このトピックでは、NetWeaver ABAP Platformのプレゼンテーション・テクノロジーを説明します。
画面処理
ABAPプログラムの画面技術は、後からWEB対応のWebDynproも追加されましたが、従来からDynproを使ってきました。SapECCシステムで利用されている標準画面は、全てDynproで構成されています。 Dynpro画面はSapGUIウィンドウに表示されます。SapGUIは、SapECCシステムへのユーザインタフェースです。SapGUIはABAPアプリケーションサーバと通信し、ABAPアプリケーションからレスポンスされたプレゼンテーションを表示し、またユーザからの入力を処理し、そのアクションをABAPアプリケーションへリクエストします。
SapGUIウィンドウ
一般的な SapGUIウィンドウは以下のようなUIパーツから構成されます。
- メニューバー
- システム機能バー
- 表題バー
- アプリケーションバー
- Dynpro領域
- ステータスバー
Dynproの構成要素
Dynproは主に、Dynpro属性、画面レイアウト、エレメント一覧、PBO、PAIから構成されます。
- Dynpro属性
Dynproが持つ基本情報です。Dynpro番号、Dynproタイプ(標準・従属画面・ダイアログボックス・選択画面)、後続Dynproなどがあります。 - 画面レイアウト
画面のレイアウト情報です。各UIエレメントの位置やサイズを定義します。 - エレメント一覧
Dynproが持っている各UIエレメントの詳細です。 - PBO
Process Before Output、Dynpro画面が表示される前の処理を行う処理ブロックです。 - PAI
Process After Input、Dynpro画面が表示され、ユーザがアクションを行った後の処理を行う処理ブロックです。
印刷出力
NetWearver ABAP Platformは、ABAPアプリケーション内に独自のスプールリングおよび印刷システムを提供しています。これはすべての印刷機能への統一的なインタフェースとなっています。
プリンタとの接続形式
ABAPアプリケーションとプリンタの接続形式には以下の3つの方法があります。
- アプリケーションサーバのローカル接続 (アクセス方法 L, C)
- lpd hostを経由したリモート接続 (アクセス方法 U)
- PC と SAPlpdを経由したリモート接続 (アクセス方法 U or P)
ABAPアプリケーションのスプール管理は「トランザクションコード:SPAD」から管理・定義が可能です。
印刷処理の流れ
SapECCにおける印刷は、以下のステップを使用します。 1.ユーザが生成された出力の印刷を要求すると、その要求はスプールシステムに送信されます。この処理は、スプール要求の生成と呼ばれます。 2.スプール要求は、プリンタと印刷形式の指定とともに、スプールデータベースに格納されます。 3.データを印刷するために、スプール・ワーク・プロセスが処理するスプール要求のための印刷要求が生成されます。 4.スプールワークプロセスは、印刷のためにデータを整形し、印刷要求をWindowsスプールシステムに渡します。 5.Windowsスプールシステムがプリンタキュー管理を引き継ぎ、データが適切な出力デバイスに渡され、印刷されるようにします。
ABAPアプリケーションは、ABAPプラットフォームに動作する機能を表します。ABAPアプリケーションは作業の実行単位であり、フォアグラウンドのダイアログ実行でもバックグランドのバッチ実行でも可能です。
アプリケーションとプログラム
ABAPではアプリケーションは公式的にトランザクションと呼んでおり、リポジトリオブジェクトとして、トランザクションコードにより識別して起動されます。 一方、ABAPプログラムは実行可能なコードが含められるリポジトリオブジェクトであり、その中に、タイプ1(レポートプログラム)、タイプM(ダイアログプログラム)、タイプP(汎用グループ)はトランザクションに割り当てることができます。トランザクションに割り当てる時に、トランザクション起動時に実行されるプログラムのエントリが指定されます。
アプリケーションの実行
SapECCシステムは、基幹業務向けのERPパッケージソフトウェアであるため、殆どダイアログ実行型アプリケーションから構成されますが、運用によっては、一部の対話型アプリケーションもバッチ実行型に変更して、タイマなどのトリガーにより、バックグラウンドでで実行させることができます。
ABAPアプリケーションは、ダイアログ実行かバッチ実行かに問わず、すべてAS APAPのワークプロセスに対して、 AS APAP内で実行されます。 以下の図で、アプリケーションのダイアログ実行イメージを示します。
アプリケーションのセッション管理
メインセッション
サーバへログインすると、ユーザに1 つの 「SAPguiセッション」が開かれます。また、ユーザが同時に最大6つのウィンドウを開くことができます。これらのウィンドウはそれぞれ、アプリケーションサーバ上で共有メモリの専用領域を使用する「メインセッション」に対応しています。図:メインセッション
メインセッションは一つ以上の内部セッションから構成されます。メインセッションで起動した最初のアプリケーションプログラムによって、メインセッション内の最初の内部セッションが開きます.
