テーブル内の1つの列になります。 ただし、内部テーブルのデータ型の仕様としては、構造以外の任意のデータ型を使用することも可能です。

    キー

    テーブル行データはキーによって識別されます。キーは、システムからデフォルトで生成されるは標準キーのほかに、ユーザから定義することもできます。ユーザ定義キーはUNIQUE または NON-UNIQUE として指定することができます。

    アクセス方法

    内部テーブルのアクセス方法は以下三つの種類から指定できます。

    標準テーブル
    標準テーブルは内部的な線型索引を持ちます。
    索引を使用して個別のテーブルエントリをアドレス指定する予定がある場合には、これが最適なデータ型です。ソートテーブル
    ソートテーブルは常にキー別にソートされ、保存されます。ソートテーブルも内部索引を持ちます。
    バイナリ検索が求められる場合には、これが最適なデータ型です。ハッシュテーブル
    ハッシュテーブルは線型索引を持ちません。キーを使用した場合にのみハッシュテーブルにアクセスすることができます。
    ハッシュ検索が求められる場合には、これが最適なデータ型です。分類

    テーブルデータ型は以下の階層図で示されたように、内部テーブルのアクセス方法により分類することができます。

    (source:SAP Help Portal)

    完全指定のテーブルデータ型

    内部テーブルのアクセス方法が明示されたテーブルデータ型です。

    STANDARD TABLE または TABLE
    標準テーブルを登録します。SORTED TABLE
    ソートテーブルを登録します。HASHED TABLE
    ハッシュテーブルを登録します。ジェネリックテーブルデータ型

    内部テーブルのアクセス方法が明示されたテーブルデータ型です。

    INDEX TABLE
    索引アクセスを使用するジェネリックテーブルデータ型を登録します。ANY TABLE
    完全なジェネリックテーブルデータ型を登録します。

    ジェネリックテーブルデータ型は動的なプログラミングでよく使用されます。

    定義

    テーブルデータ型は、ローカルまたはグローバルに定義することができます。

    ローカル定義

    プログラムの中でTYPE命令を使用してテーブルデータ型をローカルに定義することができます。 構文:

    TYPES type TYPE|LIKE tabkind OF linetype [WITH key] [INITIAL SIZE n].グローバル定義

    ABAP ディクショナリのデータ型としてテーブルデータ型をグローバルに定義することもできます。 例として、標準のMMPUR_REQUISITION_ITEMSを取り上げてそのイメージを示します。


  • プログラミング基礎 0 Votes 3173 閲覧数


    フィールドシンボルとは、物理的なメモリを占有せずに、任意の変数(単一変数、構造、内部テーブルなど)に 割り当てる(Assign)ことで、任意の変数を指し示すことができます。C言語でいうポインタのようなものです。

    宣言

    フィールドシンボルを宣言するには、以下のような構文を使用します。

    FIELD-SYMBOLS <FS> [< データ型 >|STRUCTURE <s> DEFAULT <wa>]. <FS>にある角かっこも構文の一部です、タイプ指定しない場合は、TYPE ANYで宣言することができます。

    FIELD-SYMBOLS <FS1> TYPE ANY. FIELD-SYMBOLS <FS2> TYPE ANY TABLE.

    割り当て

    Assign命令を使います。

    参照と書き込み

    フィールドシンボルにやまかっこをつけて、フィールドシンボルがアドレスするデータを参照または書き込みすることができます。

    FORM f_get_range_table USING u_setclass u_subclass u_setname CHANGING r_range TYPE TABLE. DATA: lt_set LIKE setleaf OCCURS 0 WITH HEADER LINE, wl_range TYPE REF TO DATA . FIELD-SYMBOLS : <fs_rec>,<fs_itm> .

    SELECT * FROM setleaf
      INTO TABLE lt_set
      WHERE setclass = u_setclass
      AND subclass = u_subclass
      AND setname = u_setname.

    LOOP AT lt_set.
    CREATE DATA wl_range LIKE LINE OF r_range.
    ASSIGN wl_range->* TO <fs_rec>.
    ASSIGN COMPONENT 'SIGN' OF STRUCTURE <fs_rec> TO <fs_itm>.
    <fs_itm> = lt_set-valsign.
    ASSIGN COMPONENT 'OPTION' OF STRUCTURE <fs_rec> TO <fs_itm>.
    <fs_itm> = lt_set-valoption.
    ASSIGN COMPONENT 'LOW' OF STRUCTURE <fs_rec> TO <fs_itm>.
    <fs_itm> = lt_set-valfrom.
    ASSIGN COMPONENT 'HIGH' OF STRUCTURE <fs_rec> TO <fs_itm>.
    <fs_itm> = lt_set-valto.
    APPEND wl_range to r_range.
      ENDLOOP.
    ENDFORM.


