概要
バリアントとは
バリアントとは、同じ選択条件で実行することが多いプログラムに対して、入力値のセットを保存させておくものです。 レポートプログラムバリアント、画面バリアント、トランザクションバリアントなどがあります。
バリアント変数とは
バリアント変数とは、バリアントに格納される値を変数化したものです。 バリアント変数は二つのタイプがあります。
- TYPE P
単一値を定義することができます。 - TYPE S
選択テーブルとして条件を定義することができます。
格納テーブル
メンテナンス
トランザクション利用
バリアント変数のメンテナンスは、トランザクションSTVARVとSTVARVCを使用します。
- STVARV
クライアント000用 - STVARVC
現在のクライアント用
プログラム利用
以下はバリアント変数をABAPプログラムで動的に変更して使用する方法です。
* バリアント変数テーブルを更新 UPDATE TVARVC SET LOW = WK_FROM HIGH = WK_TO WHERE NAME = 'VAL_NAME'
AND TYPE = 'S'. "タイプ S:SELECT OPTIONS、P:パラメータ
実行時データ型識別、略語は RTTI です。プログラム実行時にデータ型を識別して処理を行う仕組みです。。
DESCRIBE FIELD命令を使用
DESCRIBE FIELD命令を使用して、変数のデータタイプを取得することができます。
構文
DESCRIBE FIELD obj TYPE typ.
データ型
データ型は1 桁のIDで識別され、IDでは大文字と小文字が区別されます。
ID | データ型 |
---|---|
b | 基本タイプB:1バイト整数(内部用) |
C | 基本タイプC:固定長テキスト項目 |
D | 基本タイプD:日付項目 |
F | 基本タイプF:浮動小数点数 |
g | 基本タイプSTRING:可変長文字順序 |
h | 内部テーブル |
i | 基本タイプI:整数 |
l | データ参照 |
N | 基本タイプN:数値テキスト項目 |
P | 基本タイプP:パック数値 |
r | オブジェクト参照 |
s | 基本タイプS:2バイト整数(内部用) |
T | 基本タイプT:時刻項目 |
u | フラット構造 |
v | ディープ構造 |
X | 基本タイプX:16進数 |
y | 基本タイプXSTRING:可変長バイト順序 |
サンプルソース
FORM PARSE_STRING_TO_STRUC USING U_STR TYPE STRING CHANGING C_STRUC. CONSTANTS: CONST_DT_DATE TYPE C VALUE 'D', CONST_TAB TYPE STRING VALUE CL_ABAP_CHAR_UTILITIES=>HORIZONTAL_TAB. DATA: VL_STRINGS TYPE STRING_TABLE, VL_STR TYPE STRING, VL_DATE TYPE D, VL_TYPE TYPE C. FIELD-SYMBOLS: <FS_WA> TYPE ANY, <FS_COMP> TYPE ANY. SPLIT U_STR AT CONST_TAB INTO TABLE VL_STRINGS. ASSIGN C_STRUC TO <FS_WA>. TRY. LOOP AT TG_STRING INTO VG_STRING. ASSIGN COMPONENT SY-TABIX OF STRUCTURE <FS_WA> TO <FS_COMP>. DESCRIBE FIELD <FS_COMP> TYPE vl_type. IF vl_type = CONST_DT_DATE. "日付型 CALL FUNCTION 'CONVERT_DATE_TO_INTERNAL' EXPORTING date_external = VL_STR accept_initial_date = 'X' IMPORTING date_internal = vl_date EXCEPTIONS date_external_is_invalid = 1 OTHERS = 2. IF sy-subrc = 0. VL_STR = vl_date. ENDIF. ENDIF. ENDIF. MOVE VL_STR TO <FS_COMP>. ENDLOOP. CATCH CX_SY_CONVERSION_ERROR. CLEAR: EX_AFDATA. ENDTRY. ENDFORM.
RTTS関連クラスを使用
CL_ABAP_TYPEDESCR
| |--CL_ABAP_DATADESCR | | | |--CL_ABAP_ELEMDESCR | |--CL_ABAP_REFDESCR | |--CL_ABAP_COMPLEXDESCR | | | |--CL_ABAP_STRUCTDESCR | |--CL_ABAP_TABLEDESCR | |--CL_ABAP_OBJECTDESCR | |--CL_ABAP_CLASSDESCR |--CL_ABAP_INTFDESCR
データ型を判定
型毎のメタ情報
属性名 | 意味 | 基本型 | 参照型 | 構造型 | テーブル型 | クラス型 | インタフェース型 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
absolute_name | 型名称 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
type_kind | 内部ABAPデータ型 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
length | 内部長 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
decimals | 小数桁数 | P | × | × | × | × | × |
OUTPUT_LENGTH | 出力長 | ○ | × | × | × | × | × |
STRUCT_KIND | 構造タイプ | × | × | ○ | × | × | × |
COMPONENTS | コンポーネント(name/type_kind/length/decimals)テーブル | × | × | ○ | × | × | × |
KEY | テーブルキー | × | × | × | ○ | × | × |
INITIAL_SIZE | テーブルの初期サイズ | × | × | × | ○ | × | × |
KEY_DEFKIND | テーブルデータ型定義 | × | × | × | ○ | × | × |
HAS_UNIQUE_KEY | 一意キー定義 | × | × | × | ○ | × | × |
TABLE_KIND | テーブルカテゴリ | × | × | × | ○ | × | × |
CLASS_KIND | クラスタイプ | × | × | × | × | ○ | × |
CREATE_VISIBILITY | 可視性登録 | × | × | × | × | ○ | × |
INTF_KIND | インタフェースタイプ | × | × | × | × | × | ○ |
背景
編集中
型の作成
編集中
基本型
数値や文字列などのABAP基本型を動的に作成するには、クラスCL_ABAP_ELEMDESCRのメソッドを利用します。 クラスCL_ABAP_ELEMDESCRからいかのようなStaticメソッドが用意されております。
メソッド名 | 機能 |
---|---|
GET_C | パラメータで指定された長さのC(テキスト)項目型を取得 |
GET_N | パラメータで指定された長さのN(数値テキスト)項目型を取得 |
GET_X | パラメータで指定された長さのX(16進数)項目型を取得 |
GET_P | パラメータで指定された長さのP(パック数値項目)型を取得 |
STRING(文字順序)、XSTRING(バイト順序)、I(整数)、F(浮動小数点数)、D(日付)、T(時間)などの型もメソッドが用意されておりますが、こちらの型は長さの指定がないので、型名を静的に指定すればよく、あえてメソッドを利用する必要がありません。
下記のサンプルソースでは、長さ10の固定長テキスト項目型を動的生成する方法を示しています。
DATA c10 TYPE REF TO cl_abap_datadescr.
c10 = cl_abap_elemdescr=>get_c( 10 )."動的な型を取得
このトピックは動的なデータオブジェクトを取り上げて、その特徴と使用方法を説明します。
動的なデータオブジェクトとは
動的なデータオブジェクトを説明する前にまず静的なデータオブジェクトを説明しておきます。
プログラムの宣言部分において DATAなどの命令を使用して定義するデータオブジェクトはすべて静的に登録され、プログラムの起動時にはすでに存在する「静的なデータオブジェクト」となります。
一方、動的なデータオブジェクトとは、プログラム実行時に、CREATE DATA命令を使用して作成されるデータオブジェクトです。
動的なデータオブジェクトは以下の特徴があります。
- 現在の ABAPプログラムの内部セッションの中にデータオブジェクトが登録されます。
- 動的なデータ型を利用することができます。
- 登録されるデータオブジェクトは独自の名称を持ちません。データ参照変数を使用した場合にのみアドレス指定することができます。
- 内容をアクセスするにはフィールドシンボルを利用しなければなりません。
動的なデータオブジェクト作成
静的なデータ型使用の場合
静的なデータ型を利用して動的なデータオブジェクトを作成するには、TYPEオプションを使用します。 TYPEオプションの使い方は基本DATA命令と同じですが、タイプ名を指定する際に動的な名称も使用可能です。 以下のような型を使用することができます。
- ABAP基本タイプ
CREATE DATA dref TYPE c LENGTH 3. - TYPESによって定義された任意のデータ型
TYPES TYP_BKPF TYPE STANDARD TABLE OF BKDF
CREATE DATA dref TYPE TYP_BKPF. - ABAP ディクショナリによる任意のデータ型
CREATE DATA dref TYPE BKDF.
CREATE DATA dref TYPE STANDARD TABLE OF BKDF
サンプルソース:
DATA typ TYPE c. DATA len TYPE i. DATA dref TYPE REF TO data. FIELD-SYMBOLS <fs> TYPE ANY. typ = 'c'. len = 30. CREATE DATA dref TYPE (typ) LENGTH len. ASSIGN dref->* TO <fs>. <fs> = 'ABCDEF'. write <fs>.
動的なデータ型使用の場合
実行時データ型サービス (RTTS) データ型オブジェクトによって記述される動的なデータ型のデータオ ブジェクトを生成するには、TYPE HANDLEオプションを使います。
サンプルソース:
DATA: r_stru TYPE REF TO cl_abap_structdescr, it_comp TYPE cl_abap_structdescr=>component_table, r_comp TYPE abap_componentdescr, r_elem TYPE REF TO cl_abap_elemdescr, r_data TYPE REF TO DATA. DATA: length_of_field TYPE I VALUE 10. FIELD-SYMBOLS: <fs> TYPE ANY. START-OF-SELECTION. r_elem = cl_abap_elemdescr=>get_c( length_of_field ). r_comp-name = 'FIELD1'. r_comp-type = r_elem. APPEND r_comp TO it_comp. r_stru = cl_abap_structdescr=>create( it_comp ). CREATE DATA r_data TYPE HANDLE r_stru. ASSIGN r_data->('FIELD1') TO <fs>. <fs> = 'ABC'. WRITE: / <fs>.