メインセッションで起動された各プログラムは同じSAPメモリを共有しています、つまりSAPメモリを通せば、データの受け渡しが可能です。
内部セッション
アプリケーションプログラム(TYPE 1、TYPE M)が呼び出されるたびに、新しい内部セッションが作成されます。 その他プログラムは新しい内部セッションを作成することがなく、必ず呼び出し元のアプリケーションプログラムの内部セッションで動作します。
図:内部セッション
アーキテクチャーとは、モノづくりの基本設計や設計思想及びその設計に基づいて作成されたものの構成のことです。 元々建築学の言葉ですが、転じて、IT用語として一般的に用いられるようになりました。情報システム分野には下記のようなアーキテクチャーがよく取り上げられます。
- システムアーキテクチャー
- ソフトウェアアーキテクチャー
- アプリケーションアーキテクチャー
- パッケージアーキテクチャー
NetWeaver ABAPは基本的にSapECCの技術基盤として出荷されるため、SapECCを代表として、NetWeaver ABAPシステムの各アーキテクチャー構成をそれぞれ説明します。
システムアーキテクチャー
システムアーキテクチャーはソフトウェア、ハードウェア、ネットワークを含め、情報システム全体の構成を示すものです。システム構成と呼ばれることがよくあります。 システムの構築開発作業を行う場合によく最初から作成されるシステム構成図はシステムアーキテクチャーを示すものだと考えられます。
SapECCは、導入企業によってシステムアーキテクチャーが異なりますが、殆どはSAP推奨の開発機→検証機→本番機を分離する3システムランドスケープに従っています。SapECCはシステムの稼働だけではなく、開発と検証も対象領域として統合して管理しています。下記はそのイメージ図です。
ソフトウェアアーキテクチャー
ソフトウェアアーキテクチャーとは、情報システムにおける各ソフトウェアの構成を示すものです。 情報システム特にWEBベースのシステムのソフトウェアアーキテクチャーは論理的に階層化されたものがおおいです。
SapECCのソフトウェアアーキテクチャーは、データベース、アプリケーション、プレゼンテーションの3階層のクライアントサーバシステムになっております。以下の図でSapECCのソフトウェアアーキテクチャーを示します。
アプリケーションサーバ
NetWeaverアプリケーションサーバは、ABAP環境とJAVA環境の両方をサポートしており、それぞれ利用タイプAS ABAPとAS JAVAとして利用することができます。 以下の図でNetWeaverアプリケーションサーバのアーキテクチャ構成を示します。
サーバの構造
以下の図で、ABAPアプリケーションサーバの構造を示します。
- ワークプロセス
ワークプロセスはアプリケーション(すなわち1つのダイアログステップ) を実行することのできるコンポーネントです。
J2EEにおいては、アプリケーションサーバの実行スレッドに相当します。 - ディスパッチャ
ディスパッチャは、ダイアログステップに対するリクエストを SAPgui から受け取って、それを空いているワークプロセスに転送します。J2EEにおいては、アプリケーションサーバ:ディスパッチャスレッドに該当します。 - ゲートウェイ
ゲートウェイは、ECC通信プロトコル (RFC 、CPI/C) のインタフェースである。ゲートウェイは、同じ ECCシステム内の他のアプリケーションサーバと通信したり、他の R/3 システム、R/2 システム、または非 SAP システムと通信したりすることができます。
J2EEにおいては、クライアントとアプリケーションサーバとのHTTP通信チャンネルに該当します。
ワークプロセス
以下の図で、ABAPアプリケーションサーバのワークプロセスの種類を示します。
- ダイアログ・ワークプロセス
ダイアログ・ワークプロセスは、ユーザからのリクエスト(ダイアログステップ実行依頼)を実行します。 - 更新ワークプロセス
更新ワークプロセスは、データベース更新依頼を実行します。更新依頼は SAP LUW の一部であり、ダイアログワークプロセスの結果として生じたデータベース操作群を 1 つのバックグランド処理用データベースLUW にまとめたものです。 - バックグランド・ワークプロセス
