いろいろな状況で家にピアノがある方はたくさんいると思います。
ピアノを持っていて普段弾いている方もいるでしょう。
あるいは昔習ったから、子供が習っていたからピアノが家にあるけれども長いこと蓋も開けてなくて、上に物が置かれているという方も少なくないでしょう。
電子ピアノであれば、これは電気製品なので特別なメンテナンスは必要ありませんが電気製品と同様に寿命があります。
ピアノは高価な買い物ですが、きちんとメンテナンスを続けていけば一生使えるといっても過言ではありません。
少し放置してしまったピアノも早めにメンテナンスをすることで、良い音をよみがえらせ長く使うことができるようになります。
調律
ピアノのメンテナンスというと主には調律をさします。
もちろん、綺麗に磨いたり、埃が入らないように気をつけたりということもありますが、ピアノを大切に使うためには調律が一番大切です。
なぜ調律をするのか
ピアノは鍵盤を弾くことによって張ってある弦をハンマーで叩いて音を鳴らすしくみの楽器です。
常に弦は強い力で引っ張られ緊張状態にあります。
弾くことによって、あるいは弾かなくても、自然に弦は緩んできます。
6本弦のギターでも弾くたびにピッチの調整が必要です。
ピアノの弦は230本ではるかに大きな緊張状態にあります。
緩んでくるとピッチが下がってきます。
一つの音に使われている複数の弦の緩み具合の違いによって、音がうねって変な響きにもなってきます。
これが、狂っているという状態です。
(一つの音の複数の弦のピッチをわざとずらして音をうねらせるホンキートンクという調律もありますが。)
この弦の張り具合を調整してピッチを正確に直してやるのが調律です。
調律の頻度
普段弾いているピアノ
一般的な目安としては1年に1回が最適と思われます。
しかし、1年経っていなくても、音が狂っていると感じた時には調律をすることをお勧めします。
新しいピアノでは、まだ弦が落ち着いていないので、早めに音の狂いを感じることがあります。
また、引越しなどで運搬・移動した場合にも狂いが生じますので、引越し完了後、置き場所をきちんと決めたところで調律をすると良いです。
あまり弾かないピアノ
普段弾かないピアノを定期的に調律するのは費用の面でも難しいかもしれません。
しかし、あまり長い間放置すると、下がりすぎたピッチを元に戻すのにピアノに負担をかけることになります。
また一旦調律しても狂いやすくなるうえ、緩み方が大きくなると一度で直すのは不可能です。
ですから5年、10年と放置しておくのはお勧めできません。
ピアノの状態にもよるので、調律の時に、調律師さんに状況を説明して次の調律の時期を決めていけば良いでしょう。
調律とともに行うメンテナンス
調律の時には、ピッチの調整以外にも必要に応じて様々なメンテナンスを行います。
整調
ピアノは数多くの部品でできており、鍵盤やハンマー、ペダルなど弾く時に動かす部分も使っているうちに、劣化したり動きが悪くなったりします。
これらの演奏に重要な部品の動きを調整して最適な弾き心地に調整するのが整調です。
清掃
長年の間には埃がたまったり、弦が錆びたり、フェルトが痛んだり、カビが生えたりすることもあります。
こういうところもチェックし、必要があれば部品を交換することもあります。
特に湿度の高いところで使用していたり、海の近くなど空気中に塩分が多い地域では傷みやすい傾向にあります。
ピアノを大切にするために環境を整える
定期的な調律、メンテナンスをしていればずっと良い状況を保っていけるのがピアノなどアコースティック楽器の良いところです。
調律師さんにメンテナンスしてもらうだけでなく、普段から湿度を適当に保ったり、潮風に触れないようになど良い環境を整えることもピアノを良い状態で使い続けるためには大切です。
置き場所もキッチンからの蒸気が流れてくるような場所はピアノを劣化させてしまいます。
ちなみに、湿度は50が最適なので、除湿や加湿で調整しましょう。
ピアノはきちんと日頃から管理をして、定期的なメンテナンスをして大切にに長く使っていきたいものです。