このトピックでは、動的な名称の使用方法を取り上げて説明します。
動的な名称とは
ABAPプログラムでは、以下のように様々な名称が使用されます。
- データ型を指定するための名称
- データオブジェクトを参照するための名称
- SQL文に記述されるテーブル名称
- …
通常はプログラムを作成する際に明示的に記述しますが、より機能性が高いプログラムを作成する場合、その名前を可変にしなければならないケースがあります。この可変の名前は動的な名前と呼ばれます。
基本的な構文
基本構文は以下のようになります (名称が格納された変数)
REPORT Y_TEST. DATA: A TYPE C, V1 TYPE C. FIELD-SYMBOLS <FS> TYPE ANY. A = 'T'. V1 = 'A'. ASSIGN (V1) TO <FS>. WRITE: <FS> .
活用される場面
ツール型のプログラム作成
テーブル内容をエクスポートするツールを例とします、テーブル名はユーザから任意に指定可能です。
以下はその実装の抜粋です。
PARAMETERS: pn TYPE dd02l-tabname obligatory. START-OF-SELECTION. DATA: t_itab TYPE REF TO DATA. FIELD-SYMBOLS: <itab> TYPE STANDARD TABLE. CREATE DATA t_itab TYPE STANDARD TABLE OF (pn). ASSIGN t_itab->* TO <itab>. SELECT * FROM (pn) INTO TABLE <itab>. *後続は省略
コードの簡潔化
名前が番号違いだけである複数の変数に対してそれぞれ何かの処理を行う時に、動的に変数を割り当てループ処理化することにより、コーディング記述量を劇的に減らすことができます。
REPORT Y_VARNAME_TEST. DATA:V1(2) TYPE C, V2(2) TYPE C, V3(2) TYPE C, V4(2) TYPE C, V5(2) TYPE C, V6(2) TYPE C, V7(2) TYPE C, V8(2) TYPE C, V9(2) TYPE C.DATA: VNAME(5) TYPE c ,
VINDEX TYPE c.FIELD-SYMBOLS <FS> TYPE ANY.
START-OF-SELECTION.
DO 9 TIMES.
VINDEX = SY-INDEX.
CONCATENATE 'V' VINDEX INTO VNAME.
ASSIGN (VNAME) TO <FS>.
CONCATENATE 'X' VINDEX INTO <FS>.
ENDDO.
DO 9 TIMES.
VINDEX = SY-INDEX.
CONCATENATE 'V' VINDEX INTO VNAME.
ASSIGN (VNAME) TO <FS>.WRITE:/ VNAME,
: '=' ,
: <FS>.
ENDDO.
変数参照制限の回避
ABAPでは異なるプログラム(レポート、汎用グループetc)のグローバル変数を直接参照することができません。 但し、Exit実装のアドオンプログラムから、直接拡張された標準プログラムのグローバル変数を直接参照したいというニーズはたまたま発生します。 そこで裏技になりますが、動的な変数名を利用すれば、プログラムを跨ってグローバル変数を参照できないというABAP言語の制限を回避することができます。
以下はそのサンプルです。
*
DATA: I_OKCODE(17) TYPE C VALUE '(SAPLMR1M)OK-CODE'.
FIELD-SYMBOLS: <FS_OKCODE> TYPE ANY.
ASSIGN (I_OKCODE) TO <FS_OKCODE>.
フィールドシンボルとは、物理的なメモリを占有せずに、任意の変数(単一変数、構造、内部テーブルなど)に 割り当てる(Assign)ことで、任意の変数を指し示すことができます。C言語でいうポインタのようなものです。
宣言
フィールドシンボルを宣言するには、以下のような構文を使用します。
FIELD-SYMBOLS <FS> [< データ型 >|STRUCTURE <s> DEFAULT <wa>]. <FS>にある角かっこも構文の一部です、タイプ指定しない場合は、TYPE ANYで宣言することができます。
FIELD-SYMBOLS <FS1> TYPE ANY. FIELD-SYMBOLS <FS2> TYPE ANY TABLE.
割り当て
Assign命令を使います。
参照と書き込み
フィールドシンボルにやまかっこをつけて、フィールドシンボルがアドレスするデータを参照または書き込みすることができます。
FORM f_get_range_table USING u_setclass u_subclass u_setname CHANGING r_range TYPE TABLE. DATA: lt_set LIKE setleaf OCCURS 0 WITH HEADER LINE, wl_range TYPE REF TO DATA . FIELD-SYMBOLS : <fs_rec>,<fs_itm> .SELECT * FROM setleaf
INTO TABLE lt_set
WHERE setclass = u_setclass
AND subclass = u_subclass
AND setname = u_setname.LOOP AT lt_set.
CREATE DATA wl_range LIKE LINE OF r_range.
ASSIGN wl_range->* TO <fs_rec>.
ASSIGN COMPONENT 'SIGN' OF STRUCTURE <fs_rec> TO <fs_itm>.
<fs_itm> = lt_set-valsign.
ASSIGN COMPONENT 'OPTION' OF STRUCTURE <fs_rec> TO <fs_itm>.
<fs_itm> = lt_set-valoption.
ASSIGN COMPONENT 'LOW' OF STRUCTURE <fs_rec> TO <fs_itm>.
<fs_itm> = lt_set-valfrom.
ASSIGN COMPONENT 'HIGH' OF STRUCTURE <fs_rec> TO <fs_itm>.
<fs_itm> = lt_set-valto.
APPEND wl_range to r_range.
ENDLOOP.
ENDFORM.
このトピックはテーブルのデータ行に対して、読み込みや変更などの操作方法を取り上げて説明します。
読み込み
内部テーブルから単一行を読み込みするには、以下の命令を使用します。
- READ TABLE itab search-key search-result.
検索キーを指定
読み込む対象となるデータ行の検索キーを指定する方法を説明します。
(1)テーブルキー指定
検索キーとして itab のテーブルキーを使用するには、以下のように key を入力します。
- READ TABLE itab FROM wa result.
または
- READ TABLE itab WITH TABLE KEY k1 = f1 … kn = fn result.
全タイプの内部テーブルに対して、この方法を利用することができます。
(2)任意キー指定
テーブルキー以外の項目も検索キーとして指定することができます。
- READ TABLE itab WITH KEY k1 = f1 … kn = fn result.
標準テーブルの場合、「BINARY SEARCH」をつけて検索の高速化を図ることができます。これは、標準テーブルが検索キー項目によってソートされていることを前提にしています、そうではない場合、エラーにならないが、意図しないデータ行が読み出されることになってしまいます。
(3)index指定
標準テーブルおよびソートテーブルに限りますが、読み込む行のテーブル索引を明示的にidxによって指定することができます。
- READ TABLE 読出元の内部テーブル INTO 読み出し先構造 INDEX idx
idx は、i 型のデータオブジェクトである必要があります。
取得できたかをチェック
対象データが取得できた場合と取得できなかった場合、それぞれ以下のようにシステム項目に値が設定されます。
- 取得できた場合
- sy-subrc: 0
- sy-tabix: 取得された行のインデックス
- 取得できなかった場合
- sy-subrc: エラーコード(0でない数字)
対象行のデータを照会
検索対象行のデータを照会するには、作業領域かフィールドシンボルかを使用することができます。
- 作業領域を使用
READ TABLE itab key INTO wa - フィールドシンボルを使用
READ TABLE itab key ASSIGNING <fs>.
存在チェック
対象データ行の内容を関心せず、対象データが存在しているかどうかのみをチェックする場合があります。その際、「READ TABLE」命令に「NO FIELDS」オプションをつけることができます。
挿入
単一行挿入
単一行を内部テーブルの特定の箇所に挿入する場合は、「INSERT」を使用します。
- INSERT wa INTO TABLE itab INDEX idx.
複数行挿入
複数行を内部テーブルの特定の箇所に挿入する場合は「INSERT LINES OF」を使用します。
- INSERT LINES OF itab1 FROM idx1_1 TO idx1_2 INTO TABLE itab2 INDEX idx2.
変更
単一行変更
単一行を変更するには、以下の命令を使用します。
- MODIFY TABLE itab FROM wa [TRANSPORTING f1 f2 …].
複数行変更
条件を使用して 1 行または複数行を変更するには、以下の命令を使用します。 MODIFY itab FROM wa TRANSPORTING f1 f2 …WHERE cond.
削除
単一行削除
内部テーブルの単一行を削除する場合は、DELETE 命令を使用します。
- DELETE TABLE itab FROM wa.
または
- DELETE TABLE itab WITH TABLE KEY k1 = f1 … kn = fn.
または
- DELETE TABLE itab Index idx
複数行削除
内部テーブルの行を複数まとめて削除する場合には、「DELETE .. WHERE」文を使用します。
- DELETE TABLE itable WHERE key = value.
走査
内部テーブルを走査するには、命令LOOP~ENDLOOPを使用します。 FROM を指定できるのは、 標準テーブルおよび ソートテ ーブルの場合に限られます。 すべてのテーブルデータ型について WHERE を指定することができます。
DATA : T_WITH_ITEM TYPE TABLE OF WITH_ITEM, W_WITH_ITEM TYPE WITH_ITEM. * 処理 LOOP AT T_WITH_ITEM INTO W_WITH_ITEM WHERE BELNR = W_BELNR AND BUZEI = W_BUZEI. * 処理
ENDLOOP.
このトピックでは内部テーブル全体に対する操作を取り上げて説明します。
割当
内部テーブルの割り当ては、MOVE命令を使用します。 MOVE itab1 TO itab2. なお、代入演算子も同様の働きを持ちます。 itab2 = itab1.