バックグランド・ワークプロセスはユーザ・インタラクションなしで実行できるプログラム (バックグランドド・ジョブ) を処理します - スプール・ワークプロセス
スプール・ワークプロセスは、要求された内容を順次にプリンタなどの出力設備に出力します。スプール・ワークプロセスはアプリケーションサーバ毎に一つのみ存在します。 - エンキュー・ワークプロセス
エンキューサーバは、SapECCシステムに一つのみ存在し、アプリケーションサーバ間の処理同期を管理します。
アプリケーションサーバは、起動する際に、ワークプロセスを必要な数量分全て作成しておきます。何かの処理が実行する必要になるときに、ディスパッチャにより、空いているワークプロセスの中から一つを割り当てられます。処理が終わったら該当ワークプロセスがまた空き状態に戻り、次の割り当てを待ちます。
SapGUI
SAPguiは、SapECCシステムをアクセスするためのフロントエンドソフトウェアであり、WebシステムにおけるWebブラウザと同様にThin-Clientの上に動作します。
SAPguiは、SapECCシステムのアプリケーションサーバである「NetWeaver Applicatiion Server ABAP」と通信し、サーバ上に動作しているABAPプログラムからレスポンスされたプレゼンテーションを表示し、またユーザからの入力を処理し、そのアクションをサーバへリクエストします。
SAP GUIにも以下の三種類あります。
- SAP GUI for Windows
Windowsで動くクライアントソフトウェア。 - SAP GUI for Java
Java環境で動くクライアントソフトウェア。 - SAP GUI for HTML
HTMLでアプレットとして動く
メニュー
SAPgui画面のメニューは大体下記のようなものから構成されます。
- システム固有
- システムメニュー
セッション開始やユーザ設定、ログオフといった、システム全体に影響する機能が含められます - ヘルプ
さまざまな形式のオンラインヘルプが提供されます
- アプリケーション共通
- オブジェクト
品目など、通常は現在作業中のオブジェクト名をとって名付けられます。照会、変更、印刷、または終了など、オブジェクト全体に影響する機能が含まれます - 編集
選択、編集、コピーなど、現在のオブジェクトの構成要素を編集することができます。 - ジャンプ: 現在のタスクと関連する他の画面に直接移動することができます。
- アプリケーション固有
実行中アプリケーション固有の機能が含められるメニューです。
ツールバー
アイコン | 機能 | 説明 |
---|---|---|
A | 入力 | 画面で選択または入力したデータのチェックを行います。 Enterキーと同じ機能。 |
B | コマンドフィールド | トランザクションコードを入力することで直接目的の画面を開くことができます。なお以下のコードをトランザクションコードの前に入力した場合、/O -新規ウィンドウで目的画面を開くことが可能。/N -同一ウィンドウで目的の画面へ遷移することが可能。 |
C | 保存 | 作業を保存します。メニューの保存と同じ機能。 |
D | 前画面 | データのチェックを行い、前画面に戻ります。 |
E | 終了 | 前画面に戻ります。(注)ボタン押下時に画面チェックが行われます。画面チェックにかかると、正常値へ訂正するか、中止ボタンをクリックしないと画面を閉じることができません。 |
F | 中止 | データのチェックを行わず、作業を終了し前画面に戻ります。 ※ボタン押下時に画面チェックは行いません。 |
G | 印刷 | データを印刷します。 |
H | 検索 | データを検索します。 |
I | 検索続行 | データを検索します。データ検索後は、次検索ボタンとなります。 |
J | 第一ページ | 画面の表示が1ページを超過する場合に使用します。第1ページにスクロールします。 |
K | 前ページ | 画面の表示が1ページを超過する場合に使用します。前ページにスクロールします。 |
L | 次ページ | 画面の表示が1ページを超過する場合に使用します。次ページにスクロールします。 |
