オペラとミュージカルの違いがわかりますか?同じようですが違いがあります。それぞれについて考えてみましょう。
オペラとミュージカルの関係
まず、オペラが劇場で上演されるようになり人気となりました。そのオペラが喜劇を演じるオペレッタとなり、19世紀ごろアメリカに渡りました。それからショービジネスとして歌のダンスとお芝居が楽しめるミュージカルになったのです。オペラはエンターテイメントの最初の形で、それがミュージカルに発展したわけです。
オペラの特徴
オペラは訳すと日本では「歌劇」ですが、セリフの大部分が、独唱・重唱・合唱によって演じられます。伴奏は管弦楽によるクラシック音楽です。オペラは総合芸術としての魅力があり、演奏の「音楽的な要素」・歌詞の「文学的な要素」・衣装や装置などの「芸術的要素」・バレエなどの「舞踊的な要素」・演技などの「演劇的要素」があります。上演時間が3時間と長いものが多いのも特徴です。代表作としてはモーツァルト「フィガロの結婚」ヴェルディの「アイーダ」ロッシーニ「セビリアの理髪師」などがあります。 オペラは、歌が劇の筋運びにより優先されます。
オペラの歴史
16世紀末にイタリアで始まり、イタリア貴族の楽しみとして結びついてヨーロッパで発展しました。古代ギリシャを再現しようと始まったため、悲劇が多いのもそのためでしょう。最初は貴族の宮殿で演じることが多かったオペラが、やがて劇場で上演されるようになりました。オペラは歌・歌詞の一つ一つに感情を込めることでストーリーが進んでいきます。オペラのほとんどは「古典的な作品」なので、オペラを見る人はストーリーをあらかじめ知っていることで楽しめるのだといわれています。
ミュージカルの特徴
ミュージカルは、歌と踊りが主体の歌劇で、一般的にはポピュラー音楽を使い、日常的・庶民的な題材が多いです。現代的な舞台芸術といえます。ダンスが大きな要素となっており、すべての役者が躍るのが基本です。基本的にポピュラーソングと同じ発声法が好まれ用いられます。またポップスからロック、民族音楽まで幅広い音楽が自由に使用されています。
ミュージカルの歴史
オペレッタがアメリカに渡り、20世紀に発展したのがミュージカルです。1927年「ショーボート」の登場によって確立され、その後「オクラホマ」「マイ・フェア・レディ」「ウエストサイド物語」「サウンド・オブ・ミュージック」「コーラスライン」など次々とヒット作が生まれました。
日本を代表するミュージカル劇団として、劇団四季や宝塚歌劇団があります。東宝や劇団四季が次々に移入ミュージカルを手掛け、ブームを生みました。宝塚歌劇団は、歌劇と称していますが、ミュージカルに近い舞台も多いでしょう。ミュージカルは初めての人でもおおよそのストーリーがわかるようになっています。
オペレッタとは
オペレッタは「小さなオペラ」「軽歌劇」「小歌劇」とも言われオペラから派生したものです。19世紀半ばに貴族の楽しみだったオペラを、庶民にも楽しめるようなコメディ形式にしたものがオペレッタです。管弦楽によるクラシック音楽で、セリフは歌唱の部分が大半でオペラに似ていますが、オペラが多くの悲劇を扱うのに対して、オペレッタは軽妙な娯楽的な作品が多いのが特徴です。代表作はヨハンシュトラウス二世「こうもり」などがあります。