上記の命令が実行された結果、内部テーブルitab1の内容が内部テーブルitab2にコピーされることになります。
初期化
内部テーブルを初期化するには、clear、fresh、freeなどの命令を使用します。
- clear
- 構文1:clear itab[]
内部テーブルの本体を初期化します。
内部テーブルは初期メモリ所要量が予約され、その以外のメモリ領域がすべて解放されます。 - 構文2:clear itab
ヘッダ行を含まない内部テーブルの場合は、この命令はclear itab[]と同様に動作します。
ヘッダ行を含る内部テーブルの場合は、ヘッダ行(作業領域)の名前が内部テーブルと同じであるため、このテーブルは単なるヘッダ行のクリアのみとなります。
- fresh
- 構文:fresh itab
常に内部テーブルの本体を初期化します。この命令はclear itab[]と同様に動作します。
- free
- 構文:fresh itab
常に内部テーブルの本体を初期化します。この命令はclear、fresh命令と異なり、内部テーブルに対して、初期メモリ所要量を含めた記憶域全体をすべて解放します。
比較
ABAPでは、内部テーブルも論理式内のオペランドとして比較することができます。
ソート
内部テーブルのソートはSORT命令を使用します。
SORT itab [ASCENDING|DESCENDING] [AS text] [STABLE].
属性取得
DESCRIBE TABLE命令を使用して、件数などの内部テーブルの各属性を取得することができます。
- DESCRIBE TABLE
構文:DESCRIBE TABLE itab [LINES lin] [OCCURS n] [KIND knd].- パラメータ:LINES
内部テーブルのレコード件数を取得します。 - パラメータ:OCCURS
内部テーブルの初期サイズを取得します。 - パラメータ:KIND
内部テーブルの種類を取得します。
テーブルデータ型は、ABAP における内部テーブルの構造と機能属性を示します。このトピックでは、テーブルデータ型を取り上げて、その構成や種類などを説明します。
構成
行データ型
通常、内部テーブルのデータ型は構造であり、その構造の各コンポーネントは、それぞれ内部テーブル内の1つの列になります。 ただし、内部テーブルのデータ型の仕様としては、構造以外の任意のデータ型を使用することも可能です。
キー
テーブル行データはキーによって識別されます。キーは、システムからデフォルトで生成されるは標準キーのほかに、ユーザから定義することもできます。ユーザ定義キーはUNIQUE または NON-UNIQUE として指定することができます。
アクセス方法
内部テーブルのアクセス方法は以下三つの種類から指定できます。
- 標準テーブル
標準テーブルは内部的な線型索引を持ちます。
索引を使用して個別のテーブルエントリをアドレス指定する予定がある場合には、これが最適なデータ型です。 - ソートテーブル
ソートテーブルは常にキー別にソートされ、保存されます。ソートテーブルも内部索引を持ちます。
バイナリ検索が求められる場合には、これが最適なデータ型です。 - ハッシュテーブル
ハッシュテーブルは線型索引を持ちません。キーを使用した場合にのみハッシュテーブルにアクセスすることができます。
ハッシュ検索が求められる場合には、これが最適なデータ型です。
分類
完全指定のテーブルデータ型
内部テーブルのアクセス方法が明示されたテーブルデータ型です。
- STANDARD TABLE または TABLE
標準テーブルを登録します。 - SORTED TABLE
ソートテーブルを登録します。 - HASHED TABLE
ハッシュテーブルを登録します。
ジェネリックテーブルデータ型
内部テーブルのアクセス方法が明示されたテーブルデータ型です。
- INDEX TABLE
索引アクセスを使用するジェネリックテーブルデータ型を登録します。 - ANY TABLE
完全なジェネリックテーブルデータ型を登録します。
ジェネリックテーブルデータ型は動的なプログラミングでよく使用されます。
定義
テーブルデータ型は、ローカルまたはグローバルに定義することができます。
ローカル定義
プログラムの中でTYPE命令を使用してテーブルデータ型をローカルに定義することができます。 構文:
TYPES type TYPE|LIKE tabkind OF linetype [WITH key] [INITIAL SIZE n].
グローバル定義
このトピックでは、EXCELファイル出力の方法を取り上げて説明します。
仕組
ABAPプログラムは、ABAP言語のOLE オートメーション技術を利用して、Excelファイルの読み取り、書き込みを行うことができます。 以下の図でその仕組みを示します。
- OLEサーバとなるデスクトップアプリケーション(ExcelやWordなど)は、フロントエンドマシンに稼働します。
- ABAPプログラムはAS ABAPに稼働します。
- OLEサーバを直接アクセスするのは同じフロントエンドマシンに稼働するSAP GUIです。
- ABAPプログラムのOLE関連命令はAS ABAPによりRFCを通して、フロントエンドマシンに稼働するSAP GUIと連携されます。
ABAPで制御されるアプリケーションはすべて、ABAPシステムに登録しなければなりません。
ABAP命令
以下のABAP命令でOLEサーバアプリケーションを制御します。
- CREATE OBJECT
OLEサーバアプリケーションのアプリケーションオブジェクトを作成します。
アプリケーション名が指定されます、例えばExcelアプリケーションの場合は、'Excel.Application'になります。 - SET PROPERTY
アプリケーションオブジェクトのプロパティの値を設定します。 - GET PROPERTY
アプリケーションオブジェクトのプロパティの値を取得します。 - CALL METHOD
アプリケーションオブジェクトのメソッドを呼び出します。
サンプルソース
任意テーブルのデータをExcelファイルへエクスポートするツールをサンプルとして取り上げてそのソースを以下に示します。 動的プログラミングのサンプルソースとしても参考できるものです。
REPORT Y_XXXXX01. INCLUDE ole2incl. TYPES: BEGIN OF s_tabstr, fieldname TYPE fieldname, as4local TYPE as4local, POSITION TYPE tabfdpos, keyflag TYPE keyflag, rollname TYPE rollname, datatype TYPE datatype_d, leng TYPE ddleng, scrtext_s TYPE scrtext_s, END OF s_tabstr. PARAMETERS: p_table TYPE dd02l-tabname obligatory. PARAMETERS: p_file TYPE localfile DEFAULT 'c:\temp\test1.xls'. TABLES: v_username. DATA: BEGIN OF i_data OCCURS 0. INCLUDE STRUCTURE v_username. DATA: END OF i_data. START-OF-SELECTION. DATA: g_tablename TYPE tabname, g_filename TYPE localfile, g_itab_header TYPE REF TO DATA, g_itab_data TYPE REF TO DATA. g_tablename = p_table. g_filename = p_file. * get table header PERFORM f_get_tablestruc USING g_tablename CHANGING g_itab_header. * get table data PERFORM f_extract_tabledata USING g_tablename CHANGING g_itab_data. * create and export data to excel file PERFORM f_export_to_excel USING g_itab_header g_itab_data g_filename. FORM f_get_tablestruc USING VALUE(u_tabnam) TYPE tabname CHANGING c_itab TYPE REF TO DATA. DATA: v_delm TYPE C, str_ty TYPE REF TO cl_abap_structdescr, t_cm TYPE cl_abap_structdescr=>component_table, s_cm LIKE LINE OF t_cm, ref_cm TYPE REF TO DATA, f_seq TYPE n length 4, tabstr TYPE STANDARD TABLE OF s_tabstr. FIELD-SYMBOLS: <str> TYPE ANY, <cmp> TYPE ANY, <tabstr> LIKE LINE OF tabstr, <lab> TYPE STANDARD TABLE. CLEAR: f_seq, t_cm[]. MOVE cl_abap_char_utilities=>horizontal_tab TO v_delm. SELECT fieldname as4local POSITION keyflag rollname datatype leng scrtext_s FROM dd03vt INTO TABLE tabstr WHERE tabname EQ u_tabnam AND ddlanguage EQ sy-langu. IF sy-subrc NE 0. MESSAGE e004(zasd1) WITH TEXT-e01 u_tabnam space space. STOP. ENDIF. SORT tabstr BY POSITION ASCENDING. LOOP AT tabstr ASSIGNING <cmp>. CLEAR s_cm. f_seq = f_seq + 1. CONCATENATE 'col' f_seq INTO s_cm-name. s_cm-type = cl_abap_elemdescr=>get_c( 30 ). APPEND s_cm TO t_cm. ENDLOOP. str_ty = cl_abap_structdescr=>create( t_cm ). CREATE DATA ref_cm TYPE handle str_ty. ASSIGN ref_cm->* TO <str>. CREATE DATA c_itab LIKE STANDARD TABLE OF <str>. ASSIGN c_itab->* TO <lab>. CLEAR f_seq. DATA w_cl TYPE string. LOOP AT tabstr ASSIGNING <tabstr>. f_seq = f_seq + 1. CLEAR w_cl. CONCATENATE 'COL' f_seq INTO w_cl. ASSIGN COMPONENT w_cl OF STRUCTURE <str> TO <cmp>. <cmp> = <tabstr>-scrtext_s. ENDLOOP. APPEND <str> TO <lab>. CLEAR f_seq. LOOP AT tabstr ASSIGNING <tabstr>. f_seq = f_seq + 1. CLEAR w_cl. CONCATENATE 'COL' f_seq INTO w_cl. ASSIGN COMPONENT w_cl OF STRUCTURE <str> TO <cmp>. <cmp> = <tabstr>-fieldname. ENDLOOP. APPEND <str> TO <lab>. IF sy-subrc <> 0. MESSAGE ID sy-msgid TYPE sy-msgty NUMBER sy-msgno WITH sy-msgv1 sy-msgv2 sy-msgv3 sy-msgv4. ENDIF. ENDFORM. * * FORM f_extract_tabledata USING VALUE(u_tabnam) TYPE tabname CHANGING c_itab TYPE REF TO DATA. DATA: w_file TYPE string, tabstr TYPE STANDARD TABLE OF s_tabstr. FIELD-symbols: <itab> TYPE