M | 最終ページ | 画面の表示が1ページを超過する場合に使用します。最終ページにスクロールします。 |
N | セッション開始 | 別ウィンドウで新規に画面を開く場合に使用します。(注)新規画面では「SAP Easy Access」画面が表示されます。(注)複数画面で処理中に右上 をクリックすると、確認メッセージなしにセッションが終了されます。 |
ステータスバー
処理の状態やエラーメッセージ等が表示されます
アプリケーションアーキテクチャー
アプリケーション・アーキテクチャーとは、情報システムにおいてエンドユーザが利用する各アプリケーションの設計思想やその構成のことです。下記のようなアプリケーション・アーキテクチャーがよく見られます。
- クライアント/サーバアーキテクチャ
アプリケーションは論理的にクライアント側とサーバ側と2階層に分割して実装されます。 - 3層アーキテクチャー
アプリケーションはプレゼンテーション層、ビジネスロジック層、データ層の3階層に分割して実装されます。
3層アーキテクチャーの基本原則として、プレゼンテーション層は決してデータ層と直接通信しない。つまり、全ての通信は必ずビジネス・ロジック層を通ることになります。WEBシステムを構築する際に、WEBプラットフォームの特性からこの3層アーキテクチャーが採用されるのはほとんどです。 - MVCアーキテクチャー
MVCはプログラムを3つの要素、Model(モデル)、View(ビュー)、Controller(コントローラ)に分割して実装する設計思想であり、場所によってMVCアーキテクチャとも呼ばれていますが、ユーザインタフェースにおける画面上のコンポーネントの管理方法を表しているだけのため、、厳密に言うとアプリケーションアーキテクチャーと言えないと思わられます。MVC に基づくコンポーネントは、三層アーキテクチャのアプリケーションでもよく使われます。
SapECCのアプリケーションアーキテクチャーもソフトウェアアーキテクチャーに合わせて、プレゼンテーション→アプリケーション→データベースの3階層から構成されています。
- プレゼンテーション:DynproやWebDynpro
- アプリケーション:ABAP(汎用モジュールなど)、Java
- データベース: 各テーブル、ビュー等
このトピックでは、COEP(CO 対象: 明細 (期間別))テーブルを取り上げて説明します。
項目一覧
PK | 技術名称 | 名称 | 説明 |
---|---|---|---|
○ | KOKRS | 管理領域 | - |
○ | BELNR | 伝票番号 | - |
○ | BUZEI | 転記行 | 明細番号 |
PERIO | 期間 | - | |
WTGBTR | 取引通貨の金額 | - | |
WOGBTR | 対象通貨の金額 | - | |
WKGBTR | 管理領域通貨の金額 | - | |
MBGBTR | 合計数量 | - | |
LEDNR | 元帳 | - | |
OBJNR | 対象番号 | - | |
GJAHR | 会計年度 | - | |
WRTTP | 値タイプ | - | |
VERSN | バージョン | - | |
KSTAR | 原価要素 | - | |
HRKFT | CO subkey | - | |
VRGNG | 業務Transaction | - | |
PAROB | パートナ対象 | - | |
PAROB1 | パートナ対象 | - | |
USPOB | 元対象 | - | |
VBUND | 取引先 | - | |
BEKNZ | 借方/貸方フラグ | - | |
TWAER | 取引通貨 | - | |
OWAER | 対象通貨 | - | |
MEINH | 数量単位 | - | |
SGTXT | 名称 | - | |
GKONT | 相手勘定コード | - | |
WERKS | プラント | - | |
MATNR | 品目 | - | |
EBELN | 購買伝票 | - | |
EBELP | 明細 | - | |
BUKRS | 会社コード | - | |
- | - | - |
項目明細
COEPテーブルに格納されるデータを分類毎にまとめて説明します。
取引関連情報
システム制御に利用される情報は主に以下の項目があります。
- どんな原価データなのか?
