楽器店や家電量販店にはたくさんの種類のキーボードが並んでいます。
小さい頃に少しだけ音楽教室に通った経験があったり、特に経験はないけれども新しい楽しみとして買ってみようか、などと思っている方もいらっしゃるでしょう。
店頭に並んでいるものは様々で、安価で見た目もおもちゃに近いようなものから、プロが制作やライブで使うようなハイエンドのものまでがあります。
ここでは、初めてキーボードを買う方のために一万円代〜数万円程度で買えるベーシックなキーボードについて、選択の参考になるように解説します。
キーボード選びのポイント
- 電源方式
- プリセット(内蔵)音色数
- 重さ、大きさ
- 鍵盤数
- スピーカーの有無
- 付属品
- その他の機能
電源:電池駆動・AC電源
非常にコンパクトで安価なモデルやショルダータイプ(ギターのように肩にかけて演奏する)には電池駆動のものがあります。
電源ケーブルが邪魔にならず、気にしないで演奏ができるのがメリットですが、電池の交換は煩わしいかもしれません。
しかし、電池で駆動できるタイプでも多くのモデルはACアダプターが(別売りのこともある)使えるようになっているので、確認して購入の時に用意しておくことをお勧めします。
あとで購入することもできますが、生産が終了してしまうと適合するアダプターも無くなっている可能性があるので、同時に購入する方が望ましいです。
プリセット(内蔵)音色数
最近では電子ピアノでも、ピアノ音色以外にオルガンやハープシコード、ストリングスなどの音色に切り替えができるモデルも多くなっています。
シンセサイザーならばさらに多くの音色がプリセットされています。
それほど高価な機種でなくても1000種類以上の音色がプリセットされているものも珍しくないです。
音色数が多ければ多いほど良いというわけではありませんが、ピアノ、クロマチックパーカッション、ストリングス、ブラス、オルガン、ギター、ベース、リード、パイプ、シンセ系音色、効果音、和楽器、エスニック楽器、パーカッションなどが揃っていると、いろいろな使い方、演奏を楽しむことができます。
同じ音色名でもメーカーやモデルによって特色があるので、実際に弾いいてみて確かめてみると良いです。
重さ、大きさ
- 室内に設置
スタンドに設置する場合には、スタンドのサイズも考慮しなくてはいけません。
なお、そのモデル専用のものがある場合もありますが、サイズが合えば何を使っても構いません。
テーブルの上に置いても大丈夫です。
- 持ち運びを考えるなら
外に持ち出して使用したり、室内でも場所を決めずに移動させて使う場合には重さが大切なポイントです。
プラスチックやアルミなどの軽い材質の筐体のモデルが多いので、かなり充実した機能を持っていて、サイズが小さくなくても軽量のものもたくさんあります。
特に歩いて運ばなくてはならなかったり、電車に乗ったりする場合には重さは確認しておくと良いです。
また、持ち運ぶためにはケースが必要です。
ハードケース、ソフトケース、リュック型、キャスター付きなど用途やサイズ、重さに合わせて選びましょう。
鍵盤数
鍵盤数は小さいものでは37鍵(3オクターブ)、主流は49鍵(4オクターブ)、61鍵(5オクターブ)で88鍵はピアノと同じ鍵盤数です。
両手を使って演奏するならは最低でも49鍵は欲しいですが、できれば61鍵をお勧めします。
61鍵ならばちょっとした演奏や、バンドのキーボードとしては充分に使えますし、持ち運びも大変ではありません。
スピーカーの有無
- スピーカーが内蔵されている
スピーカーがキーボード本体に内蔵されていれば、それだけで音を出すことができます。
スピーカーが内蔵されているモデルは比較的安価な本当に初心者向きのモデルに多いです。
- スピーカーが無い
ある程度機能を備えたものはスピーカーが内蔵されていないものが多いので、その場合には別にアンプ付きスピーカーを用意しなければなりません。
家庭で演奏するならば、卓上サイズのものなどもあるので、場所に合わせて選びましょう。
またスピーカーを内蔵していても、出力が小さいことが多いので、ステージなどで使用するためにはアンプを使う必要があるかもしれません。
スピーカー内蔵を選ぶ場合には、外付けのスピーカーから音を出すための「OUT PUT」端子の有無を確認しておくと良いです。
使えるアクセサリー
より豊かな表現をするためのアクセサリーが使えるかどうか、必要ならば確認しておきましょう。
これらは別売りのことが多いです。
- フットコントローラー
演奏の途中で強弱をつけたり、モジュレーションやピッチベンドをかけたり、音色を変えたりなどがペダルでコントロールできます。 - ダンパー(サステイン)ペダル
ピアノの右のペダルと同じで、鍵盤から手を離しても音を伸ばし続ける機能です。
その他の機能
その他にチェックしておきたいポイントは以下です。
必ずしも必要なものではありませんが、どんな使い方をするのかによってチェックしておくと良いです。
- 譜面台
専用の譜面台が取り付けられるモデルもある - タッチレスポンス
鍵盤を弾く強さで音の強弱が表現できる機能 - ピッチベンダー
演奏中に音程を変えるためのホイール - モジュレーションホイール
演奏中にビブラートをかけるためのホイール
- リズムマシン機能
主なジャンル向けのドラムパターンがプリセットされている、またユーザーが組める - 自動伴奏機能
簡単な操作でコードやアルペジオ、バッキングなどを自動的に演奏させられる - MIDI
他のMIDI規格の機器とつなげて、コントロールしたり、されたりする機能 - USB
パソコンとつないだり、データをUSBに記録するなどに使う - AUX IN
外部音源の音を入力できる - OUT PUT(ステレオ/モノラル)
外部のスピーカーにつなぐ時に、ステレオにできるかモノラルだけか - デモ演奏
工場出荷時にデモ演奏曲が内蔵されている
まとめ
たくさんの要素を並べましたが、それぞれ特徴があって、また多くのモデルがあって迷うと思います。
同じ価格で同じような機能のモデルで迷った場合には、ボタンやスイッチの形や位置、ディスプレイの大きさや形、音色や弾き心地など、実際に触ってみて直感的で自分に合っているものを選ぶのが良いでしょう。