消費者金融とは
個人利用者向けに小口の融資を行うこと、またはそのサービスを行う業者のことをいいます。
消費者金融は主に無担保・保証人無しで利用でき、審査のスピードが早く申し込み当日に融資を受けられる業社が多いです。
メリットが多い反面、担保ローンに比べると金利が高くなります。
消費者金融の歴史・変遷
・消費者金融の始まり
1960年代に、その人の信用を担保とした消費者金融が各地でスタートしました。大手消費者金融会社は全てこの時代に創業しています。
銀行の煩雑で時間のかかる融資に比べて、手軽に融資を受けられる事から多くの人が利用しました。
・消費者金融=悪のイメージ
1970年代には利用者が増え市場が拡大していきました。それに伴い、消費者金融業界の競争は激化。「高金利、過剰融資、過酷な取り立て」のサラ金3悪が横行するようになりました。
メディアでの批判的な報道も多くなり、この頃から消費者金融のイメージは悪くなっていきます。
・消費者を守るための規制
消費者金融会社が適切な運営をするように1983年に「貸金業の規制等に関する法律」「改正出資法」が施行されました。
この法律の施行を皮切りに、悪質な業者は業界から排除されていき、中小の消費者金融会社は利益が出せずに相次いで倒産し、数は激減していきました。
逆に大手の消費者金融会社では経営体質の改善と強固な経営基盤を確立するきっかけとなったのです。
・各社株式公開へ
1990年代にはテレビCMの解禁によるイメージアップ戦略の成功や、自動契約機の登場による利便性や秘匿性の向上などで消費者金融業界は業績を伸ばしていきました。
業界全体が成長していく中、大手各社は次々と上場企業へとなりました。
・法改正による業界再編
2000年には「貸金業規制法」と「出資法」の改正法が施行され、市場が縮小し、消費者金融業界は再び冬の時代に突入しました。
さらに、2006年から過払金請求が本格化し、過払金の返金により各社の経営状態は悪化。大手を含む多くの消費者金融会社が倒産していく要因となりました。
2010年には貸金業法が完全施行され、さらに規制は厳しくなり、消費者金融業のイメージである「高金利、過剰融資、過酷な取り立て」はできなくなっていったのです。
貸金業法
消費者金融会社やクレジットカード会社などの貸金業者を対象とした法律です。
消費者金融会社の「高金利、過剰融資、過酷な取り立て」が社会問題となった背景があり、悪徳な貸金業者を取り締まり、利用者を守るための法律が施行されました。
貸金業法の施行による効果は下記の様なものが挙げられます。
・上限金利が定められ、高金利での融資はできなくなった。
・総量規制で年収の1/3までしか融資ができないので過剰融資がされなくなった。
・取立行為の規制が定められ、取立行為による私生活の平穏が脅かされる事がなくなった。