原価要素(KSTAR)から判断できます。 - どのCO対象のデータなのか
対象番号(OBJNR)に該当CO明細の金額が計上されるCO対象を識別するための番号が格納されます。例:- KS2011T201711
原価センタ - OR420701000820
指図 - PR30019190
WBS - KL2011T201711 ZXDEXH
活動 - BP2011BCL2-23
ビジネスプロセス
- 取引相手はなんなのか?
取引相手はパートナ対象と呼ばれて、PAROBとPAROB1の2項目がありますが、PAROB1がより確実的にとれるようです。
FIから転記の場合はパートナ対象が空白と設定されます。 - どんな業務で生成されたデータのか?
業務Transaction(VRGNG)項目から確認できます。例えば、FIからCOへの転記の場合、項目の値がCOIN、CO内のマニュアル再転記の場合、項目の値がKAMVになります。
TrCD:OKC1ですべての CO 業務トランザクションを照会できます。 - 入り側(コスト)のデータのか、抜き側(配賦)のデータのか?
FIから転記されたデータは常に入り側(コスト)となります、CO内部で転記されたデータは借方/貸方フラグ(BEKNZ)項目で判断できます。(FIから転記されたデータでは、BEKNZ項目値が金額依存となり、マイナス金額はC(貸方)、正数金額はD(借方)となります。)- C/O/S
センダ貸方転記 ⇒ 抜き側 - D
レシーバ借方転記 ⇒ 入り側
金額関連情報
金額関連情報は以下のような項目があります。
- 取引通貨金額 WTGBTR
- 対象通貨金額 WOGBTR
- 管理領域通貨金額 WKGBTR
- 取引通貨 TWAER
- 対象通貨 OWAER
管理領域の通貨は保持していないため、管理領域のマスタから取得できます。
数量関連情報
数量情報をもっている伝票明細であれば、その情報が以下の項目に格納されます。
- 合計数量(MBGBTR)
- 数量単位(MEINH)
品目関連情報
品目情報をもっている伝票明細であれば、その情報が以下の項目に格納されます。
- プラント(WERKS)
- 品目 (MATNR)
- 購買伝票(EBELN)
- 明細(EBELP)
項目一覧
PK | 技術名称 | 名称 | 説明 |
---|---|---|---|
○ | KOKRS | 管理領域 | - |
○ | BELNR | 伝票番号 | - |
GJAHR | 会計年度 | - | |
VERSN | バージョン | - | |
VRGNG | 業務Transaction | - | |
PERAB | 期間開始 | - | |
PERBI | 期間終了 | - | |
BLDAT | 伝票日付 | - | |
BUDAT | 転記日付 | - | |
CPUDTR | 登録日 | - | |
USNAM | ユーザ名 | - | |
BLTXT | 伝票ヘッダ Text | - | |
REFBT | 参照伝票タイプ | - | |
REFBN | 参照伝票番号 | - | |
REFBK | 参照会社コード | - | |
REFGJ | 参照伝票会計年 | - | |
BLART | FI伝票タイプ | CO 伝票で参照している財務会計伝票のタイプ。 | |
ORGVG | 元業務 Tran. | - | |
SUMBZ | 明細合計 | - | |
KWAER | 管理領域通貨 | - | |
- | - | - |
項目明細
COBKテーブルに格納されるデータを分類毎にまとめて説明します。
元伝票情報
FIやMM、または別のCO伝票から自動転記されたCO伝票の場合、元伝票の参照情報が格納されます。 例えば、入出庫処理で自動転記されたCO伝票の場合、元伝票の入出庫伝票番号情報などが格納されます。元伝票の明細番号情報はCOEPに格納されます。
- 参照伝票タイプ(REFBT)
元伝票の伝票タイプを示すフラグ、主に以下のようなタイプ値があります。- R
FI伝票系 - K
CO伝票系 活動タイプ - 空白
元伝票がない場合は空白になります。元伝票なし
- 参照伝票番号( REFBN)
元伝票の伝票番号 - 参照会社コード(REFBK)
元伝票の会社コード、FI伝票系の場合のみ - 参照伝票会計年(REFGJ)
元伝票の会計年度、FI伝票系の場合のみ
伝票系
COKP 原価センタ別の一次原価要素の制御データ
No. | 技術名称 | 名称 | テキストテーブル | 説明 |
---|
AUAK ヘッダ AUAA 明細 AUAS 明細合計 AUAV ビジネスデータ AUAO 決算予定
1 | COBK | CO 対象: 伝票ヘッダ | - | CO伝票のヘッダ情報 |
2 | COEP | CO 対象: 明細 (期間別) | - | - |
