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    ひところ一人歩きした感のある「絶対音感」ですが、一体どんなもので、何の役に立つのか、立たないのか、解説します。

    絶対音感

    絶対音感は聞いた音の高さを他の音と比較することなく何の音かを判断することができる能力です。
    例えば、楽器で鳴らした一つの音を聞いたとき、それが五線上のどの音に当たるのかがわかる能力です。


    ピアノであれば鍵盤が88
    つまり、頭の中に88のすべての音の高さが記憶されていて聞いた音と脳内の記憶を結びつけることができます。
    絶対音感を持っていれば、曲を聴いたときにKey(調整)を判断することができます。

    相対音感

    絶対音感に対して、もう一つ相対音感があります。

    相対音感では、基準となる音を聞かなければ、Key(調整)を判断することができません。
    しかし、確かな相対音感を持っていれば、基準となる音さえあればKeyを判断することは可能です。
    またハーモニーを聞き分けたり、聞いたメロディーを歌や楽器で再現したりすることができます。

    むしろ確かな相対音感こそが音楽のためには重要です。

     

    絶対音感を身につけるには6歳までに訓練する

    絶対音感は脳の発達が著しい3〜4歳より訓練をすれば、誰でもある程度身につけることは可能です。
    ただし、6歳をすぎると身につけることはできません。
    習得したければ6歳までに一通りの訓練が必要です。
    幼児期に音楽教室に通っていた経験のある人なら、気づいていなくても絶対音感を持っている方もたくさんいるでしょう。

     

    絶対音感は音楽家にとって必要か?

    「絶対音感」は専門用語ですが、ある時期に出版された書籍によって多くの人が知ることになりました。
    そして幼児期の教育で絶対音感を身につけるための英才教育がブームになったことがあります。
    では、音楽をやる上で、特にプロになるために絶対音感は必要なのでしょうか?

     偉大な音楽家でも絶対音感を持たない人はいる!

    実は有名な音楽家でも絶対音感を持っていない人はたくさんいます。
    日本の音大生で絶対音感を持っている人は約半数と言われています。
    それでも諸外国と比べると多いようです。

    チャイコスフスキーは絶対音感を持たない作曲家として有名です。
    絶対音感はなくても、確実な相対音感を持っています。
    したがって、絶対音感は音楽家にとって絶対に必要なものではありません。

     

    絶対音感と音楽性一番大切なのは感性!

    絶対音感は幼児期に訓練をすれば誰でも、程度の差はありますが身につけることができます。
    それでは、絶対音感があれば誰でも音楽家になれる?あるいは音楽が得意な人になれるか?というと、そんなことはありません。
    もちろん、音楽をやる上で絶対音感を持っていることが有利であることはたくさんあります。
    絶対音感を身につけることを否定するものではありません。
    良い時期に訓練して身につけるのは良いことです。

    しかし、それよりも音楽性や音楽的なセンスや、良い音楽にたくさん触れるなどの経験の方が重要です。
    絶対音感は音楽をやる上で持って入れば便利ですが、いちばん大事なものではありません。


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    鍵盤楽器とは

    鍵盤楽器とは、演奏するために鍵盤を使う楽器を総称して言います。

    身近な楽器の一つで、多くの種類があります。
    長い歴史のある楽器から、近年になって新しく生まれた楽器もあります。
    鍵盤を持っていることが共通する特徴です。

    ピアノ

    <発音方式で分類>

    アコースティックピアノ電気ピアノ電子ピアノ

    <型で分類>

    グランドピアノアップライトピアノ


    グランドピアノ(写真ACより)

     

    アコースティックピアノ

    弦(ピアノ線)を鍵盤を通してハンマーを叩くことで発音させます。
    弾き方によって強い音、弱い音、柔らかい音が自在に演奏できます。
    グランドピアノは弦が水平に張られており、もっとも理想的な音が奏でられます。
    アップライトピアノは、弦が縦に張られており狭いスペースでも置くことができます。

    電気ピアノ(エレクトリックピアノ)

    弦をハンマーで叩いて発音させるのはアコースティックピアノと同じですが、
    音をピックアップで拾ってアンプで電気的に増幅させてスピーカーから音を出します。 

    電子ピアノ

    打弦によって物理的に発音させるのではなく、電子的に音を作り出すものです。
    鍵盤はスイッチの役割をしています。
    発音方式には多くの種類があり、ピアノの音色に特化したシンセサイザーとも言えます。
    型もいろいろあり、グランドピアノ型の高級機種もあります。

     

    ハープシコード(チェンバロ)

    形はピアノに似ていてピアノよりも古く、14世紀からある楽器です。
    発音方法は撥弦方式で、鍵盤を弾くことで弦を弾く仕組みです。
    打鍵の強弱による音量の強弱の表現はできません。
    黒鍵と白鍵がピアノとは逆になっているものが多いのも特徴です。

    チェンバロ

     

    クラヴィコード

    鍵盤を弾くことによって弦を下から突き上げる打弦方式で発音させます。
    打鍵の強弱による音量の強弱が可能です。
    クラヴィコードの仕組みにピックアップをつけてスピーカーから音を出すものをクラビネットといいます。

     

    オルガン

    <発音方式による分類>

    管楽器式
    パイプオルガンリード楽器式
    リードオルガン
    アコーディオン
    鍵盤ハーモニカ

    パイプオルガン(写真ACより)

    パイプオルガン

    多くのパイプを使い、空気を送り込むことによって発音させる気鳴式の鍵盤楽器です。
    管楽器と同じ仕組みです。
    教会や大ホールなどにある大規模なものは、パイプの数は数千本〜3万本以上のものもあります。
    楽器ではありますが、建造物といってもよいです。
    パイプオルガン形の電子オルガンもあります。

    ノートルダム大聖堂のパイプオルガン

    リードオルガン

    リードを振動させることで発音させるオルガンです。
    ハーモニカと同じ発音の仕組みです。
    昔の小学校にあった足踏みオルガンは、足でペダルを踏むことでリードに空気を送ります。