  • プログラミング基礎 0 Votes 822 閲覧数


    概要バリアントとは

    バリアントとは、同じ選択条件で実行することが多いプログラムに対して、入力値のセットを保存させておくものです。 レポートプログラムバリアント、画面バリアント、トランザクションバリアントなどがあります。

    バリアント変数とは

    バリアント変数とは、バリアントに格納される値を変数化したものです。 バリアント変数は二つのタイプがあります。

    TYPE P
    単一値を定義することができます。TYPE S
    選択テーブルとして条件を定義することができます。格納テーブル

    バリアント変数の値定義はテーブルTVARVCに格納されます。

    メンテナンストランザクション利用

    バリアント変数のメンテナンスは、トランザクションSTVARVとSTVARVCを使用します。

    STVARV
    クライアント000用STVARVC
    現在のクライアント用プログラム利用

    以下はバリアント変数をABAPプログラムで動的に変更して使用する方法です。

    * バリアント変数テーブルを更新 UPDATE TVARVC SET LOW = WK_FROM   HIGH = WK_TO WHERE NAME = 'VAL_NAME' 

    AND TYPE = 'S'. "タイプ S:SELECT OPTIONS、P:パラメータ


  • プログラミング基礎 0 Votes 2643 閲覧数


    このトピックは動的なデータオブジェクトを取り上げて、その特徴と使用方法を説明します。

    動的なデータオブジェクトとは

    動的なデータオブジェクトを説明する前にまず静的なデータオブジェクトを説明しておきます。

    プログラムの宣言部分において DATAなどの命令を使用して定義するデータオブジェクトはすべて静的に登録され、プログラムの起動時にはすでに存在する「静的なデータオブジェクト」となります。

    一方、動的なデータオブジェクトとは、プログラム実行時に、CREATE DATA命令を使用して作成されるデータオブジェクトです。

    動的なデータオブジェクトは以下の特徴があります。

    現在の ABAPプログラムの内部セッションの中にデータオブジェクトが登録されます。動的なデータ型を利用することができます。登録されるデータオブジェクトは独自の名称を持ちません。データ参照変数を使用した場合にのみアドレス指定することができます。内容をアクセスするにはフィールドシンボルを利用しなければなりません。動的なデータオブジェクト作成静的なデータ型使用の場合

    静的なデータ型を利用して動的なデータオブジェクトを作成するには、TYPEオプションを使用します。 TYPEオプションの使い方は基本DATA命令と同じですが、タイプ名を指定する際に動的な名称も使用可能です。 以下のような型を使用することができます。

    ABAP基本タイプ
    CREATE DATA dref TYPE c LENGTH 3.TYPESによって定義された任意のデータ型
    TYPES TYP_BKPF TYPE STANDARD TABLE OF BKDF
    CREATE DATA dref TYPE TYP_BKPF.ABAP ディクショナリによる任意のデータ型
    CREATE DATA dref TYPE BKDF.
    CREATE DATA dref TYPE STANDARD TABLE OF BKDF

    サンプルソース:

    DATA typ TYPE c. DATA len TYPE i. DATA dref TYPE REF TO data. FIELD-SYMBOLS <fs> TYPE ANY. typ = 'c'. len = 30. CREATE DATA dref TYPE (typ) LENGTH len. ASSIGN dref->* TO <fs>. <fs> = 'ABCDEF'. write <fs>.動的なデータ型使用の場合

    実行時データ型サービス (RTTS) データ型オブジェクトによって記述される動的なデータ型のデータオ ブジェクトを生成するには、TYPE HANDLEオプションを使います。

    サンプルソース:

    DATA: r_stru TYPE REF TO cl_abap_structdescr, it_comp TYPE cl_abap_structdescr=>component_table, r_comp TYPE abap_componentdescr, r_elem TYPE REF TO cl_abap_elemdescr, r_data TYPE REF TO DATA. DATA: length_of_field TYPE I VALUE 10. FIELD-SYMBOLS: <fs> TYPE ANY. START-OF-SELECTION. r_elem = cl_abap_elemdescr=>get_c( length_of_field ). r_comp-name = 'FIELD1'. r_comp-type = r_elem. APPEND r_comp TO it_comp. r_stru = cl_abap_structdescr=>create( it_comp ). CREATE DATA r_data TYPE HANDLE r_stru. ASSIGN r_data->('FIELD1') TO <fs>. <fs> = 'ABC'. WRITE: / <fs>.


  • プログラミング基礎 0 Votes 1134 閲覧数


    このトピックでは内部テーブル全体に対する操作を取り上げて説明します。

    割当

    内部テーブルの割り当ては、MOVE命令を使用します。 MOVE itab1 TO itab2. なお、代入演算子も同様の働きを持ちます。 itab2 = itab1.