2 | COEPD | CO 対象: 明細決済(評価無し ステータス有り) | - | - |
3 | COKL | CO 対象: 活動タイプ制御データ | - | - |
4 | COSL | CO 対象: 活動タイプ合計 | - | - |
5 | COSP | CO 対象: 外部転記の原価合計 | - | ※ |
6 | COSR | CO 対象: 統計キー数値合計 | - | - |
7 | COSS | CO 対象: 内部転記の原価合計 | - | - |
8 | CSSL | 原価センタ/活動タイプ | - | - |
9 | GLPCA | EC-PCA: 実績明細 | - | - |
10 | GLPCT | EC-PCA: テーブル合計 | - | - |
マスタ
No. | 技術名称 | 名称 | テキストテーブル | 説明 |
---|---|---|---|---|
1 | CEPC | 利益センタマスタデータテーブル | CEPCT | - |
2 | CSKS | 原価センタマスタ | CSKT | - |
カスタマイジング
No. | 技術名称 | 名称 | テキストテーブル | 説明 |
---|---|---|---|---|
1 | CSKA | 原価要素(勘定コード依存データ) | CSKU | - |
2 | CSKB | 原価要素 (管理領域依存データ) | - | - |
3 | TKA01 | 管理領域 | - | - |
4 | TKA02 | 管理領域割当 | - | - |
5 | TKA04 | CO 伝票番号範囲 | - | - |
6 | TKA05 | 原価センタタイプ | TKT05 | - |
7 | TKA06 | 会計年度期 | - | - |
8 | TKA07 | 会計年度依存バージョンパラメータ | - | - |
このトピックでは、管理会計(CO)モジュールの主な標準機能を取り上げて一覧化します。
マスタ(+残高)
原価要素
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KA01 | - | 登録(一次) |
KA02 | - | 変更 |
KA03 | - | 照会 |
KA04 | - | 削除 |
KA05 | - | 履歴 |
KA06 | - | 登録(二次) |
KA23 | - | 一覧照会 |
KA24 | - | 一括削除 |
- | - | - |
- | - | - |
原価センタ
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KS01 | - | 登録 |
KS02 | - | 変更 |
KS03 | - | 照会 |
KS04 | - | 削除 |
KS05 | - | 履歴 |
KS07 | - | 概略登録 |
KS12 | - | 一覧変更 |
KS13 | - | 一覧照会 |
KS14 | - | 一括削除 |
- | - | - |
- | - | - |
活動タイプ
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KL01 | - | 登録 |
KL02 | - | 変更 |
KL03 | - | 照会 |
KL04 | - | 削除 |
KL05 | - | 履歴 |
KL13 | - | 一覧照会 |
KL14 | - | 一括削除 |
- | - | - |
- | - | - |
指図
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KO01 | - | 登録 |
KO02 | - | 変更 |
KO03 | - | 照会 |
- | - | - |
- | - | - |
業務プロセス
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
CP01 | - | 登録 |
CP02 | - | 変更 |
CP03 | - | 照会 |
CP04 | - | 削除 |
CP05 | - | 履歴 |
CP12 | - | 一覧変更 |
CP13 | - | 一覧照会 |
CP14 | - | 一括削除 |
- | - | - |
- | - | - |
取引系
再転記
一次原価のマニュアル再転記
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KB11N | - | 入力 |
KB13N | - | 照会 |
KB14N | - | 取消 |
- | - | - |
- | - | - |
明細の再転記
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KB61 | - | 入力 |