    アコーディオン

    リードの振動により発音させる楽器でリードオルガンと仕組みは同じです。
    空気を送り込むのに蛇腹を使い、体の前面に装着して演奏するのが特徴です。

    アコーディオン

    鍵盤ハーモニカ

    パイプを使い口で空気を送り込むことによってリードを振動させて発音します。
    学校教育でよく使われていますが、演奏活動をしているプロのプレイヤーもいます。

     

    電子式の鍵盤楽器

    これまでに紹介した楽器は弦やリードを物理的に動かして発音するものですが、現在では電子的に音を合成した鍵盤楽器も多用されています。
    小型化、軽量化されているものもあり、持ち運びや価格の点でももっとも身近な鍵盤楽器となっています。

    シンセサイザー

    電子的に音を合成して作り出す楽器です。
    音を合成する仕組みには非常に多くのものがあり、大きく分けてアナログ音源とデジタル音源があります。

    音色はプレイヤーが自由に作ることができ本体や外部メモリーに記憶できるものが多いです。
    技術の進歩とともに小型の筐体に多くの機能が搭載されるようになり、比較的廉価な製品でも数百種類の音色を内蔵しているものもあります。

    複数のパートを同時に演奏できるオールインワンタイプもあります。
    なお、シンセサイザーには鍵盤がなく外部からコントロールする音源だけのものがあります。
    また鍵盤楽器がた以外にも管楽器型、弦楽器型、打楽器型のものなど様々な種類があります。

    電子オルガン

    両手で弾く2段以上の鍵盤と1オクターブから2オクターブの足鍵盤で構成されるオルガンです。
    発音の方式はシンセサイザーと同じで、さまざまな種類があります。
    多くのものはプログラム機能を持っており、一つの楽器で打楽器も含めたオーケストラやバンドのような演奏が可能です。
    オールインワン・キーボードといえます。

     

     


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    ピアノに限らず、何か楽器を習おうとした時にまず考えることは、どこに行って習えば良いのかです。

    良い講師に巡り会えるか、巡り会えないか、これはその後に大きな影響を及ぼします。
    人生の中での音楽の楽しみ方に違いが出ると言っても過言ではありません。
    「良い講師」とは、音楽的能力や指導力を持っていることがいちばん大切です。
    しかし、それだけではなく生徒と講師の相性、これも大事なポイントになります。

    どこで習えるか自宅などで個人で開催しているピアノ教室中小規模の音楽教室大手が運営する音楽教室

     この3つが代表的なものです


    個人でピアノ教室を開催している人はたくさんいます。
    それぞれ個性がありますが、いろいろな人が指導者として活躍しており、実力もピンからキリまでというのが実態です。
    音楽大学のピアノ科を卒業していたり、コンクール入賞歴のある人もいます。
    音大出身でなくても、民間のグレードを持って指導している人もいます。
    または、特に資格を持っていない人もいます。
    高学歴や入賞歴、高グレードは必ずしも高い指導力には繋がりませんが、これはひとつの目安になります。

    個人や中小規模の音楽教室の場合評判を聞いてみる
    個人や中小規模の音楽教室で習う場合には、

    ご近所や既にそこで習っている生徒の評判を聞いてみることが大切です。
    レッスン時間、レッスンの内容、月謝額、月に何回か?(または年間回数)など聞いてみましょう。

    レッスン見学・体験レッスン
    レッスン見学や体験レッスンが可能であれば受講してみると良いです。

    教室の雰囲気や講師の人がらなどをみることができます。

    発表会の見学
    発表会の見学も教室の様子を知る良い機会です。

    発表会では生徒さんの演奏を聴くことができます。
    演奏の上手下手だけではありません。
    講師が良い指導をしていれば、マナーなどの点でも気持ちの良い発表会のはずです。
    お子さんを習わせる場合には、保護者の雰囲気も知ることができます。

    発表会では講師の演奏を聴くことができます。
    どんな演奏をする講師なのか、聴くことによって伝わってくるものがあるはずです。
    発表会は身近な公民館や市民会館のようなホールで開催することが多いです。
    ホールの予定表などを見て、見学が可能かどうか問い合わせてみると良いです。

    大手音楽教室の場合

    大手の音楽教室でも、教室を選ぶために個人や中小の教室と同じように教室に足を運んで見るのが良いです。

    大手の音楽教室では講師はみな、それぞれの決められた資格を持っています。
    その上でオーディションに合格して指導にあたっています。
    指導法の研修を常に受け、研究も行なっています。
    多少の地方格差はあるかもしれませんが、指導力や演奏力ではみな一定のレベル以上です。
    全国で共通の教材やカリキュラムを使用しているので、引っ越した時の継続がしやすい利点があります。

    生徒募集のための体験レッスンなども行われていることが多いので、気軽に参加して教室の雰囲気を確認することができます。
    また発表会もオープンになっているので、見学がしやすいです。

    状況に応じての見直しも必要

    それぞれの教室には長短や特徴があり、どれが学習する人に合うのかは経験してみないとわからない点もあります。
    教室に通ってみてから、どうしても講師との相性が悪いということもあります。
    そういう時には、また別の教室を探してみるのも悪いことではありません。
    また音楽を専門に勉強するために受験を考える場合には、その時点で、受験の指導をしてくれる講師を探したり、紹介してもらう必要があります。

     



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    市販の譜面を購入して活用しようとしたときに、そこに記されている音楽標語や記号の意味がよくわからないことがあります。
    英語のものはわかりやすいですが、イタリア語が多く感覚的にもわかりにくいものです。
    初心者が使う譜面にもよく出てくる基本的ではあるが分かりにくい音楽用語についてまとめてみます。

