ポピュラー音楽系の譜面では「C」「F」「G7」などの文字が振られているのをよく見ます。
これはコードネーム(以下コード)というもので、メロディに対してどのようなハーモニー(和音)が付いているのか、あるいは作者が付けてほしいハーモニーを表す記号です。
コードとは
コードは1文字またはそれに付随する文字や数字を使って簡単に和音の構成音を表すことができる、大変便利なものです。
メロディーとコードだけが記されて入れば、それだけで伴奏をしたり、アンサンブルをしたりすることができます。
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雑誌の付録や楽譜サイトなどには、歌詞にコードが振ってラウだけの簡単な楽譜もあります。
曲のメロディーを知って入れば、それだけでピアノやギターで伴奏をすることが可能です。
簡単ではありますが、実は奥が深いのがコードです。
時には見たこともないような、複雑なコードに遭遇することもあります。
しかし、記されている文字の意味がわかり、仕組みがわかれば、どんなコードでも何の音を弾けば良いのかわかるという大変便利なものです。
たくさんのコードがありますが、このトピックでは最も基本的なコード、主要三和音(スリーコード)について解説します。
主要三和音(スリーコード)を押さえておくだけで弾ける曲はたくさんあり、また作曲することも可能です。
音名
コードを理解する上で基本である音名について確認しておきます。
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*この図のアラビア数字は音階上の度数を表しています。
Ⅰ(1度)Ⅱ(2度)…
コードを構成する音
根音(ルート)を基準にして和音は作られます。コードネームを表すアルファベットは基準となる根音を表しています。
下から、根音、第3音、第5音、第7音が重ねられます。
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例)コード「C7」を構成する音
基本的なコードは、このような音で構成されています。
なお、
3つの音で構成される和音を三和音
4つの音で構成される和音を四和音 といいます。
主要三和音(スリーコード)
ひとつの楽曲の譜面を見渡してみると、非常に頻繁に出てくるコードが3つあります。
この3つのコードが主要三和音(スリーコード)です。
主要三和音(スリーコード)の種類と機能
- Tonic (T.) トニック
主和音。Ⅰ度の音の上に構成される三和音。調(Key)を決定する最も重要な和音。曲の最後はトニックが多い。 - Subdominant (S.) サブドミナント
下属和音。Ⅳ度の音の上に構成される三和音。トニックにもドミナントにも進行することができる。 - Dominant (D.) ドミナント
属和音。Ⅴ度の音の上に構成される三和音。トニックへの進行指向が強い。
第7音を加えたⅤ7(属7)の四和音で使われることが多い。
例1)C major (ハ長調)
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例2)A minor (イ短調)
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それぞれのコードはルートを最低音として構成されますが、実際の演奏では転回形を駆使して自然につなげていきます。
<演奏例>
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V7は四和音ですが、実際には4つの音全てを弾くこともありますが、第5音を省略することが多いです。
各調の主要三和音 基本形・転回形一覧
左から 基本形 第一転回形 第二転回形
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コードの中には「GonB」「Am/E」という形のものがあります。
「on」や「/」の後の文字は、ベース音で弾く音を指定したものです。
詳しくは別のトピックで解説したいと思います。