このトピックでは、NWDIを使用して開発、運用されるソフトウェアのコンポーネントモデルを取り上げて説明します。
モデルの構成
NWDIのコンポーネントモデルは、製品、ソフトウェアコンポーネント(SC)と開発コンポーネント(DC)の三つのレイヤから構成されます。
開発コンポーネント(DC)にはさまざまな開発オブジェクトが含みます。
製品
製品は、 価格設定と販売の単位であり、一つ以上のソフトウェアコンポーネントを集めたものです。1つのソフトウェアコンポーネントを複数の製品に含めることができます。
SAP社が販売した「製品+バージョン」は3000近くあり、その中に一番有名なのはSAP ERPに違いがないです。
SLDの「製品とソフトウェアコンポーネントの照会」画面から、SAP社の製品を確認することができます。
ソフトウェアコンポーネント
ソフトウェアコンポーネント (SC) は出荷およびインストールの単位であり、開発コンポーネントを重複せずにまとめたものです。
通常のファイル形式はSCA形式です。
MDM(Master Data Management)という製品を例として、SLDの「製品とソフトウェアコンポーネントの照会」画面から製品の中身を確認してみます。
上記の図で示した通り、MDM製品には数多くのソフトウェアコンポーネントが含められております。
開発コンポーネント
開発コンポーネント (DC) は開発およびビルド、デプロイの単位です。
開発コンポーネントは、明確な外部インタフェースとカプセルされた内部実装があり、他のコンポーネントのパブリックインタフェースを参照して相互使用することができます。そのため、基本的な再利用可能な単位になります。
通常のファイル形式はSDA形式です。
以下はNWDSから取得したDCのコンポーネントプロパティビューのイメージです。
開発オブジェクト
開発オブジェクトは、コンポーネントの構成要素で、機能部分を提供します。
保守の視点
ソフトウェアの保守は、パッチ、サポートパッケージ、アップグレードの3つのレイヤに分かれます。
パッチ
パッチ(英:Patch)は開発コンポーネント(DC)レベルで配布されます。主に発見されたプログラムバグを修正するために開発、適用されます。
パッチにソースが含まれている場合、CMSのリソースを使用してインポートする必要があります。
サポートパッケージ
サポートパッケージ(英:Support Package、略:SP)は、ソフトウェアコンポーネント(SC)レベルで配布されます。、幾つかのパッチを含みます。
サポートパッケージにソースが付属している場合は、CMSを使用して、トラックにサポートパッケージをチェックインして移送する必要があります。
サポートパッケージにアーカイブのみが含まれる場合、SDMを使用して関連するシステムに直接インポートすることができます。
製品にどんなサポートパッケージが提供されているかは、SLDの「製品とソフトウェアコンポーネントの照会」画面から確認できます。
アップグレード
アップグレードは製品単位で実施されます、製品に大きな機能強化や新規機能の追加があった場合、新しいリリースが配布されます。
アップグレードはCMSを使用しません。
開発の視点
開発の視点からは、開発モデルの基本構成となるものは、ソフトウェアコンポーネント(SC)と開発コンポーネント(DC)になります。
ソフトウェアコンポーネント
SCは複数のDCを纏める大きい単位になり、SC情報とSC間の依存関係はSLD上に登録する必要があります。開発設定はソフトウェアコンポーネント(SC)単位で管理されます。SC名はシステム全体としてユニークである必要があり、最初に設定した名称を変更することはできない。移送はSC単位で分けられます。DTRのワークスペースはSC単位で分けられます開発コンポーネント
DCは最小の開発単位(Web Dynpro JAVA, CAF等)でSCの配下に定義します。DC毎にNWDS環境でJAVA開発プロジェクトが作成されますDC間の再利用定義は利用される側からはPublicパーツを定義して利用する側は該当Publicパーツを参照するようになります。DC名はシステム全体としてユニークである必要があります。DCの参照設定はNWDSの「Development Infrastructure」パースペクティブウィンドウから行います。参照対象のDCを「Component Properties」Viewの「Dependencies」タブから追加します。「Dependency Details」は「Design Time」「Runtime」を設定して「Deploy Time」は外すようにします。バージョン管理
製品
製品には、リリース番号がバージョンになります。
例えば、NetWeaver AS Java は7.0、7.1、7.2、7.3、7.4などのバージョンがあります。
ソフトウェアコンポーネント
ソフトウェアコンポーネントのバージョン番号には、製品のバージョン、サポートパッケージのバージョンが含められます。
システム情報画面からインストール済のソフトウェアコンポーネントのバージョンを確認することができます。
パーツ値意味11000固定27.20製品のバージョン35.2サービスパッケージ(SP)のバージョン420110906181900リリースのタイムスタンプ