KB63 | - | 照会 |
KB64 | - | 取消 |
- | - | - |
- | - | - |
マニュアル再転記(KB11N)と明細再転記(KB61)の区別
活動配分の再転記
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KB65 | - | 入力 |
KB66 | - | 照会 |
KB67 | - | 取消 |
- | - | - |
- | - | - |
収益のマニュアル再転記
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KB41N | - | 入力 |
KB43N | - | 照会 |
KB44N | - | 取消 |
- | - | - |
- | - | - |
配分
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KB15N | - | マニュアル原価配分入力 |
KB16N | - | マニュアル原価配分照会 |
KB17N | - | マニュアル原価配分取消 |
KB21N | - | 直接活動配分入力 |
KB22N | - | 直接活動配分照会 |
KB23N | - | 直接活動配分取消 |
- | - | - |
- | - | - |
配賦
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KSU1 | - | 実績配賦周期登録 |
KSU2 | - | 実績配賦周期変更 |
KSU3 | - | 実績配賦周期照会 |
KSU4 | - | 実績配賦周期削除 |
KSU5 | - | 実績配賦周期実行 |
KSU6 | - | - |
- | - | - |
- | - | - |
伝票照会
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KSB5 | - | 実際原価伝票照会 |
KOB1 | - | 指図の実際原価明細照会 |
KSB1 | - | 原価センタの実際原価明細照会 |
KABP | - | 計画原価伝票照会 |
- | - | - |
期末処理
原価センタ
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KSS1 | - | 差異計算 |
KSS2 | - | 実績原価分割 |
KSS3 | - | - |
KSS4 | - | 計画原価分割 |
KSII | - | 実績価格計算実行 |
- | - | - |
- | - | - |
内部指図
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
KO88 | - | 実績決済:指図 |
KON1 | - | 実績活動価格で再評価:指図 |
- | - | - |
- | - | - |
業務プロセス
TrCd | 代表メニューパス | 機能説明 |
---|---|---|
CPS1 | - | 差異計算 |
CPS2 | - | 実績原価分割 |
- | - | - |
- | - | - |
レポート
S_ALR_87013611:原価センタ:実績/計画/差異 レポート ⇒原価センタの計画値・実績値などを参照。FIの伝票まで参照できる
S_ALR_87013645:統計キー数値 期間ブレークダウン ⇒統計キー数値の入力結果を参照できる
会計とは
企業のおいて会計とは、金銭や物品の出納を、貨幣を単位として記録、計算、管理等することを意味します。
財務会計とは
企業において財務会計(英:Financial Accounting)とは、企業の財務状況を企業外部の利害関係者(株主、債権者、徴税当局など)に対して提供することを目的とする会計のことです。
管理会計とは
管理会計(英:Controlling)とは、その名のとおり、会社が内部で管理を行うための会計のことをいいます。
経営者や管理者は、通常、この管理会計上の会計情報をもとにして、業務分析や意思決定を行います。
財務会計と管理会計の比較
財務会計とは、企業の財務状況を企業外部の利害関係者(株主、債権者、徴税当局など)に対して提供することを目的とする会計のことです
財務会計 | 管理会計 | |
---|---|---|
利用者 | 投資家や債権者等の企業外部の利用者 | 経営者や管理者等の企業内部の利用者 |
情報の用途 | 企業との関係をどうするかの判断に使う | 将来の企業活動を改善するために使う |
利益の質 | 過去及び現在の利益 | 将来の利益 |
利益計算の単位 | 会社全体(企業集団全体) | 会社全体の他に事業部や支店等 |