STANDARD TABLE. CREATE DATA c_itab TYPE STANDARD TABLE OF (u_tabnam). ASSIGN c_itab->* TO <itab>. SELECT * FROM (u_tabnam) INTO TABLE <itab>. IF sy-subrc <> 0. MESSAGE ID sy-msgid TYPE sy-msgty NUMBER sy-msgno WITH sy-msgv1 sy-msgv2 sy-msgv3 sy-msgv4. ENDIF. ENDFORM. "f_down_proc FORM f_export_to_excel USING u_itab_header TYPE REF TO DATA u_itab_data TYPE REF TO DATA u_filename TYPE localfile. DATA: w_excel TYPE ole2_object, w_workbooks TYPE ole2_object, w_workbook TYPE ole2_object, w_cell TYPE ole2_object. DATA: w_row TYPE I, w_col TYPE I, type TYPE C, count TYPE I. FIELD-SYMBOLS: <str> TYPE ANY, <cmp> TYPE ANY, <fs_itab_header> TYPE STANDARD TABLE, <fs_itab_data> TYPE STANDARD TABLE, <fs_itab_headrow> TYPE ANY, <fs_itab_datarow> TYPE ANY. * Create OLE automation object of type Excel.Application. CREATE OBJECT w_excel 'Excel.Application'. * Add a new Excel Workbook. CALL METHOD OF w_excel 'Workbooks' = w_workbooks. CALL METHOD OF w_workbooks 'Add' = w_workbook. * Display MS-Excel when executing the program. SET PROPERTY OF w_excel 'Visible' = 1. * Export title to the Excel sheet. ASSIGN u_itab_header->* TO <fs_itab_header>. FIELD-SYMBOLS: <fs_headrow> TYPE ANY. w_row = 1. LOOP AT <fs_itab_header> ASSIGNING <fs_itab_headrow>. w_col = 1. DESCRIBE FIELD <fs_itab_headrow> TYPE type COMPONENTS count. WHILE w_col <= count. ASSIGN COMPONENT w_col OF STRUCTURE <fs_itab_headrow> TO <cmp>. CALL METHOD OF w_excel 'Cells' = w_cell EXPORTING #1 = w_row #2 = w_col. SET PROPERTY OF w_cell 'Value' = <cmp>. w_col = w_col + 1. ENDWHILE. w_row = w_row + 1. ENDLOOP. * Export data to the Excel sheet. ASSIGN u_itab_data->* TO <fs_itab_data>. LOOP AT <fs_itab_data> ASSIGNING <fs_itab_datarow>. w_col = 1. DESCRIBE FIELD <fs_itab_headrow> TYPE type COMPONENTS count. WHILE w_col <= count. ASSIGN COMPONENT w_col OF STRUCTURE <fs_itab_datarow> TO <cmp>. CALL METHOD OF w_excel 'Cells' = w_cell EXPORTING #1 = w_row #2 = w_col. SET PROPERTY OF w_cell 'Value' = <cmp>. w_col = w_col + 1. ENDWHILE. w_row = w_row + 1. ENDLOOP. * Save file. CALL METHOD OF w_workbook 'SaveAs' EXPORTING #1 = u_filename #6 = 1. * Quit Excel. CALL METHOD OF w_excel 'Quit'. FREE OBJECT: w_excel, w_workbooks, w_workbook, w_cell. ENDFORM.
このトピックでは、PDFファイル出力の方法を取り上げて説明します。 (このトピックは編集中です。)
PDFファイル作成
*スプール情報をPDFに変換 CALL FUNCTION 'CONVERT_ABAPSPOOLJOB_2_PDF' EXPORTING SRC_SPOOLID = '9999' “スプール番号 NO_DIALOG = ' ' IMPORTING PDF_BYTECOUNT = WK_SIZE “ファイルサイズ TABLES PDF = PDFTAB “PDFデータ EXCEPTIONS ERR_NO_ABAP_SPOOLJOB = 1 ERR_NO_SPOOLJOB = 2 ERR_NO_PERMISSION = 3 ERR_CONV_NOT_POSSIBLE = 4 ERR_BAD_DESTDEVICE = 5 USER_CANCELLED = 6 ERR_SPOOLERROR = 7 ERR_TEMSEERROR = 8 ERR_BTCJOB_OPEN_FAILED = 9 ERR_BTCJOB_SUBMIT_FAILED = 10 ERR_BTCJOB_CLOSE_FAILED = 11 OTHERS = 12.
このトピックでは、ABAPでUniCodeのシステムからSJISコードで固定長ファイル出力の方法を取り上げて説明します。
背景
ABAPで文字コードの関係でSJISコードで固定長ファイルを出力するには少し工夫する必要があります。 タブ区切りやカンマ区切りのファイル出力にするほうがだんぜん楽ですが、ふるい既存システムへの連携で固定長ファイルにしなければならない場面がしばしばあります。
固定長項目出力
固定長ファイル出力の基本は、項目を固定バイト長に出力させることです。
問題点
以下の構造体をファイルに出力することを例とします。
TYPES: BEGIN OF typ_row, col1 TYPE C LENGTH 10, col2 TYPE C LENGTH 12, END OF typ_row.
Unicodeシステムのため、co1に定義されたLENGTH=10はバイト数ではなく文字数ですので、SJISで出力されるバイト数は可変になります。 一番少ないのは、すべて半角文字の場合であり、出力バイト数が10×1半角文字1バイト=10バイトになります。 一番多いのは、すべて全角文字の場合であり、出力バイト数が10×1全角文字2バイト=20バイトになります。 col1の固定長出力は以下の2パターンに分けることができます。
- 固定長>=20バイト
col1の実際の出力バイト数が20を超えることがないため、カットする処理は必要がありません。
但し、場合によって後ろにスペースを埋める必要があるため、col1の実際の出力バイト数を計算しなければなりません。 - 固定長<20バイト、例えば:10バイト
col1の実際の出力バイト数を計算して、10バイトに未満の場合のスペース埋め処理を実装するほか、10バイトを超えた場合の既存文字列のカット処理も実装しなければなりません。カットする際に、カットが全角文字の真ん中にならないように注意する必要があります。
対応方法
上記の課題を対応するポイントは以下になります。
- 出力バイト数計算処理
メソッドcl_abap_list_utilities⇒dynamic_output_lengthを利用して、出力バイト数を計算します。
このメソッドは各文字が全角文字か半角文字かを判断して、全角文字なら2、半角文字なら1というアルゴリズムで出力長を計算しています。 - 文字列カット処理
メソッドcl_abap_list_utilities⇒read_from_display_layoutを利用して、文字列のカット処理を行います。
このメソッドはカットされる箇所に全角文字が跨っている場合、文字化けにならないように該当全角文字を丸ごと捨てるようにしております。 - スペース埋め処理 \\ CONCATENATE命令は文字列を連結する際に、デフォルトで文字列の後ろのスペースを削除するため、スペース埋め処理を行う時は、RESPECTING BLANKSオプションをつける必要があります。
サンプルコード
固定バイト数で文字列を出力するサブルーチンのサンプルコードです。
*&---------------------------------------------------------------------* *& Form F_OUTPUT_FIXED_BYTES *&---------------------------------------------------------------------* * 固定バイト数で文字列出力 *----------------------------------------------------------------------* * -->U_LEN : 出力バイト長 * -->U_FIELD : 入力値 * -->C_STR : 出力文字列 *----------------------------------------------------------------------* FORM f_output_fixed_bytes USING u_len TYPE i u_field CHANGING c_str.DATA:
l_len TYPE i, "length
l_cnt TYPE i,
l_rc TYPE abap_list_repl_rc.
CLEAR: c_str,
l_cnt.
- byte数取得
CALL METHOD cl_abap_list_utilities=>dynamic_output_length
EXPORTING
field = u_field
RECEIVING
len = l_cnt. - データ長が出力バイト長を超えた場合、出力バイト長で文字列をカット
IF l_cnt > u_len.
TRY.
CALL METHOD cl_abap_list_utilities=>read_from_display_layout
EXPORTING
display_data = u_field
display_offset = 0
display_length = u_len
IMPORTING
field = c_str
rc = l_rc.
CATCH cx_parameter_invalid_range .
ENDTRY. - byte数再取得 (カット箇所に全角文字が跨っているケースを考慮)
CALL METHOD cl_abap_list_utilities=>dynamic_output_length
EXPORTING
field = c_str
RECEIVING
len = l_cnt. - バイト数が足りない場合は、後ろにスペースを埋める
WHILE l_cnt < u_len.
CONCATENATE c_str
' '
INTO c_str
RESPECTING BLANKS.
l_cnt = l_cnt + 1.
ENDWHILE.
ENDIF.
ENDFORM.
このトピックでは、サーバ側にファイル入出力の方法を取り上げて説明します。
論理パスの使用
サーバ側でファイル入出力処理を実装するには、事前に論理パスを定義する必要があります。
格納テーブル
論理パス及び物理パスへのマッピングの定義は、以下二つのテーブルに格納されます。
- FILEPATH
論理パスの定義 - PATH
論理パスの物理パスの定義
トランザクション
論理パスの作成及び物理パスの定義は、FILEトランザクションを利用します。
入力パラメータの実装
選択画面でユーザに論理パスを指定できるようにするには、以下のようにパラメータを定義します。
p_filpth TYPE filepath-pathintern OBLIGATORY.