    速度標語

    速度標語には楽曲全体の速度を示すものと曲の一部分での変化を指示するものがあります。

    楽曲全体の速度

    楽曲全体の速度は例えば♩=XXX(1分間に四分音符XXX)などと数字で表すこともありますが、速度標語の場合は感覚的なものなので、それぞれを正確に数字に置き換えることはできません。

    遅い順に主なものを並べてみます。

    曲の一部分での変化を指示するもの速度標語読み方意味極めて遅いLargoラルゴ非常にゆったりと遅くAdagioアダージョ遅くLentレント遅く遅いLarghettoラルゲットラルゴよりやや速くAdagiettoアダージエットアダージョよりやや速くやや遅いAndanteアンダンテ歩くような速さで中くらいの速さAndantinoアンダンティーノアンダンテよりやや速くModeratoモデラート中庸の速さでやや速いAllegrettoアレグレットやや快速に速いAllegroアレグロ快速により速いVivacheヴィヴァーチェ速く、生き生きとPrestoプレストきわめて速くもっとも速いAllegrissimoアレグリッシモ極めて快速にVivavissimoヴィヴァチシモきわめて速く

    più :いっそう、さらにmeno:より少なく

    強弱記号・標語

    速度標語読み方意味accelerando (accel.)アッチェレランドだんだん速くpiù mosso
    ピウ モッソ今までより速くritardando (rit.)リタルダンドだんだん遅くrallentando (rall.)ラレンタンド
    だんだん遅くmeno mossoメノ モッソ今までより遅くritenuto (riten.)リテヌートただちにに遅くするa tempoア テンポ元の速さでTempo Ⅰ
    テンポ 1最初の速さでTempo rubato
    テンポ ルバート自由なテンポでTempo guestテンポ ジュスト正確なテンポで強弱記号・標語読み方意味pppピアノピアニシモ、ピアニシシモこの上なく弱くppピアニシモきわめて弱くpピアノ弱くmpメゾピアノやや弱くmfメゾフォルテやや強くfフォルテ強くffフォルテシモきわめて強くfffフォルテフォルテシモ、フォルテシシモこの上なく強くsfスフォルツァードその音を特に強くsfzスフォルツァンドその音を特に強くfzフォルツァートその音を特に強くfpフォルテピアノ強くすぐ弱くcresc.クレッシェンドだんだん強くpoco a poco cresc.ポーコ ア ポーコ クレシェンド少しずつだんだん強くmolto cresc.モルト クレシェンドきわめてだんだん強くdim.ディミヌエンドだんだん弱くdecrees.デクレシェンドだんだん弱くpoco a poco dim.ポーコ ア ポーコ ディミヌエンド少しずつだんだん弱くpoco:少しpoco a poco:少しずつ

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    習い事の多様化のために昔ほどではないですが、今でも子供の頃にピアノを習い始める方は多いと思います。

    昭和の時代には、ピアノを習うためにピアノを買うのは当たり前でしたが、現在はそうもいかないという事情もいろいろあようです。
    そのために、ピアノ(アコスティックピアノ、生ピアノ、以後ピアノとします)ではなくて、電子ピアノを購入したり、あるいはピアノではない各種のキーボードを使用している方もいるようです。

    そこで、電子ピアノや各種キーボードはピアノの練習に効果があるのか、あるいはデメリットが大きいのかということを考えてたみたいと思います。

    電子ピアノやキーボードを使用する理由経済的な事情住宅事情単なる好み

    だいたい以上の3つが理由だと思います。

    電子ピアノのメリットとデメリット

    (メリット)

    価格が安い
    電子ピアノといっても、価格も性能もピンキリです。数万円程度のものから、20万円前後のもの、そして数十万以上もする高級機種まであります。
    しかし、ピアノに比べれば価格が安いので、ピアノは高価で買えないという方にとっては大きなメリットです。価格の差は音源、鍵盤の構造、発音数、音色の数や各種の機能、材質などですが、廉価なものでは同時発音数が少ないものもあるので注意が必要です。コンパクトで軽い
    ピアノの重量が200Kgもあるのに対して、電子ピアノは重いものでも数十Kgです。専門の業者でなくても運ぶことができ、狭いスペースに設置することができます。
    ピアノは専門の業者でなければ運ぶことができませんし、またエレベーターに載せられない場合もあり、クレーンで吊り上げて搬入しなければならないこともあります。スピーカーから音が出る
    電子ピアノはスピーカから音が出るのでボリウムの調整ができ、またヘッドフォンを使用することができるので、夜間の練習やマンションやアパートなどで、も周囲を気にしなくてすみます。メンテナンスが不要
    ピアノは時間が経つと弦が緩んでピッチが変わってしまうので、定期的に調律をしたり、乾燥剤を交換したりなどのメンテナンスが必要です。
    メンテナンスにはそれなりの費用もかかります。これに対して電子ピアノは、特別なメンテナンスは必要ありません。管理が楽です。
    ただし、ピアノはメンテナンスをしっかりしていれば長く使い続けられますが、電子ピアノは電気製品と同じなので寿命があります。

    (デメリット)

    練習する上での電子ピアノのデメリットといえば、ピアノとは全く構造が違い、発音の仕組みが違うところです。

    弦を叩いて物理的に音を出すのではなく、電子的に合成された音を鍵盤というスイッチを使って発音させるのが電子ピアノです。
    技術の進歩によってハイスペックな製品では限りなくピアノに近いタッッチで弾けるとは言われていますが、それでも「違う」というのが事実です。
    そういう面から見ると、ピアノと電子ピアノは違う楽器と言っても良いくらいです。

    電子ピアノで練習すると、電子ピアノなりの弾き方にしかならないので、これでピアノを弾くと、思ったような音を出すことができません。

    各種のキーボードは?