計算期間 | 1年(半年、3ヶ月) | 週、月、年 |
制度的義務付け | あり | なし |
原価とは
原価とは、簡単に言うと、製品または商品にかかった費用、コストのことです。
総原価
企業で発生する費用は、「総原価」と「非原価」に分けることが出来ます。まず、下記の図で示すように、「売上高」から「営業利益」を引いたものが「総原価」となります。
総原価はさらに「製造原価(または仕入原価」と「販売費及び一般管理費」に分かれます。
販売費及び一般管理費(販管費とは、営業部門 における費用や総務部などの管理部門における費用のことです。なお、『非原価』とは、異常による損失や支払利息、さらには法人税及び住民税などとなります。
総原価は工業簿記での用語であり、財務諸表には特に出ておりません。
仕入原価
仕入原価とは、スーパーや商社などが完成した商品を仕入れて販売するときの原価です。 仕入原価は、商品をの購入代価に引き取り運賃や購入手数料・関税などの諸費用(これは仕入諸掛といいます)を加算して算定されます。
製造原価
製造原価とは、メーカーが原材料を仕入れて加工して製品を作るときの原価です。 製造原価は、材料費、労務費、設備費などの経費で構成され、これに販売及び一般管理費を加算したものが総原価になります
一般的に、原価だけという場合は、「製造原価」を指す場合が多いようです。
原価要素
原価要素とは、原価の構成要素のことです。製造原価要素はいくつかの分類方法が存在します。
形態別分類
原価は財務会計の費用発生を基礎として形態別に「材料費」「労務費」「経費」の3つに分類することができます。
- 材料費
材料費は製品を製造するにあたり消費した物品の費用です。 - 労務費
労務費は製品を製造する人に対して払う給料です。これは正社員だけでなく契約社員やパートタイマーに対いて支払う賃金も労務費にあたります。 - 経費
材料費、労務費以外のものすべてが経費となります。水道光熱費、旅費交通費、減価償却費、支払手数料などさまざまなものがあります。
製品との関連から分類
原価は「その費用が特定の製品に使用されたことが明確であるか?」という視点で以下のように分類できます。
- 直接費
特定の製品に使用されたことが明らかな費用 - 間接費
特定の製品に使用されたことが不明確な費用
例えば、工場でお菓子を作る場合、お菓子を作るのに使用した米などは直接費になりますが、お菓子を作っている工場の電気代などは、どのお菓子の製造に使用した電気代であるのかは不明確であるため、間接費となります。
操業度との関連から分類
操業度との関連における分類とは、操業度の増減により原価がどのように変動したかという観点による分類のことです。。 この分類方法では、製造原価要素は次の2種類に分類されます。
- 変動費
操業度の増減に応じて比例的に変動する原価(操業度がゼロの場合には発生しない) - 固定費
操業度の増減に無関係に常に一定額が発生する原価
原価の管理
原価管理とは、1962年、財務省(当時の大蔵省)によって次のように定義されています。 「原価管理とは、原価の標準を設定してこれを指示し、原価の実際の発生額を計算記録し、これを標準と比較して、その差異の原因を分析し、これに関する資料を経営管理者に報告し、原価能率を増進する措置を講ずることをいう」
簡単にまとめると、原価管理とは、文字通り原価を管理するとのことですね、具体的には、以下3つのアクションがありす。
- 原価企画
製品を企画する際、製造に投じて良い原価を設定することです。 - 原価維持
目標原価の範囲で製品を製造するために、生産や調達を工夫することです。 - 原価改善
目標よりも安く原価を抑える取り組みのことです。
このトピックでは、拡張実装の観点から見た各会計処理のプロセスを取り上げて説明します。
会計業務
画面入力
以下、拡張プログラムの呼び出し順番です。
- BTE/Process:1100
- 代入
- チェック
転記伝票を登録
以下、拡張プログラムの呼び出し順番です。
- 代入(明細単位)
- チェック(明細単位)
- BTE/Process:1120
- 完了伝票チェック
- BTE/P&S:1030
未転記伝票を登録
以下、拡張プログラムの呼び出し順番です。
- チェック
- AC_DOCUMENT BADI
- BTE/P&S:2218
未転記伝票を転記
以下、拡張プログラムの呼び出し順番です。
- チェック(完了伝票)
- 代入(明細)
- チェック(明細)
- BTE/Process:1120
- チェック(完了伝票)
- BTE/P&S:1030
会計インタフェース
入出庫処理
以下、拡張プログラムの呼び出し順番です。
- 代入(明細)
- AC_DOCUMENT BADI
- BTE/Process:1120
- チェック(明細)
- チェック(完了伝票)