汎用モジュール
論理パスに関わる汎用モジュールは主に以下のものがあります。
- FILE_GET_NAME_USING_PATH
ファイル名と論理パスで完全ファイル名を生成する
ファイルの操作
ABAPにはファイルを操作するための命令が幾つか用意されております。
ファイルのオープン
アプリケーションサーバ上のファイルをオープンするには、OPEN DATASET命令を使用します。
ファイルの読み取り
アプリケーションサーバ上のファイルを読み取りするには、READ DATASET命令を使用します。
ファイルの書き込み
アプリケーションサーバ上のファイルを書き込みするには、TRANSFER命令を使用します。
ファイルのクローズ
アプリケーションサーバ上のファイルをクローズするには、CLOSE DATASET命令を使用します。
ファイルの削除
アプリケーションサーバ上のファイルを削除するには、DELETE DATASET命令を以下のように使用します。
業務アプリケーションでは、データベースを更新する際にデータの整合性を保つ必要があります。そこで重要なのが、次の二つです。
- トランザクション制御
- 排他制御
トランザクション制御
トランザクションとは、「ある意味をもった一連の処理のまとまり」のことで、完全に実行するか、またはまったく実行しないようにする必要がある原子性や、実行前後とも常にデータの整合性をを保持しなければならない一貫性という性質をもっております。
普通の意味では、アプリケーションの動作のうち、「ある意味を持った一連の処理のまとまり」のことをトランザクションといいます。そして、トランザクション制御とはこの一つのトランザクション内でデータの整合性が保たれるようにすることです。
SAP ERPでは、正式的な名称として、この「ある意味を持った一連の処理のまとまり」を「トランザクション」ではなく、「作業論理単位(Logical Unit of Work、略するとLUW)」と呼んでいます。関連がありますが、SAPの「トランザクション」は、トランザクションコードを使用して開始するアプリケーションプログラムのことと定義されています。
SAPでは、作業論理単位(LUW)はデータベース作業論理単位(DB LUW)とSAP作業論理単位(SAP LUW)と2種類が存在していますので、次にそれぞれ説明します。
DB LUW
データベース作業論理単位(DB LUW)
DB LUW は、データが常に整合性を持つようにするために、OracleやMSSQLなどのDBMS(データベース管理システム)が使用するメカニズムです。DBMS側では、一般的にこのDB LUWを「トランザクション」と呼んでいます。
- DB LUWは一つのワークプロセスの中に完結しなければなりません
- ワークプロセスが正常又は異常終了する際に、コミットされていないDB更新に対して、暗黙的なデータベースコミット又はロールバックを行います
- プログラムが汎用モジュール DB_COMMITを呼び出して明示的にデータベースコミットを行うことができます。
- プログラムがSAP LUWの命令(COMMIT WORK、ROLLBACK WORK)を呼び出してSAP LUWを終了する同時に、データベースLUWも終了します。
- 開始されるときや、前のDB LUW がコミット又はロールバックで終了するときに、新しいDB LUWが開始される
- DB LUW内で実行されるデータベース変更はデータベースロックを起こします、そのデータベースロックはLUWの終了に伴い、自動的に解放されます。
SAP LUW
SAP作業論理単位(SAP LUW)
DB LUWはデータベースに対して分割できない連続したデータ上の操作であり、完全に終了するか、まったく実行しないかのいずれかにする必要があります。SAP LUWは、システムに対して分割できない業務処理であり、その業務処理全体を完了するか、あるいはまったく実行しないかのいずれかにする必要があります。SAP-LUW は通常、複数のダイアログステップや複数のDB LUW に及ぶことがあります。 同じSAP LUW で発生したDBデータ変更要求は、全て最後にデータベースに反映されることになります。
SAP LUWの終了
SAP LUWは、DB LUWのように暗黙的に終了することがありません。「COMMIT WORK」や「ROLLBACK WORK」命令を発行して、明示的に終了させる必要があります。
SAP LUWの原子性
一つのSAP LUWの中の各更新は複数のダイアログステップに跨って発行されることがよくありますが、発行時に即時に実行されるとすれば、別々のDB LUWのDBデータ操作になりますので、トランザクションとしての原子性が完全に崩れてしまうことになります。
SAPは、それらの更新を即時実行せずに、「更新依頼」オブジェクトを登録しておきます。「commit work」命令でSAP LUWがコミットされる際に、登録された「更新依頼」を一つのデータベースLUWで実行することにより、トランザクションとしての原子性を維持します。
但し、下記「エラー処理とデータの整合性」節で説明するように、各更新依頼の種類により完全な原子性が出来ない場合も存在します。
SAP LUWとDB LUW
SAPはワークプロセスごとに、固定データベース接続1 つが割り当てられています。そのデータベース接続でデータベースLUWが実行されますので、ワークプロセスは常に一つのDB LUWと結び付いております。
一方、SAP LUWは論理的な単位を提供しています、SAP LUWにおける各更新依頼は、結局、DB LUWによりデータの変更をデータベースに反映しないといけないですが、そのDB LUWは新たに生成されるものではなく、更新依頼が実行されるワークプロセスの固有のDB LUWとなります。そのDB LUWで発行された別の即時DB更新がもしあれば、同時にコミットされます、なお、エラーが発生する場合も、一緒にロールバックされることになります。
SAP LUWの単位
SAP LUW毎に、違う更新キーが割り当てられます、更新依頼はその更新キーと一緒に更新キューに登録されますので、それにより同じSAP LUWのものかどうかを判断できます。
アプリケーションプログラム( TYPE 1、TYPE M)はそれぞれ別のSAP LUWをもっています。但し、トランザクション( 機能)ではなく、「ダイアログモジュール」として起動される場合は、呼び出し元のアプリケーションプログラムのSAP LUWで実行されることになります。
更新依頼の種類と同期化制御
あとから実行するように登録される更新依頼は、下記のように幾つかの種類が存在します。種類によって、処理が実行されるワークプロセスと同期・非同期の制御などが変ります。
(1)サブルーチン更新依頼
PERMFORM <サブルーチン名>命令でON COMMITオプションを付けておければ、そのサブルーチンは即時に実行されることがありません、代わりに更新依頼として登録されます。
そのサブルーチン処理は、SAP LUWがcommit work命令でコミットされる際に、COMMIT WORK 命令と同じデータベース LUW の中で、同じワークプロセスによってインラインで実行されます。
同じワークプロセスなので、COMMIT WORK命令はすべてのサブルーチン更新依頼が処理完了するまでブロックされ、つまり同期化になります。
(2)汎用モジュール更新依頼
CALL <汎用モジュール>命令でIN UPDATE TASKオプションを付けておければ、その汎用モジュールは即時に実行されることがありません、その代わりに更新依頼として、汎用モジュール名とそのインタフェースパラメータがVBLOG という名称の特別なデータベーステーブルに格納されます。
その汎用モジュール処理は、SAP LUWがcommit work命令でコミットされる際に、更新プログラムにより実行されます。
デフォルトは、更新プログラムはcommit work命令が発行されたワークプロセスと別に、更新プロセスと呼ばれているバックグラウンドワークプロセスで非同期に処理を実行します。よってcommit work命令は待たずに、すぐ次の処理に入ることになります。
なお、下記のような場合、汎用モジュール更新依頼の実行はcommit work命令と同期になります。
①commit work命令にand waitオプションを付ける 更新プロセスで実行されるままですが、commit work命令は、全ての汎用モジュール更新依頼が処理完了するまでブロックされますので、同期になります。
②SET UPDATE TASK LOCAL
SET UPDATE TASK LOCALでローカル更新スイッチをONに指定された場合、更新プログラムは更新プロセスではなく、perfom … on commitのように、commit workと同じワークプロセスで実行されることになります。
更新用の汎用モジュールはU1(優先順位が高い)とU2(優先順位が低い)との2種類に分けられ、作成時に属性として指定することができます。更新プロセスで実行される時も別々のワークプロセスで実行されることになります。
(3) バックグラウンド更新依頼
CALL <汎用モジュール>命令でIN BACKGROUND TASKオプションを付けておければ、その汎用モジュールは即時に実行されることがありません、その代わりに更新依頼として登録されます。
その汎用モジュール処理は、SAP LUWがcommit work命令でコミットされる際に、commit work命令が発行されたワークプロセスと別に、バックグラウンドプロセスと呼ばれているワークプロセスで非同期に処理を実行されます。
下記のイメージ図で示されるように、同じSAP LUWの各更新依頼は、(1)→(2)のU1→(2)のU2→(3)の前後順で処理されます。
更新マネージャ「トランザクションコード:SM13」を使えば、更新依頼の処理状況を照会したり、エラーで中止された更新を再実行させたりすることができます。
エラー処理とデータの整合性
SAP LUWにおける各更新は、実行時エラーによっていずれかが失敗した場合、更新システムは下記のように処理します。
(1)FORM ルーチン内( PERFORM ON COMMIT で呼び出し)
-現在の更新トランザクションですでに実行された更新はロールバックされます。
-他の FORM ルーチンは開始されません。
-更新タスクまたはバックグラウンドタスク機能が開始されることはありません。
-エラーメッセージが画面に表示されます。
(2)V1 更新タスク汎用モジュール内( IN UPDATE TASK を依頼)
- V1 機能ですでに実行された更新はロールバックされます。
-更新タスクの依頼 (V1 または V2) はすべて取り消されます。
-バックグラウンドタスク依頼もすべて取り消されます。
- PERFORM ON COMMIT によって呼び出された サブルーチンですでに実行された更新は、ロールバック されません。
-エラーメッセージを送るようにシステム設定されている場合は、エラーメッセージが画面に表示されます。
(3)V2 更新タスク汎用モジュール内( IN UPDATE TASK を依頼)
-現在の V2 機能ですでに実行された更新はロールバックされません。
-まだ実行しなければならない更新タスク依頼 (V2) はすべて実行します。
-まだ実行しなければならないバックグラウンドタスク依頼はすべて実行します。
-V1 または V2 機能ですでに実行された更新はロールバックされません。
-サブルーチン( ON COMMIT で呼び出し)ですでに実行された更新はロールバックされません。
-エラーメッセージを送るようにシステム設定されている場合は、エラーメッセージが画面に表示されます。
(4)バックグラウンドタスク汎用モジュール内( IN BACKGROUND TASK DESTINATION を依頼)
-同一の DESTINATION のバックグラウンドタスク依頼はすべて取り消しされます 。
-すでに実行された他の更新はロールバックされません。
-エラーメッセージは画面に表示されません。
このトピックでは、OpenSQLによりDBデータを検索する方法を取り上げて説明します。
SELECT命令
DBデータを検索するには、SELECT命令を使用します。SELECT命令は以下のような分類があります。
- 「SELECT SINGLE」命令: 一行読込
- 「SELECT・・・ENDSELECT」命令:一件ずつ複数行読込
- 「SELECT INTO TABLE」命令:内部テーブルによる複数行一括読込
- 「SELECT INTO TABLE PACKAGE SIZE ・・・ENDSELECT」命令:内部テーブルによる複数行分割読込
- 「OPEN CURSOR FOR SELECT」命令: カーソルによる読込
SELECT SINGLE
構文:
SELECT SINGLE 項目 INTO wa FROM テーブル名 ~.