    いろいろなキーボードがありますが、こちらは電子ピアノよりもさらにピアノからは遠い存在です。

    鍵盤がピアノタッチのものもありますが、ほとんどはオルガンタッチです。また鍵盤が49鍵、61鍵というものが多く、これらではピアノの曲を弾くには鍵盤が足りないのでオススメできません。
    どうしてもキーボードでないとという事情がある場合にはピアノと同じ88鍵、または最低でも77鍵のものが良いでしょう。

    ピアノのメリット

    常日頃からピアノで練習することで、いろいろな音の出し方を指先の細かい神経で習得することができるのが一番のメリットです。

    これは、電子ピアノでは習得することができません。

    どういう弾き方をすると、どういう音が出せるのか、強い音も弱い音も、柔らかい音も、硬い音も、その弾き方を習得するためにはピアノでなければできません。

    まとめピアノをしっかりと学ぼうと思ったら、アコースティックピアノで練習するのが最適です。しかし、いろいろな事情で電子ピアノを選ばざるを得ないこともあるでしょう。電子ピアノがダメということではありません。
    そういう場合には電子ピアノで練習しつつ、なるべくたくさんピアノに触れる機会を作っていくのが望ましいです。何よりも楽しくピアノを弾くことができれば、それがいちばん大切なことです。

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    いろいろな状況で家にピアノがある方はたくさんいると思います。
    ピアノを持っていて普段弾いている方もいるでしょう。
    あるいは昔習ったから、子供が習っていたからピアノが家にあるけれども長いこと蓋も開けてなくて、上に物が置かれているという方も少なくないでしょう。

    電子ピアノであれば、これは電気製品なので特別なメンテナンスは必要ありませんが電気製品と同様に寿命があります。
    ピアノは高価な買い物ですが、きちんとメンテナンスを続けていけば一生使えるといっても過言ではありません。
    少し放置してしまったピアノも早めにメンテナンスをすることで、良い音をよみがえらせ長く使うことができるようになります。

    調律

    ピアノのメンテナンスというと主には調律をさします。
    もちろん、綺麗に磨いたり、埃が入らないように気をつけたりということもありますが、ピアノを大切に使うためには調律が一番大切です。

    なぜ調律をするのか

    ピアノは鍵盤を弾くことによって張ってある弦をハンマーで叩いて音を鳴らすしくみの楽器です。
    常に弦は強い力で引っ張られ緊張状態にあります。
    弾くことによって、あるいは弾かなくても、自然に弦は緩んできます。
    6本弦のギターでも弾くたびにピッチの調整が必要です。
    ピアノの弦は230本ではるかに大きな緊張状態にあります。
    緩んでくるとピッチが下がってきます。
    一つの音に使われている複数の弦の緩み具合の違いによって、音がうねって変な響きにもなってきます。
    これが、狂っているという状態です。
    (一つの音の複数の弦のピッチをわざとずらして音をうねらせるホンキートンクという調律もありますが。)
    この弦の張り具合を調整してピッチを正確に直してやるのが調律です。

    調律の頻度普段弾いているピアノ

    一般的な目安としては1年に1回が最適と思われます。
    しかし、1年経っていなくても、音が狂っていると感じた時には調律をすることをお勧めします。
    新しいピアノでは、まだ弦が落ち着いていないので、早めに音の狂いを感じることがあります。
    また、引越しなどで運搬・移動した場合にも狂いが生じますので、引越し完了後、置き場所をきちんと決めたところで調律をすると良いです。

    あまり弾かないピアノ

    普段弾かないピアノを定期的に調律するのは費用の面でも難しいかもしれません。
    しかし、あまり長い間放置すると、下がりすぎたピッチを元に戻すのにピアノに負担をかけることになります。
    また一旦調律しても狂いやすくなるうえ、緩み方が大きくなると一度で直すのは不可能です。
    ですから5年、10年と放置しておくのはお勧めできません。
    ピアノの状態にもよるので、調律の時に、調律師さんに状況を説明して次の調律の時期を決めていけば良いでしょう。

    調律とともに行うメンテナンス

    調律の時には、ピッチの調整以外にも必要に応じて様々なメンテナンスを行います。

    整調

    ピアノは数多くの部品でできており、鍵盤やハンマー、ペダルなど弾く時に動かす部分も使っているうちに、劣化したり動きが悪くなったりします。
    これらの演奏に重要な部品の動きを調整して最適な弾き心地に調整するのが整調です。

    清掃

    長年の間には埃がたまったり、弦が錆びたり、フェルトが痛んだり、カビが生えたりすることもあります。
    こういうところもチェックし、必要があれば部品を交換することもあります。
    特に湿度の高いところで使用していたり、海の近くなど空気中に塩分が多い地域では傷みやすい傾向にあります。

    ピアノを大切にするために環境を整える

    定期的な調律、メンテナンスをしていればずっと良い状況を保っていけるのがピアノなどアコースティック楽器の良いところです。
    調律師さんにメンテナンスしてもらうだけでなく、普段から湿度を適当に保ったり、潮風に触れないようになど良い環境を整えることもピアノを良い状態で使い続けるためには大切です。

    置き場所もキッチンからの蒸気が流れてくるような場所はピアノを劣化させてしまいます。
    ちなみに、湿度は50が最適なので、除湿や加湿で調整しましょう。
    ピアノはきちんと日頃から管理をして、定期的なメンテナンスをして大切にに長く使っていきたいものです。


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    楽器店や家電量販店にはたくさんの種類のキーボードが並んでいます。
    小さい頃に少しだけ音楽教室に通った経験があったり、特に経験はないけれども新しい楽しみとして買ってみようか、などと思っている方もいらっしゃるでしょう。

    店頭に並んでいるものは様々で、安価で見た目もおもちゃに近いようなものから、プロが制作やライブで使うようなハイエンドのものまでがあります。
    ここでは、初めてキーボードを買う方のために一万円代〜数万円程度で買えるベーシックなキーボードについて、選択の参考になるように解説します。