    上記の命令が実行された結果、内部テーブルitab1の内容が内部テーブルitab2にコピーされることになります。

    初期化

    内部テーブルを初期化するには、clear、fresh、freeなどの命令を使用します。

    clear構文1:clear itab[]
    内部テーブルの本体を初期化します。
    内部テーブルは初期メモリ所要量が予約され、その以外のメモリ領域がすべて解放されます。構文2:clear itab
    ヘッダ行を含まない内部テーブルの場合は、この命令はclear itab[]と同様に動作します。
    ヘッダ行を含る内部テーブルの場合は、ヘッダ行(作業領域)の名前が内部テーブルと同じであるため、このテーブルは単なるヘッダ行のクリアのみとなります。fresh構文:fresh itab
    常に内部テーブルの本体を初期化します。この命令はclear itab[]と同様に動作します。free構文:fresh itab
    常に内部テーブルの本体を初期化します。この命令はclear、fresh命令と異なり、内部テーブルに対して、初期メモリ所要量を含めた記憶域全体をすべて解放します。比較

    ABAPでは、内部テーブルも論理式内のオペランドとして比較することができます。

    ソート

    内部テーブルのソートはSORT命令を使用します。

    SORT itab [ASCENDING|DESCENDING] [AS text] [STABLE].

    属性取得

    DESCRIBE TABLE命令を使用して、件数などの内部テーブルの各属性を取得することができます。

    DESCRIBE TABLE
    構文:DESCRIBE TABLE itab [LINES lin] [OCCURS n] [KIND knd].パラメータ:LINES
    内部テーブルのレコード件数を取得します。パラメータ:OCCURS
    内部テーブルの初期サイズを取得します。パラメータ:KIND
    内部テーブルの種類を取得します。


  • プログラミング基礎 0 Votes 794 閲覧数


    実行時データ型識別、略語は RTTI です。プログラム実行時にデータ型を識別して処理を行う仕組みです。。

    DESCRIBE FIELD命令を使用

    DESCRIBE FIELD命令を使用して、変数のデータタイプを取得することができます。

    構文

    DESCRIBE FIELD obj TYPE typ.

    obj
    データ型を取得したいデータオブジェクト。通常の変数やフィールドシンポルなどを使用することができます。typ
    取得したデータ型が格納されるデータオブジェクト。データ型

    データ型は1 桁のIDで識別され、IDでは大文字と小文字が区別されます。

    IDデータ型b基本タイプB:1バイト整数(内部用)C基本タイプC:固定長テキスト項目D基本タイプD:日付項目F基本タイプF:浮動小数点数g基本タイプSTRING:可変長文字順序h内部テーブルi基本タイプI:整数lデータ参照N基本タイプN:数値テキスト項目P基本タイプP:パック数値rオブジェクト参照s基本タイプS:2バイト整数(内部用)T基本タイプT:時刻項目uフラット構造vディープ構造X基本タイプX:16進数y基本タイプXSTRING:可変長バイト順序サンプルソースFORM PARSE_STRING_TO_STRUC USING U_STR TYPE STRING CHANGING C_STRUC. CONSTANTS: CONST_DT_DATE TYPE C VALUE 'D', CONST_TAB TYPE STRING VALUE CL_ABAP_CHAR_UTILITIES=>HORIZONTAL_TAB. DATA: VL_STRINGS TYPE STRING_TABLE, VL_STR TYPE STRING, VL_DATE TYPE D, VL_TYPE TYPE C. FIELD-SYMBOLS: <FS_WA> TYPE ANY, <FS_COMP> TYPE ANY. SPLIT U_STR AT CONST_TAB INTO TABLE VL_STRINGS. ASSIGN C_STRUC TO <FS_WA>. TRY. LOOP AT TG_STRING INTO VG_STRING. ASSIGN COMPONENT SY-TABIX OF STRUCTURE <FS_WA> TO <FS_COMP>. DESCRIBE FIELD <FS_COMP> TYPE vl_type. IF vl_type = CONST_DT_DATE. "日付型 CALL FUNCTION 'CONVERT_DATE_TO_INTERNAL' EXPORTING date_external = VL_STR accept_initial_date = 'X' IMPORTING date_internal = vl_date EXCEPTIONS date_external_is_invalid = 1 OTHERS = 2. IF sy-subrc = 0. VL_STR = vl_date. ENDIF. ENDIF. ENDIF. MOVE VL_STR TO <FS_COMP>. ENDLOOP. CATCH CX_SY_CONVERSION_ERROR. CLEAR: EX_AFDATA. ENDTRY. ENDFORM.RTTS関連クラスを使用