この命令は、指定したデータベーステーブルから、指定した条件と一致するデータを1件のみ取得します。。INTO句の後ろでは、構造(wa)を指定する必要があります。
取得する事ができれば、システム項目「SY-SUBRC」には0が入ります。取得できたデータの件数(取得できていれば1)は、システム項目「SY-DBCNT」に格納されます。
SELECT...ENDSELECT
構文:
SELECT 項目 INTO wa FROM テーブル名 ~. 処理内容 ENDSELECT.
この命令は、指定したデータベーステーブルから、指定した条件と一致するデータを1件ずつ取得します。条件と一致するデータがなくなるまで、「ENDSELECT.」の間をループします。NTO句の後ろでは、構造(wa)を指定する必要があります。
1件でもデータを取得する事ができれば、システム項目「SY-SUBRC」には0が入ります。取得できたデータの件数は、システム項目「SY-DBCNT」に格納されます。
SELECT INTO TABLE
構文:
SELECT 項目 INTO TABLE it FROM テーブル名 ~.
この命令は、指定したデータベーステーブルから、指定した条件と一致するデータを一括で取得します。データをプログラム内で溜めて利用する事ができるのが特徴です。INTO句の後ろでは、内部テーブル(it)を指定する必要があります。
1件でもデータを取得する事ができれば、システム項目「SY-SUBRC」には0が入ります。取得できたデータの件数は、システム項目「SY-DBCNT」に格納されます。
SELECT INTO TABLE PACKAGE SIZE...ENDSELECT
構文:
SELECT 項目 INTO TABLE it. FROM テーブル名 PACKAGE SIZE 行数 ~. 処理内容 LOOP AT it into wa. 処理内容 ENDLOOP. 処理内容 ENDSELECT.
この命令は、指定したデータベーステーブルから、指定した条件と一致するデータを、PACKAGE SIZEで指定された行数単位で、複数のパッケージに分けて内部テーブルに読み込みます。
読み込むパッケージがなくなるまで、SELECT~ENDSELECTの間をループします。なお、内部テーブルには常に、いま読み込まれたパッケージの行のみが格納されます。(INTOの代わりにAPPENDINGキーワードを使えば、内部テーブルには各パッケージの行がどんどん溜まっていくことになります)
OPEN CURSOR FOR SELECT
構文:
OPEN CURSOR c FOR SELECT 項目 FROM テーブル名 ~. DO. FETCH NEXT CURSOR c INTO wa. 処理内容 ENDDO. CLOSE CURSOR c
記述詳細
WHERE句
全ての命令のSQL文ではWHERE句を記述することが可能です。
「SELECT SINGLE」命令では、WHERE句でプライマリキーが特定できない場合に警告が出力されます。
ORDERBY句
下記のように「○」が付いている命令のSQL文では、ORDERBY句を記述することが可能です。
- 「SELECT SINGLE」:×
- 「SELECT・・・ENDSELECT」:○
- 「SELECT INTO TABLE」:○
- 「SELECT INTO TABLE PACKAGE SIZE ・・・ENDSELECT」:○
- 「OPEN CURSOR FOR SELECT」:○
結合検索
全ての命令のSQL文では下記のような結合検索を記述することが可能です。
- INNER 別テーブル名 ON 結合条件
- LEFT OUTER JOIN 別テーブル名 ON 結合条件
集計問い合わせ
全ての命令では、下記の集計関数や句を含める集計問い合わせを記述することが可能です。
- COUNT
- SUM
- AVG
- MAX
- MIN
- GROUPBY句
- HAVING句
DISTINCT
下記のように「○」が付いている命令のSQL文では、DISTINCTを記述することが可能です。
- 「SELECT SINGLE」:×
- 「SELECT・・・ENDSELECT」:○
- 「SELECT INTO TABLE」:○
- 「SELECT INTO TABLE PACKAGE SIZE ・・・ENDSELECT」:○
- 「OPEN CURSOR FOR SELECT」:○
読み取る行数を制御
下記のように「○」が付いている命令のSQL文では、[UP TO <n> ROWS]オプションで読み込まれる行数を制限することが可能です。
- 「SELECT SINGLE」:×
- 「SELECT・・・ENDSELECT」:○
- 「SELECT INTO TABLE」:○
- 「SELECT INTO TABLE PACKAGE SIZE ・・・ENDSELECT」:○
- 「OPEN CURSOR FOR SELECT」:○
テーブル条件
SELECT 命令の WHERE 句には特殊バリアントがあり、内部テーブルの行および列から条件を導くことができます。
SELECT ...FOR ALL ENTRIES IN <itab> WHERE <cond> ...
<cond> は前述の方法で指定します。内部テーブル <itab> の項目を、条件のオペランドとして指定する場合は、内部テーブルのすべての行をアドレス指定します。その後で、内部テーブルの各行に対して比較が実行されます。各行に対して、条件を満たすデータベーステーブルからの行を選択します。SELECT 命令の結果セットは、内部テーブルの各行に対する個々の選択を結合したものです。重複する行は自動的に結果セットから除外されます。<itab> が空白の場合、オプション FOR ALL ENTRIES が無視され、すべてのエントリが読み込まれます。
内部テーブル <itab> には構造化された行データ型が必要であり、条件 <cond> に登場する各項目は、比較対象のデータベースの列と互換性がなければなりません。内部テーブル項目を使用する比較では、演算子 LIKE 、BETWEEN 、IN を使用しないでください。同じ SELECT 命令では ORDER BY 句を使用しません。
オプション FOR ALL ENTRIES を使用して、ネストされた選択ループを内部テーブルでの操作で置き換えます。これにより、選択したデータの多数のセットに対するパフォーマンスが大幅に向上します。
WHERE句での選択テーブルの使用
WHERE 句で選択テーブルを使用するには、次のように記述します。
......... WHERE <f> IN <seltab>.
<f> はデータベース列の名前で、<seltab> はその項目に割り当てられた選択テーブルです。このように WHERE 句を指定した OPEN SQL 命令は、データベーステーブルの列のうち、項目<f> の内容が <seltab> に格納されている選択基準に合致しているものだけにアクセスします。
REPORT DEMO. DATA WA_CARRID TYPE SPFLI-CARRID. SELECT-OPTIONS AIRLINE FOR WA_CARRID. SELECT CARRID FROM SPFLI INTO WA_CARRID WHERE CARRID IN AIRLINE. WRITE WA_CARRID. ENDSELECT.
選択テーブル AIRLINE はデータベーステーブル SPFLI の CARRID 列にリンクされています。SELECT 命令の WHERE 句により、CARRID 列の内容が AIRLINE に格納された選択基準を満たしているかどうかがチェックされます。
選択テーブルが次のように入力されているとします
SIGN | OPTION | LOW | HIGH |
---|---|---|---|
I | BT | DL | UA |
E | EQ | LH | - |
WHERE句でのRANGES テーブルの使用
RANGES テーブルは選択テーブルと同じデータ型を持ちますが、選択画面の入力項目にリンクされていません。
各命令の使い分け
下記のように目的に応じて各命令を使い分けることができます。
- 最大1件のみを取得する場合は「SELECT SINGLE」命令を使います。
- 複数件を取得し、且つ取得可能な件数が必ず一定の範囲に収まる場合は「SELECT INTO TABLE」命令を使います。
- 複数件を取得し、取得可能な件数は一定ではない場合は、基本的に「SELECT INTO TABLE PACKAGE SIZE ・・・ENDSELECT」命令を使います。
- 複数件を取得し、前の行の値によって次の行を取得するかどうかを判断する必要な場合は、「OPEN CURSOR FOR SELECT」命令を使います。
- 「SELECT・・・ENDSELECT」命令は、基本的に使いません。
SAP ECCシステムでは、数量はすべて数量単位と結びつけられます。
基本的な単位処理
単位は長さや広さなどの次元を元に管理されます。同じ次元の単位はシステムテーブルに定義された換算係数を元に換算することができます。なお、次元なしの単位も存在します。
SI単位取得
SI単位を取得するには、汎用モジュールSI_UNIT_GET(ステータス:リリース)を使用することができます。 単位と次元のどちらかをパラメータとして指定可能です。
次元取得又はチェック
次元の取得又はチェックするには、以下の汎用モジュールを使用することができます。
- DIMENSION_CHECK
内部測定単位が指定された次元に対応しているかどうかをチェックします。 - DIMENSION_GET_FOR_UNIT
内部測定単位の次元を取得します。 - UNIT_CORRESPONDENCE_CHECK
2つの単位が同じ次元に属するかどうかをチェックします。
換算係数取得
単位間の換算係数は、元情報がT006に定義されており、精度を維持するため、分子・分母により表現されます。 例えばインチとメトルの換算係数は、1平方インチ=(0.0254×0.0254=0.00064516)=125/193,752平米のように、分子125と分母193752で定義されています。
単位の換算係数を取得するには、汎用モジュールCONVERSION_FACTOR_GET(ステータス:リリース)を使用することができます。 変換には以下の式が使用されます。 (単位 UNIT_OUT の値) = (単位 UNIT_IN の値) *分子/分母 + 追加定数
REPORT Y_UNIT_TEST1. DATA: UNIT_1 LIKE T006-MSEHI, UNIT_2 LIKE T006-MSEHI, VAR1 TYPE F, ZAEHL TYPE F, NENNR TYPE F, ANDEC LIKE T006-ANDEC, DIMID LIKE T006-DIMID. UNIT_1 = 'IN2'. UNIT_2 = 'M2'. CALL FUNCTION 'CONVERSION_FACTOR_GET' EXPORTING UNIT_IN = UNIT_1 UNIT_OUT = UNIT_2 *NO_TYP_CHECK = ' ' IMPORTING ADD_CONST = VAR1 NUMERATOR = ZAEHL DENOMINATOR = NENNR DECIMALS = ANDEC DIMENSION = DIMID EXCEPTIONS CONVERSION_NOT_FOUND = 01 OVERFLOW = 02 TYPE_INVALID = 03 UNITS_MISSING = 04 UNIT_IN_NOT_FOUND = 05 UNIT_OUT_NOT_FOUND = 06. WRITE :/ '平方インチから平米へ変換'. WRITE :/ ' 次元キー:', DIMID. WRITE :/ ' 変換係数(分子):',ZAEHL DECIMALS 0 EXPONENT 0. WRITE :/ ' 変換係数(分母):',NENNR DECIMALS 0 EXPONENT 0. WRITE :/ ' 追加定数:', VAR1 DECIMALS 0 EXPONENT 0.