    キーボード選びのポイント電源方式プリセット(内蔵)音色数重さ、大きさ鍵盤数スピーカーの有無付属品その他の機能電源:電池駆動・AC電源

    非常にコンパクトで安価なモデルやショルダータイプ(ギターのように肩にかけて演奏する)には電池駆動のものがあります。
    電源ケーブルが邪魔にならず、気にしないで演奏ができるのがメリットですが、電池の交換は煩わしいかもしれません。

    電池でも駆動するタイプ


    しかし、電池で駆動できるタイプでも多くのモデルはACアダプターが(別売りのこともある)使えるようになっているので、確認して購入の時に用意しておくことをお勧めします。
    あとで購入することもできますが、生産が終了してしまうと適合するアダプターも無くなっている可能性があるので、同時に購入する方が望ましいです。

    プリセット(内蔵)音色数

    最近では電子ピアノでも、ピアノ音色以外にオルガンやハープシコード、ストリングスなどの音色に切り替えができるモデルも多くなっています。
    シンセサイザーならばさらに多くの音色がプリセットされています。
    それほど高価な機種でなくても1000種類以上の音色がプリセットされているものも珍しくないです。
    音色数が多ければ多いほど良いというわけではありませんが、ピアノ、クロマチックパーカッション、ストリングス、ブラス、オルガン、ギター、ベース、リード、パイプ、シンセ系音色、効果音、和楽器、エスニック楽器、パーカッションなどが揃っていると、いろいろな使い方、演奏を楽しむことができます。
    同じ音色名でもメーカーやモデルによって特色があるので、実際に弾いいてみて確かめてみると良いです。

    重さ、大きさ室内に設置


    スタンドに設置する場合には、スタンドのサイズも考慮しなくてはいけません。
    なお、そのモデル専用のものがある場合もありますが、サイズが合えば何を使っても構いません。
    テーブルの上に置いても大丈夫です。

    持ち運びを考えるなら

    外に持ち出して使用したり、室内でも場所を決めずに移動させて使う場合には重さが大切なポイントです。
    プラスチックやアルミなどの軽い材質の筐体のモデルが多いので、かなり充実した機能を持っていて、サイズが小さくなくても軽量のものもたくさんあります。
    特に歩いて運ばなくてはならなかったり、電車に乗ったりする場合には重さは確認しておくと良いです。
    また、持ち運ぶためにはケースが必要です。
    ハードケース、ソフトケース、リュック型、キャスター付きなど用途やサイズ、重さに合わせて選びましょう。

    鍵盤数

    鍵盤数は小さいものでは37鍵(3オクターブ)、主流は49鍵(4オクターブ)、61鍵(5オクターブ)で88鍵はピアノと同じ鍵盤数です。
    両手を使って演奏するならは最低でも49鍵は欲しいですが、できれば61鍵をお勧めします。
    61鍵ならばちょっとした演奏や、バンドのキーボードとしては充分に使えますし、持ち運びも大変ではありません。

    スピーカーの有無スピーカーが内蔵されているステレオスピーカーが内蔵されている


    スピーカーがキーボード本体に内蔵されていれば、それだけで音を出すことができます。
    スピーカーが内蔵されているモデルは比較的安価な本当に初心者向きのモデルに多いです。

    スピーカーが無いスピーカーなし、アンプが必要

    ある程度機能を備えたものはスピーカーが内蔵されていないものが多いので、その場合には別にアンプ付きスピーカーを用意しなければなりません。
    家庭で演奏するならば、卓上サイズのものなどもあるので、場所に合わせて選びましょう。

    またスピーカーを内蔵していても、出力が小さいことが多いので、ステージなどで使用するためにはアンプを使う必要があるかもしれません。
    スピーカー内蔵を選ぶ場合には、外付けのスピーカーから音を出すための「OUT PUT」端子の有無を確認しておくと良いです。

    使えるアクセサリー

    より豊かな表現をするためのアクセサリーが使えるかどうか、必要ならば確認しておきましょう。
    これらは別売りのことが多いです。

    フットコントローラー
    演奏の途中で強弱をつけたり、モジュレーションやピッチベンドをかけたり、音色を変えたりなどがペダルでコントロールできます。ダンパー(サステイン)ペダル
    ピアノの右のペダルと同じで、鍵盤から手を離しても音を伸ばし続ける機能です。
    その他の機能

    その他にチェックしておきたいポイントは以下です。
    必ずしも必要なものではありませんが、どんな使い方をするのかによってチェックしておくと良いです。

    譜面台
    専用の譜面台が取り付けられるモデルもあるタッチレスポンス
    鍵盤を弾く強さで音の強弱が表現できる機能ピッチベンダー
    演奏中に音程を変えるためのホイールモジュレーションホイール
    演奏中にビブラートをかけるためのホイールリズムマシン機能
    主なジャンル向けのドラムパターンがプリセットされている、またユーザーが組める自動伴奏機能
    簡単な操作でコードやアルペジオ、バッキングなどを自動的に演奏させられるMIDI
    他のMIDI規格の機器とつなげて、コントロールしたり、されたりする機能USB
    パソコンとつないだり、データをUSBに記録するなどに使うAUX IN
    外部音源の音を入力できるOUT PUT(ステレオ/モノラル)
    外部のスピーカーにつなぐ時に、ステレオにできるかモノラルだけかデモ演奏
    工場出荷時にデモ演奏曲が内蔵されているまとめ

    たくさんの要素を並べましたが、それぞれ特徴があって、また多くのモデルがあって迷うと思います。
    同じ価格で同じような機能のモデルで迷った場合には、ボタンやスイッチの形や位置、ディスプレイの大きさや形、音色や弾き心地など、実際に触ってみて直感的で自分に合っているものを選ぶのが良いでしょう。


