習い事の多様化のために昔ほどではないですが、今でも子供の頃にピアノを習い始める方は多いと思います。
昭和の時代には、ピアノを習うためにピアノを買うのは当たり前でしたが、現在はそうもいかないという事情もいろいろあようです。
そのために、ピアノ(アコスティックピアノ、生ピアノ、以後ピアノとします)ではなくて、電子ピアノを購入したり、あるいはピアノではない各種のキーボードを使用している方もいるようです。
そこで、電子ピアノや各種キーボードはピアノの練習に効果があるのか、あるいはデメリットが大きいのかということを考えてたみたいと思います。
電子ピアノやキーボードを使用する理由
- 経済的な事情
- 住宅事情
- 単なる好み
だいたい以上の3つが理由だと思います。
電子ピアノのメリットとデメリット
(メリット)
- 価格が安い
電子ピアノといっても、価格も性能もピンキリです。数万円程度のものから、20万円前後のもの、そして数十万以上もする高級機種まであります。
しかし、ピアノに比べれば価格が安いので、ピアノは高価で買えないという方にとっては大きなメリットです。価格の差は音源、鍵盤の構造、発音数、音色の数や各種の機能、材質などですが、廉価なものでは同時発音数が少ないものもあるので注意が必要です。 - コンパクトで軽い
ピアノの重量が200Kgもあるのに対して、電子ピアノは重いものでも数十Kgです。専門の業者でなくても運ぶことができ、狭いスペースに設置することができます。
ピアノは専門の業者でなければ運ぶことができませんし、またエレベーターに載せられない場合もあり、クレーンで吊り上げて搬入しなければならないこともあります。 - スピーカーから音が出る
電子ピアノはスピーカから音が出るのでボリウムの調整ができ、またヘッドフォンを使用することができるので、夜間の練習やマンションやアパートなどで、も周囲を気にしなくてすみます。 - メンテナンスが不要
ピアノは時間が経つと弦が緩んでピッチが変わってしまうので、定期的に調律をしたり、乾燥剤を交換したりなどのメンテナンスが必要です。
メンテナンスにはそれなりの費用もかかります。これに対して電子ピアノは、特別なメンテナンスは必要ありません。管理が楽です。
ただし、ピアノはメンテナンスをしっかりしていれば長く使い続けられますが、電子ピアノは電気製品と同じなので寿命があります。
(デメリット)
練習する上での電子ピアノのデメリットといえば、ピアノとは全く構造が違い、発音の仕組みが違うところです。
弦を叩いて物理的に音を出すのではなく、電子的に合成された音を鍵盤というスイッチを使って発音させるのが電子ピアノです。
技術の進歩によってハイスペックな製品では限りなくピアノに近いタッッチで弾けるとは言われていますが、それでも「違う」というのが事実です。
そういう面から見ると、ピアノと電子ピアノは違う楽器と言っても良いくらいです。
電子ピアノで練習すると、電子ピアノなりの弾き方にしかならないので、これでピアノを弾くと、思ったような音を出すことができません。
各種のキーボードは?
いろいろなキーボードがありますが、こちらは電子ピアノよりもさらにピアノからは遠い存在です。
鍵盤がピアノタッチのものもありますが、ほとんどはオルガンタッチです。また鍵盤が49鍵、61鍵というものが多く、これらではピアノの曲を弾くには鍵盤が足りないのでオススメできません。
どうしてもキーボードでないとという事情がある場合にはピアノと同じ88鍵、または最低でも77鍵のものが良いでしょう。
ピアノのメリット
常日頃からピアノで練習することで、いろいろな音の出し方を指先の細かい神経で習得することができるのが一番のメリットです。
これは、電子ピアノでは習得することができません。
どういう弾き方をすると、どういう音が出せるのか、強い音も弱い音も、柔らかい音も、硬い音も、その弾き方を習得するためにはピアノでなければできません。
まとめ
- ピアノをしっかりと学ぼうと思ったら、アコースティックピアノで練習するのが最適です。
- しかし、いろいろな事情で電子ピアノを選ばざるを得ないこともあるでしょう。電子ピアノがダメということではありません。
そういう場合には電子ピアノで練習しつつ、なるべくたくさんピアノに触れる機会を作っていくのが望ましいです。 - 何よりも楽しくピアノを弾くことができれば、それがいちばん大切なことです。