    CL_ABAP_TYPEDESCR

    | |--CL_ABAP_DATADESCR | | | |--CL_ABAP_ELEMDESCR | |--CL_ABAP_REFDESCR | |--CL_ABAP_COMPLEXDESCR | | | |--CL_ABAP_STRUCTDESCR | |--CL_ABAP_TABLEDESCR | |--CL_ABAP_OBJECTDESCR | |--CL_ABAP_CLASSDESCR |--CL_ABAP_INTFDESCR

    データ型を判定

    型毎のメタ情報

    属性名意味基本型参照型構造型テーブル型クラス型インタフェース型absolute_name型名称○○○○○○type_kind内部ABAPデータ型○○○○○○length内部長○○○○○○decimals小数桁数P×××××OUTPUT_LENGTH出力長○×××××STRUCT_KIND構造タイプ××○×××COMPONENTSコンポーネント(name/type_kind/length/decimals)テーブル××○×××KEYテーブルキー×××○××INITIAL_SIZEテーブルの初期サイズ×××○××KEY_DEFKINDテーブルデータ型定義×××○××HAS_UNIQUE_KEY一意キー定義×××○××TABLE_KINDテーブルカテゴリ×××○××CLASS_KINDクラスタイプ××××○×CREATE_VISIBILITY可視性登録××××○×INTF_KINDインタフェースタイプ×××××○


  • プログラミング基礎 0 Votes 777 閲覧数


    このトピックでは、動的な名称の使用方法を取り上げて説明します。

    動的な名称とは

    ABAPプログラムでは、以下のように様々な名称が使用されます。

    データ型を指定するための名称データオブジェクトを参照するための名称SQL文に記述されるテーブル名称…

    通常はプログラムを作成する際に明示的に記述しますが、より機能性が高いプログラムを作成する場合、その名前を可変にしなければならないケースがあります。この可変の名前は動的な名前と呼ばれます。

    基本的な構文

    基本構文は以下のようになります (名称が格納された変数)

    REPORT Y_TEST. DATA: A TYPE C, V1 TYPE C. FIELD-SYMBOLS <FS> TYPE ANY. A = 'T'. V1 = 'A'. ASSIGN (V1) TO <FS>. WRITE: <FS> . 活用される場面ツール型のプログラム作成

    テーブル内容をエクスポートするツールを例とします、テーブル名はユーザから任意に指定可能です。

    以下はその実装の抜粋です。

    PARAMETERS: pn TYPE dd02l-tabname obligatory. START-OF-SELECTION. DATA: t_itab TYPE REF TO DATA. FIELD-SYMBOLS: <itab> TYPE STANDARD TABLE. CREATE DATA t_itab TYPE STANDARD TABLE OF (pn). ASSIGN t_itab->* TO <itab>. SELECT * FROM (pn) INTO TABLE <itab>. *後続は省略コードの簡潔化

    名前が番号違いだけである複数の変数に対してそれぞれ何かの処理を行う時に、動的に変数を割り当てループ処理化することにより、コーディング記述量を劇的に減らすことができます。

    REPORT Y_VARNAME_TEST. DATA:V1(2) TYPE C, V2(2) TYPE C, V3(2) TYPE C, V4(2) TYPE C, V5(2) TYPE C, V6(2) TYPE C, V7(2) TYPE C, V8(2) TYPE C, V9(2) TYPE C.

    DATA: VNAME(5) TYPE c ,
    VINDEX TYPE c.

    FIELD-SYMBOLS <FS> TYPE ANY.
    START-OF-SELECTION.
    DO 9 TIMES.
    VINDEX = SY-INDEX.
    CONCATENATE 'V' VINDEX INTO VNAME.
    ASSIGN (VNAME) TO <FS>.
    CONCATENATE 'X' VINDEX INTO <FS>.
    ENDDO.
    DO 9 TIMES.
    VINDEX = SY-INDEX.
    CONCATENATE 'V' VINDEX INTO VNAME.
    ASSIGN (VNAME) TO <FS>.

    WRITE:/ VNAME,
    : '=' ,
    : <FS>.
    ENDDO.

    上記のサンプルの実行結果は以下の図で示します。

    変数参照制限の回避

    ABAPでは異なるプログラム(レポート、汎用グループetc)のグローバル変数を直接参照することができません。 但し、Exit実装のアドオンプログラムから、直接拡張された標準プログラムのグローバル変数を直接参照したいというニーズはたまたま発生します。 そこで裏技になりますが、動的な変数名を利用すれば、プログラムを跨ってグローバル変数を参照できないというABAP言語の制限を回避することができます。

    以下はそのサンプルです。

    *
    DATA: I_OKCODE(17) TYPE C VALUE '(SAPLMR1M)OK-CODE'.
    FIELD-SYMBOLS: <FS_OKCODE> TYPE ANY.
    ASSIGN (I_OKCODE) TO <FS_OKCODE>.