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    音楽を聴いて楽しむためにも、楽器を演奏して楽しむためにもヘッドフォンやイヤフォンを使う機会は多いと思います。
    スピーカーから音を出して思いっきり音楽を聴いたり、大きな音でギターを弾いたりも良いですが、日常生活ではやはりヘッドフォンで聴くことの方が多いのではないでしょうか?
    ヘッドフォンには色々なタイプがあり、価格も100円ショップで買えるものから数万円、数十万円以上もするものまでピンキリです。

    ハイレベルな機器を揃えて音楽を鑑賞するためには、ハイスペックな高級ヘッドフォンが必要かもしれません。
    しかし、日常生活のちょっとした時間で音楽を聴いたり、また一人で楽器の練習をするときなどは、高級機種を使用している人は少ないでしょう。

    難しいことは抜きにして、気軽な音楽鑑賞や楽器演奏、またDTMなどで音楽制作をしたりするためのスタンダードタイプのヘッドフォンの選び方を考えてみたいと思います。
    ここでは、ヘッドフォンをタイプ別に見て、その特徴からどんな用途にふさわしいかを紹介いたします。

    開放型(オープンエアー)× 密閉型(クローズド)開放型音が外に漏れてしまうタイプです。

    外からの音も聞くことができます。
    音がこもらないので高音をしっかりと聞くことができます。

    密閉型音が外に漏れない、遮音性に優れているのが最大の特徴です。
    外からの音も遮断されます。

    低音がよく効くのが特徴ですが、音がこもった感じになります。

    低音を強調して聴きたい場合には密閉型を、高音をしっかりと捉えたければ開放型を選びます。
    音が漏れては困る環境で使うのか、漏れても構わないのか、外の音を遮断しても良いのか、いけないのか等、場所によって選択することも大切です。
    また、両者の良いところを取り入れたセミオープン型もあります。

    有線 × 無線

    有線か無線かというのも大事なポイントです。

    有線型ヘッドフォンにケーブルが付いていて音源となる機器と繋げて使います。
    ヘッドフォン端子が付いていないプレイヤーはほとんどないので、多くの機器で使うことができます。
    また、直接音源とケーブルで繋ぐので音質を劣化させずに効くことができるのは大きなメリットです。

    楽器の練習に使う時には、ケーブルが短すぎると体を動かすことができなかったり、ヘッドフォンジャックの場所によっては届かなかったりということもあるので、ケーブルの長さは確認する必要があります。
    気に入ったヘッドフォンのケーブルが短い場合には延長ケーブルを使います。

    無線型現在市販されている無線型はほとんどブルートゥース通信を使ったものです。
    したがって、ブルートゥース対応の音源にしか使うことができません。
    音源から離れたところで使うところができ、また自由に動きながら聴くことができるのが最大のメリットです。

    欠点は、外部からの影響を受けてしまうので音質が劣化する可能性があることと、充電が必要なことです。

    オーバーイヤー × オンイヤー × インイヤーオーバーイヤー耳全体に覆い被せる形のものです。
    凹んだところにちょうど耳が入るようになっているので、長時間使用しても耳が痛くなったりしません。
    どうしてもサイズが大きくなってしまうので、持ち運びにはあまり向きません。オンイヤー耳に乗せるような形で装着するタイプのものです。
    軽くてコンパクトなものが多く、折りたたみ式のものもあり携帯するのには便利です。

    耳を両側から挟むような格好になるので圧迫感が気になったり、長時間使用すると耳が痛くなることがあります。

    インイヤー(イヤフォン)カナル型耳栓のように耳の穴に入れて使います。
    遮音性に優れており、低音が効きます。
    慣れないと圧迫感が気になるかもしれません。インナーイヤー型耳の穴には入れずに引っ掛けるようにして装着します。
    音抜けが良いのが特徴ですが、音が外に漏れやすいので場所を選んで使う必要があります。まとめ

    音質や装着感は個人の好みがあるので、購入する時には実際に装着してみることと、音を聞き比べてみるのが良いです。
    ほとんどの店では、サンプルが置いてあり自由に試せるようになっているので、いつも聞いている曲で聞き比べてみましょう。

    また、ヘッドフォンそのもののタイプの他に、有線ならケーブルの形や太さ、プラグの種類などもチェックしましょう。

    音楽観賞用には好きなジャンル、好みの音質を選べば良いです。
    楽器練習や音楽制作には、なるべく音質に偏りがなくクセのないものがお勧めです。


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    そんな時に、譜面が読めないこと、理解できないことが壁になることがあります。
    もっと譜面が読めれば、より楽しむことができるのにということもあるでしょう。
    誰でも小学校や中学校の音楽の授業で譜面を読んだ経験はあると思いますが、それだけでは身についていないのが現実です。


    楽譜サイトや歌詞サイトなどにはメロディーとコードだけの譜面もあります。

    簡単な譜面でより音楽を楽しむことができるように、押さえておきたい基本的な楽譜の知識、音名・調性・調号について紹介します。音名


    ドレミファソラシドの音階を習って歌った方がほとんどでしょう。
    ドレミ〜はイタリア語ですが、英語読みをすることもかなり一般的になっています。
    またクラシックを勉強してきた方はドイツ語の音名を使います。
    そして、現在でも調性を表す場合には、日本語の音名(ハニホヘトイロハ)が使われます。

    各言語での音名

    ここからは、ポピュラー系で一般的な英語の音名を使用します。

    鍵盤に当てはめてみます。


    そのために使われるのが、#(シャープ)、♭(フラット)の変化記号です。

    #(シャープ):音を半音高くする
    ♭(フラット):音を半音低くする
     変化記号を使用すればすべての音を表現することができます。調号と調性楽譜のいちばん最初の小節の音部記号(ト音記号やヘ音記号)の隣に、#や♭
    これが調性を表す調号です。

    調性はKEY
    それぞれ#あるいは♭がいくつついているかで調性が決まるので、調号を見れば調性がわかります。
    五線上の#や♭が記されている音は、特に記譜上の指示がなければ、ずっと一曲を通してそれぞれ#や♭をつけた音で表現します。


