デザインタイムリポジトリ (DTR) はファイルバージョン管理を提供するリポジトリ及びそのシステムです。
同じバージョン管理システムとして、オープンシステム開発系の世界では、以下のオープンソースソリューションがよく利用されています。
CVSSVNGit
歴史的には、最初はCVSがはやっていて、次はSVN、いまはGitが一番流行っているに間違いないです。
コンセプト
DTRはファイルバージョン管理を提供するリポジトリです。SAP のカスタマサイトやパートナサイト、および SAP 自社開発で使用されます。
DTRは以下のコンセプトがあります。
ソースコード及びバージョンを一元管理
DTRでは、すべてのソースプログラム及びバージョンはセントラルデータベースで一元管理され、 標準DeltaVおよびWebDAVアクセスプロトコルによってDTR クライアントに階層ファイルシステムを公開されます。
そのため、DTRはCVS、SVNと同じ、集中型バージョン管理システムといえます。変更を確実に管理
ソースコードに改修が発生する時に、まず変更依頼を作成しておかないといけない、改修はすべて変更依頼に記録されます。
これは本来プロジェクト管理システムの一部機能であり、よくチケットやチケット駆動開発と呼ばれています。DTRに統合されることにより、システムの変更がすべて確実に管理されることになります。ライフサイクルの各フェーズを統合的にサポート
開発やテストの各フェーズの間にソースの変更と移送が一元管理されます。実現アーキテクチャ
(source: sap help portal)
ワークスペース
DTRリポジトリは、複数の論理開発ロケーション(仮想リポジトリ)から構成されます、その論理開発ロケーションはワークスペースと呼ばれます。
ワークスペースはDTR構造の基本要素であり、以下のような仕組みで機能しています。
ソフトウェアコンポーネント単位でワークスペースが分けられます。4システムランドスケープの中でDEVとCONSが異なるワークスペースを使用、TESTとPRODが持たないことが多い各システム(DEV、CONS)を無効と有効との二つのDTRワークスペースで表現。全ての変更は無効なワークスペースで実行し、ビルドが完了したソースのみが有効なワークスペースに格納されます。有効なワークスペースはCBSで利用可能なアーカイブと常に同期します。同じソースはワークスペースに跨ってDTR全体で一元管理されます。そういう意味で、ワークスペースはSVN、GITなどのような一般のバージョン管理システムにおけるブランチに相当するものと考えられます。DTRの構造
以下、DTRの構造のイメージです。
system-tools
-|administration
-|reports
--|Activity Search
--|Conflict Search
--|File/Folder Search
--|Resource Lookup
--|VersionSet Comparison
--|Workspace Comparison
--|Workspace Integrations
ws
-|track_1
--|sc1
---|cons
----|active
----|inactive
---|dev