数量換算
異なる単位間の数量換算を行うには、以下の汎用モジュールを使用することができます。
- UNIT_CONVERSION_WITH_FACTOR(ステータス:リリース)
換算係数はパラメータにより指定されます。 - UNIT_CONVERSION_SIMPLE(ステータス:リリース)
換算係数はシステムテーブルT006から自動的に取得されます。
内部表現⇔外部表現変換
単位の内部表現と外部表現を変換するには、以下の汎用モジュールを使用することができます。
- CONVERSION_EXIT_CUNIT_INPUT
商用測定単位(3文字の外部測定単位)に対応する内部測定単位を取得します - CONVERSION_EXIT_CUNIT_OUTPUT
内部測定単位に対応する商用測定単位(3文字の外部測定単位)を取得します - CONVERSION_EXIT_LUNIT_INPUT
技術測定単位(6文字の外部測定単位)に対応する内部測定単位を取得します - CONVERSION_EXIT_LUNIT_OUTPUT
内部測定単位に対応する技術測定単位(6文字の外部測定単位)を取得します
SAP単位⇔ISO単位変換
SAP単位とISO単位変換を変換するには、以下の汎用モジュールを使用することができます。
- UNIT_OF_MEASURE_ISO_TO_SAP
ISO単位からSAP単位を取得します - UNIT_OF_MEASURE_SAP_TO_ISO
SAP単位からISO単位を取得します
品目の単位変換処理
品目は、品目固有の単位換算数式を品目マスタ画面で入力管理することができます。その情報を元に、品目の単位換算を行う汎用モジュールは標準から用意されております。
基本数量単位への変換
「基本数量単位への変換」を行なうには、汎用モジュール「MATERIAL_UNIT_CONVERSION」を使用します。
CALL FUNCTION 'MATERIAL_UNIT_CONVERSION' EXPORTING MATNR = vl_matnr "品目 INPUT = vl_source_value "変換数量 MEINH = vl_source_meinf "変換前数量単位 IMPORTING OUTPUT = vl_target_value "変換後数量 EXCEPTIONS OTHERS = 1.
数量単位間の変換
「基本単位に限らない二つの単位間の変換」をなうには、汎用モジュール「MD_CONVERT_MATERIAL_UNIT」を使用します。
CALL FUNCTION 'MD_CONVERT_MATERIAL_UNIT' EXPORTING i_matnr = vl_matnr "品目 i_in_me = vl_source_unit "変換前単位 i_out_me = vl_target_unit "変換後単位 i_menge = vl_source_value "変換前数量 IMPORTING e_menge = vl_target_value "変換後数量 EXCEPTIONS OTHERS = 1.
参考一覧
ABAPにおける金額項目は常に特定の通貨と結び付けられています。異なる通貨の金額換算や、内部書式と外部書式間の変換など、SAP標準から様々な汎用モジュールを用意されています。 このトピックでは、金額処理に関わる様々な方法を目的毎に纏めて説明します。
通貨情報取得
通貨換算係数取得
CURRENCY_CONVERTING_FACTOR
通貨換算係数を取得する関数。
DATA: WK_WAERS TYPE VBRK-WAERK. DATA: WK_FACTOR TYPE P DECIMALS 3. CALL FUNCTION 'CURRENCY_CONVERTING_FACTOR' EXPORTING CURRENCY = WK_WAERS “ 通貨コード IMPORTING FACTOR = WK_FACTOR ” 通貨換算係数 EXCEPTIONS TOO_MANY_DECIMALS = 1 OTHERS = 2.
為替レート換算係数取得
READ_EXCHANGE_RATE
為替レート取得
READ_EXCHANGE_RATE
金額換算
外貨通貨→国内通貨
外貨通貨金額から国内通貨金額を換算するには、汎用モジュールCONVERT_TO_LOCAL_CURRENCYを利用できます。
REPORT Y_TEST_XXXX. DATA: F_CURR TYPE TCURR-FCURR, L_CURR TYPE TCURR-TCURR, F_VALUE TYPE P LENGTH 8 DECIMALS 2, L_VALUE TYPE P LENGTH 8 DECIMALS 2, EX_RATE TYPE TCURR-UKURS, F_FACTOR TYPE TCURR-FFACT, L_FACTOR TYPE TCURR-TFACT. F_CURR = 'JPY'. L_CURR = 'THB'. F_VALUE = '0.02'. CALL FUNCTION 'CONVERT_TO_LOCAL_CURRENCY' EXPORTING * CLIENT = SY-MANDT DATE = SY-DATUM "為替レート自動取得時の基準日 FOREIGN_AMOUNT = F_VALUE "外貨通貨金額 FOREIGN_CURRENCY = F_CURR "外貨通貨 LOCAL_CURRENCY = L_CURR "国内通貨 * RATE = '29.36' "為替レートを指定する場合は、このパラメータを利用すると "ともにREAD_TCURRを''にする TYPE_OF_RATE = 'B' "為替レートタイプ B: READ_TCURR = 'X' "'X':為替レートはTCURRより取得、'':為替レートは "RATEパラメータの値を使用 IMPORTING EXCHANGE_RATE = EX_RATE "換算時の為替レート FOREIGN_FACTOR = F_FACTOR "換算時の換算係数(外貨) LOCAL_AMOUNT = L_VALUE "換算後国内通貨金額 LOCAL_FACTOR = L_FACTOR "換算時の換算係数(国内通貨) * EXCHANGE_RATEX = * FIXED_RATE = * DERIVED_RATE_TYPE = * EXCEPTIONS * NO_RATE_FOUND = 1 * OVERFLOW = 2 * NO_FACTORS_FOUND = 3 * NO_SPREAD_FOUND = 4 * DERIVED_2_TIMES = 5 * OTHERS = 6 . IF SY-SUBRC <> 0. * MESSAGE ID SY-MSGID TYPE SY-MSGTY NUMBER SY-MSGNO * WITH SY-MSGV1 SY-MSGV2 SY-MSGV3 SY-MSGV4. ENDIF. WRITE:/'FOREIGN CURRENCY=', F_CURR, /'FOREIGN_FACTOR=', F_FACTOR, /'FOREIGN VALUE=', F_VALUE, /'EXCHANGE_RATE=', EX_RATE, /'LOCAL CURRENCY=', L_CURR, /'LOCAL_FACTOR=', L_FACTOR, /'LOCAL VALUE=', L_VALUE. WRITE:/ F_CURR,F_VALUE CURRENCY F_CURR. WRITE:/ L_CURR,L_VALUE CURRENCY L_CURR.
国内通貨→外貨通貨
CONVERT_TO_FOREIGN_CURRENCY 国内通貨額の外貨への換算
REPORT Y_TEST_XXXX. DATA: F_CURR TYPE TCURR-FCURR, L_CURR TYPE TCURR-TCURR, F_VALUE TYPE P LENGTH 8 DECIMALS 2, L_VALUE TYPE P LENGTH 8 DECIMALS 2, EX_RATE TYPE TCURR-UKURS, F_FACTOR TYPE TCURR-FFACT, L_FACTOR TYPE TCURR-TFACT. F_CURR = 'JPY'. L_CURR = 'THB'. L_VALUE = '3'. CALL FUNCTION 'CONVERT_TO_FOREIGN_CURRENCY' EXPORTING * CLIENT = SY-MANDT DATE = SY-DATUM "為替レート自動取得時の基準日 LOCAL_AMOUNT = L_VALUE "国内通貨金額 FOREIGN_CURRENCY = F_CURR "外貨通貨 LOCAL_CURRENCY = L_CURR "国内通貨 * RATE = '0.07' "為替レートを指定する場合は、このパラメータを利用すると "ともにREAD_TCURRを''にする TYPE_OF_RATE = 'B' "為替レートタイプ B: READ_TCURR = 'X' "'X':為替レートはTCURRより取得、'':為替レートは "RATEパラメータの値を使用 IMPORTING EXCHANGE_RATE = EX_RATE "換算時の為替レート FOREIGN_FACTOR = F_FACTOR "換算時の換算係数(外貨) FOREIGN_AMOUNT = F_VALUE "換算後外貨金額 LOCAL_FACTOR = L_FACTOR "換算時の換算係数(国内通貨) * EXCHANGE_RATEX = * FIXED_RATE = * DERIVED_RATE_TYPE = * EXCEPTIONS * NO_RATE_FOUND = 1 * OVERFLOW = 2 * NO_FACTORS_FOUND = 3 * NO_SPREAD_FOUND = 4 * DERIVED_2_TIMES = 5 * OTHERS = 6 . IF SY-SUBRC <> 0. * MESSAGE ID SY-MSGID TYPE SY-MSGTY NUMBER SY-MSGNO * WITH SY-MSGV1 SY-MSGV2 SY-MSGV3 SY-MSGV4. ENDIF. WRITE: /'LOCAL CURRENCY=', L_CURR, /'LOCAL_FACTOR=', L_FACTOR, /'LOCAL VALUE=', L_VALUE, /'FOREIGN CURRENCY=', F_CURR, /'FOREIGN_FACTOR=', F_FACTOR, /'FOREIGN VALUE=', F_VALUE, /'EXCHANGE_RATE=', EX_RATE . WRITE:/ L_CURR,L_VALUE CURRENCY L_CURR. WRITE:/ F_CURR,F_VALUE CURRENCY F_CURR.