    調号がないものはハ長調またはイ短調です。

    <長調>シャープ系長調
    フラット系長調
    <短調>シャープ系短調
    フラット系短調

    嬰:#の意味(例)嬰へ=F#変:♭の意味(例)変ロ=B♭


    D♭=C# G♭=F# C♭=B B♭=A# E♭=D# A♭=G#

    簡単に音名・調性・調号について紹介いたしました。


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    ポピュラー音楽系の譜面では「C」「F」「G7」などの文字が振られているのをよく見ます。
    これはコードネーム(以下コード)というもので、メロディに対してどのようなハーモニー(和音)が付いているのか、あるいは作者が付けてほしいハーモニーを表す記号です。

    コードとは

    コードは1文字またはそれに付随する文字や数字を使って簡単に和音の構成音を表すことができる、大変便利なものです。
    メロディーとコードだけが記されて入れば、それだけで伴奏をしたり、アンサンブルをしたりすることができます。

    雑誌の付録や楽譜サイトなどには、歌詞にコードが振ってラウだけの簡単な楽譜もあります。
    曲のメロディーを知って入れば、それだけでピアノやギターで伴奏をすることが可能です。

    簡単ではありますが、実は奥が深いのがコードです。
    時には見たこともないような、複雑なコードに遭遇することもあります。
    しかし、記されている文字の意味がわかり、仕組みがわかれば、どんなコードでも何の音を弾けば良いのかわかるという大変便利なものです。

    たくさんのコードがありますが、このトピックでは最も基本的なコード、主要三和音(スリーコード)について解説します。
    主要三和音(スリーコード)を押さえておくだけで弾ける曲はたくさんあり、また作曲することも可能です。

    音名

    コードを理解する上で基本である音名について確認しておきます。

    *この図のアラビア数字は音階上の度数を表しています。
     Ⅰ(1度)Ⅱ(2度)…

    コードを構成する音根音(ルート)を基準にして和音は作られます。
    コードネームを表すアルファベットは基準となる根音を表しています。

    下から、根音、第3音、第5音、第7音が重ねられます。

    例)コード「C7」を構成する音
    基本的なコードは、このような音で構成されています。

    なお、
    3つの音で構成される和音を三和音
    4つの音で構成される和音を四和音 といいます。

    主要三和音(スリーコード)

    ひとつの楽曲の譜面を見渡してみると、非常に頻繁に出てくるコードが3つあります。
    この3つのコードが主要三和音(スリーコード)です。

    主要三和音(スリーコード)の種類と機能Tonic (T.) トニック
         主和音。Ⅰ度の音の上に構成される三和音。調(Key)を決定する最も重要な和音。曲の最後はトニックが多い。Subdominant (S.) サブドミナント
         下属和音。Ⅳ度の音の上に構成される三和音。トニックにもドミナントにも進行することができる。Dominant (D.) ドミナント
         属和音。Ⅴ度の音の上に構成される三和音。トニックへの進行指向が強い。
         第7音を加えたⅤ7(属7)の四和音で使われることが多い。

    例1)C major (ハ長調)

    例2)A minor (イ短調)

    それぞれのコードはルートを最低音として構成されますが、実際の演奏では転回形を駆使して自然につなげていきます。

    <演奏例>

    V7は四和音ですが、実際には4つの音全てを弾くこともありますが、第5音を省略することが多いです。

    各調の主要三和音 基本形・転回形一覧

       左から 基本形 第一転回形 第二転回形

    コードの中には「GonB」「Am/E」という形のものがあります。
    「on」や「/」の後の文字は、ベース音で弾く音を指定したものです。
    詳しくは別のトピックで解説したいと思います。


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    譜面に記されているコードを理解して、コード付きの簡単な譜面を確実に弾きこなすためには、コードに含まれている文字や数字の意味を理解することが必要です。
    コードの仕組みがわかれば、どんなKeyのコードでも、自在に弾くことができます。

    このどピックでは、一般によく出てくるコードについて、初心者にもわかりやすく解説します。

    音程

    コードの意味を理解するためには「音程」の基礎知識が必要です。

    日常の生活の中で「音程が狂っている」「音程が悪い」「音程が合っている」などとよく使われる単語です。
    音楽理論の上での「音程」とは2つの音の高さの違い、距離(インターバル)のことをいいます。
    「度」の単位で表します。

    1度=同じ音(ユニゾン)
    2度:C-D, D-E, E-F, F-G, G-A, A-B, B-C
    3度:C-E, D-F, E-G...
    4度:C-F, D-G, E-A...
    5度:C-G, D-A, E-B...
    6度:C-A, D-B, E-C...
    7度:C-B, D-C...
    8度=1オクターブ

    鍵盤を見るとわかりますが、C~D、D-E、F-G、G-A、A-Bの間には黒鍵があります。
    E-F、B-Cの間には黒鍵がありません。
    同じ2度でも距離が違うということがわかります。

    C~D、D-E、F-G、G-A、A-Bの2度の音程は「全音(ホールトーン)」
    E-F、B-Cの音程は「半音(セミトーン)」です。

    距離の違う同じ度数の音程は「完全」「長」「短」「増」「減」をつけて区別をします。

    完全音程 ハーフェクト・インターバル(P)    1度、4度、5度、8度長音程  メジャー・インターバル(M)      2度、3度、6度、7度短音程  マイナー・インターバル(m)      2度、3度、6度、7度増音程  オーギュメント・インターバル(aug, +) 全ての音程減音程  ディミニッシュ・インターバル(dim, ー) 全ての音程


    「C」の音を基準にすると

    完全1度=同じ音
    短2度 =半音1
    長2度 =全音1
    短3度 =全音1+半音1
    長3度 =全音2
    完全4度=全音2+半音1
    増4度 =全音3
    減5度 =全音2+半音2
    完全5度=全音3+半音1
    増5度 =全音3+半音2
    短6度 =全音3+半音2
    長6度 =全音4+半音1
    短7度 =全音4+半音2
    長7度 =全音5+半音1
    完全8度=1オクターブ