任意通貨間の換算
任意通貨間の換算に関しては、標準から以下二つの汎用モジュールが提供されていますが、
- CONVERT_FOREIGN_TO_FOREIGN_CUR 外貨金額の別外貨通貨への換算
- CONVERT_CURRENCY_BY_RATE 与えられたレートを使用した通貨の変換
いずれも未リリースの属性状態であり、正しく動作しないようです。
書式変換
SAPシステムでは、多通貨が混在しているため、実際に内部管理された金額値は、通貨毎にそれぞれ異なります。例えば、JPYの通貨型項目は通常本来の値の1/100で内部格納されています。 そのため、金額を入出力する際に、内部⇔外部の間に都度書式を変換する必要があります。
外部書式→内部書式変換
汎用モジュール利用
CALL FUNCTION 'BAPI_CURRENCY_CONV_TO_INTERNAL' EXPORTING currency = 'JPY' amount_external = l_external_amount max_number_of_digits = 15 IMPORTING amount_internal = l_internal_amount.
内部書式→外部書式変換
汎用モジュール利用
CALL FUNCTION 'BAPI_CURRENCY_CONV_TO_EXTERNAL' EXPORTING currency = 'JPY' amount_internal = l_internal_amount IMPORTING amount_external = l_external_amount.
命令利用
WRITE XXX TO XXX 'JPY'
参考一覧
このトピックでは、ABAPにおける日付の処理方法を纏めて説明します。
日付の計算
日付項目は文字型であり、数値型ではありません。但し、ABAPでは自動的にデータ型変換が実行されるため、日付項目でも数値演算を行うことができます。 なお、SAP標準から様々な日付を計算するための汎用モジュールが用意されているため、それらを利用することもできます。
日付の加減算を行う
指定された日付より何日前又は、何日後の日付を計算するには、日付項目と数値項目の加減算により簡単に実現できます。
DATA: W_DATE TYPE D, W_3DAY_BEFORE TYPE D, W_5DAY_AFTER TYPE D. W_DATE = SY-DATUM. W_DATE+6(2) = '01'.
日単位だけではなく、月又は年単位で日付の加減算を行うには、汎用モジュールRP_CALC_DATE_IN_INTERVALE(ステータス:未リリース)を使用することができます。
DATA: l_date TYPE d VALUE '20161201'. DO 2 times. CALL FUNCTION 'RP_CALC_DATE_IN_INTERVAL' EXPORTING date = l_date days = 0 months = 1 signum = '+' years = 0 IMPORTING calc_date = l_date. WRITE: / l_date. ENDDO.
月初や月末日付を取得
指定された日付の月初や月末日付を取得するには、汎用モジュールHR_JP_MONTH_BEGIN_END_DATE(ステータス:未リリース)を使用することができます。
DATA: W_DATE TYPE D, W_MONTH_FIRST_DATE TYPE D, W_MONTH_LAST_DATE TYPE D. W_DATE = SY-DATUM. CALL FUNCTION 'HR_JP_MONTH_BEGIN_END_DATE' EXPORTING IV_DATE = W_DATE IMPORTING EV_MONTH_BEGIN_DATE = W_MONTH_FIRST_DATE EV_MONTH_END_DATE = W_MONTH_LAST_DATE.
月初日付だけを取得する場合では、汎用モジュールよりも、日付を文字列としてDAYの部分を'01'に置き換えることで簡単に実現できます。 なお、月末日だけを取得する場合では、汎用モジュールLAST_DAY_OF_MONTHS(ステータス:未リリース)を利用することも可能です。
DATA: W_DATE TYPE D. W_DATE = SY-DATUM. W_DATE+6(2) = '01'.
週を取得
指定された日付がその年の1月1日から数えて何週目かを判断するには、汎用モジュール「DATE_GET_WEEK」を使用できます。 その何週目の情報は、年・週(yyyyww)の形式で汎用モジュールから返却されます。
DATA: W_DATE TYPE SCAL-DATE, W_WEEK TYPE SCAL-WEEK. WK_DATE = SY-DATUM. CALL FUNCTION 'DATE_GET_WEEK' EXPORTING DATE = W_DATE IMPORTING WEEK = W_WEEK EXCEPTIONS DATE_INVALID = 1 OTHERS = 2.
週の初日を取得
汎用モジュールWEEK_GET_FIRST_DAY(ステータス:リリース)を使用すれば、年と週番号から、該当の週の月曜日の日付を取得することができます。
DATA: DATUM LIKE SCAL-DATE, WOCHE LIKE SCAL-WEEK. WOCHE = '201521'. "2015年21週目 CALL FUNCTION 'WEEK_GET_FIRST_DAY' EXPORTING WEEK = WOCHE IMPORTING DATE = DATUM "2015/05/18が戻される EXCEPTIONS WEEK_INVALID = 1.
日付の妥当性をチェック
- DATE_CHECK_PLAUSIBILITY
入力された日付が正しいかチェックする
カレンダー機能
- DATE_COMPUTE_DAY
日付に対して平日を戻す
稼働日関連
- DATE_CONVERT_TO_FACTORYDATE
日付に対して稼働日カレンダを戻す - FACTORYDATE_CONVERT_TO_DATE
稼働日のシリアル番号とカレンダーから日付を返す
会計処理関連
- BAPI_CCODE_GET_FIRSTDAY_PERIOD
会計期間の初日を取得 - BAPI_COMPANYCODE_GET_PERIOD
会計年度と会計日付を取得
書式変換
- CONVERSION_EXIT_PDATE_OUTPUT
日付型の内部書式を外部書式(YYYY/MM/DD)に変換 - CONVERT_DATE_TO_INTERNAL
日付の文字列をR/3内部表現に変換する
このトピックでは、ABAP言語で文字列処理の方法を取り上げて説明します。
チェック関連
文字列の長さを取得
文字列の長さを取得するには、関数STRLENを使用することができます。
例:
DATA : l_v(20) TYPE C, l_i TYPE I. l_v = 'ABCDEFG'. l_i = STRLEN( l_v ). "変数に「7」が保持されることになる
全角半角チェック
文字列に全角文字や半角文字が入っていないかをチェックするには、以下の手順で行うことができます。
文字列の内容検索
文字列の内容を検索するには、命令FINDを使用することができます。 オプションを使って、探したい値の開始位置を調べるときに使うことが多いです。
演算関連
文字列のオフセット
文字列のオフセット処理は、ABAP言語固有の仕様に取り込まれています。 構文:文字列+開始位置(指定桁数) ※開始位置は0から
例:
DATA: l_v TYPE string, l_r TYPE string. l_v = 'w,f,mj'. l_r = l_v+2(2)."変数に「f,」が保持されることになる
文字列の置換
文字列の一部を他の文字列で置換するには、命令REPLACEを使用することができます。 構文: REPLACE <置換前> WITH <置換後> INTO <置換対象文字列>.
例:
DATA: l_v TYPE string.l_v = 'w,f,mj'.
REPLACE ',' WITH ';' INTO l_v."変数に「w;f;mj」が保持されることになる
文字列の分割
一つの文字列を区切り文字の指定により複数の文字列に分割するには、命令SPLITを使用することができます。
例:
DATA: l_s1 TYPE string,
l_sx TYPE string.
DATA: lt_r TYPE TABLE CHAR10.
l_s1 = 'w,f,mj'.
l_sx = ','.
SPLIT l_s1 AT l_sx INTO TABLE lt_r.
- 「lt_r」には、1行目に「w」2行目に「f」3行目に「mj」が保持されることになる
文字列のシフト
文字列を指定文字数分移動するには、命令SHIFTを使用することができます。 構文: SHIFT <移動対象文字列> [BY <移動文字数> PLACES] [モード].
例:
DATA: l_v TYPE string.
l_v = 'abcdefghij''.
SHIFT l_v BY 3 PLACES CIRCULAR. "変数に「defghijabc」が保持されることになる
文字列の結合
2つ以上の文字列を一つに結合するには、命令CONCATENATEを使用することができます。
例:
DATA: l_s1 TYPE string,
l_s2 TYPE string,
l_s TYPE string.
l_s1 = 'w'.
l_s2 = 'f'.
CONCATENATE l_s1 l_s2 INTO l_s SEPARATED BY space. "変数に「w f」が保持されることになる
空白の削除
文字列に入っている空白を削除するには、命令CONDENSE を使用することができます。
例:
DATA: l_v TYPE string.
l_v = 'a bf c d'.
CONDENCE l_v."変数に「a bf c d」が保持されることになる、文字列と文字列の間に一つの空白が残る
CONDENCE l_v NO-GAPS."変数に「abfcd」が保持されることになる、すべての空白が削除される