    *増5度と短6度は異名同音程です。

    コードの種類と構成音

    よく使われる基本的なコードは次の11種類です。

    メジャー・トライアド(長三和音)マイナー・トライアド(短三和音)オーギュメント・トライアド(増三和音)メジャー・セブンスセブンスマイナー・セブンスマイナー・メジャー・セブンスマイナー・セブンス・フラット・フィフスシックスサスペンデッド・フォースディミニッシュ<実例>

    「C」をルートにするコードで実例を示します。

    メジャー・トライアド(長三和音)
    マイナー・トライアド(短三和音)
    オーギュメント・トライアド(増三和音)Caug, C(#5)
    メジャー・セブンス CM7, C△7, CMaj7
    セブンス
    マイナー・セブンス
    マイナー・メジャー・セブンス
    マイナー・セブンス・フラット・フィフス Cm7(♭5), Cm7-5シックスサスペンデッド・フォース (サスフォー)

    3度の代わりに完全4度を加えます。ディミニッシュ

    *♭♭(ダブルフラット)は完全2度下の音と異名同音になります。
    B♭♭=Aで記譜されることが多いです。

    *コード表記には色々な形があり、記譜する人の好みで使われます。
    例)CM7=CMaj7=C△7
      Cm7(♭5)=Cm7-5
      


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    テンション・コードとは

    コード・ネームのなかには、「9」「11」「13」などの数字や、さらに「♭」「#」などの変化記号が付いているものがあります。
    この数字と変化記号はテンション・ノートを表したもので、このようなコードをテンション・コードといいます。

    テンション=緊張を感じさせる音を加えることで、豊かなサウンドを生み出せるものです。
    テンションは難しいというイメージもあり、避けて通りたい気持ちにもなりますが、テンション・コードを押さえておくことで、楽しめる音楽の幅が広がるので、是非覚えておきたいものです。
    特にジャズ系の曲ではテンション・コードなしでは成り立たないと言ってもいいくらいです。

    テンション・ノートの扱いには細かい決まりごとがあり、理論的に理解しておくに越したことはありませんが、まずは理屈よりも目の前にある譜面が表している音がわかることが大切です。
    このサマリーでは、難しい理論は抜きにして、譜面に記されているコードが弾けることを目標に解説します。

    テンション・コードを含んだ曲を弾き込んでいくうちに、感覚的に身につくものがあります。
    身体や耳の感覚で覚えることで、自然にテンションのセンスが身についていきます。

    テンションの種類9th♭9th#9th11th#11th13th♭13th数字と変化記号の意味

    上記の数字+変化記号が表しているのは、ルート(根音)からの音程(インターバル)です。

    1オクターブが完全8度なので、

    9th=1オクターブ+長2度11th=1オクターブ+完全4度13th=1オクターブ+長6度

    ♭がつけば半音下の音、#がつけば半音上の音

    ♭9th=1オクターブ+短2度#9th=1オクターブ+増2度#11th=1オクターブ+増4度♭13th=1オクターブ+増6度

    「C(ド)」の音に対しては、それぞれ次のようになります。

    コードを例にすると

    すべてのテンション・コードで、同じように音が重ねられます。

    さらに次のような分類もされます。

    ナチュラル・テンション:9th, #11th, 13thオルタード・テンション:♭9th, #9th, ♭13th

    これらのテンション・ノートは単独で使われることもあれば、いくつか組み合わされて使われることもあります。

    コードの種類と使われるテンション・ノート

    コードの種類(役割)によって、使われるテンションは原則として大体決まっています
    参考までに、以下に主なものを紹介しておきます。
    ただし、意図的に原則以外のものを使用することも少なからずあります。
    下記以外にも、色々なパターンがありますが、ごく基本的な、よく出てくるものだけを揚げておきます。

    <メジャー・キー(長調)のダイアトニック・コード>コードC major(ハ長調)の例使われるテンション・ノートⅠ, Ⅰ6, ⅠM7
    C , C6, CM79, (#11), 13Ⅱm7Dm79, 11Ⅲm7Em7(9), 11ⅣM7, Ⅳ6FM7, F69, #11, 13Ⅴ7G79, ♭9, #9, #11, 13, ♭13Ⅵm7
    Am7
    9, 11 Ⅶm7(♭5)BM7(♭5)11, ♭13<マイナー・キー(短調)のダイアトニック・コード>コードA minor(イ短調)の例使われるテンション・ノートⅠm7Am79, 11, (♭13)Ⅱm7(♭5)Bm7(♭5)(9), 11, ♭13♭ⅢM7, ♭Ⅲ6
    CM7, C69, #11, 13Ⅳm7, Ⅳm6Dm7, Dm69,11V7E7♭9, #9, (#11)♭ⅥM7FM79, #11, 13, ♭13Ⅵm7(♭5)Fm7(♭5)9,11♭Ⅶ7G79, #11, 13ⅦdimG#dim♭13

    *ダイアトニック・コード:音階上にできるコードのこと

    例)C major ,A minor  の音階上のコード

    <三和音>

    <四和音>


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    スケールとカデンツを練習しよう

    キーボード初心者のための基礎的なフィンガートレーニングとして、全調のスケールとカデンツを紹介します。

    独学でキーボードを練習している初心者の方も、早く好きな曲を弾けるようになりたい、もう少し上手になってバンドやアンサンブルを楽しみたいと思います。
    ひたすら好きな曲の譜面に向かって練習をしても、基礎的な指のトレーニングができていないと、なかなか思うように上達はしません。

    キーボードを弾くためのもっとも基礎的なフィンガートレーニングはスケールとカデンツを何度も練習して指で覚えることです。
    とても地道な練習ですが、日々トレーニングを重ねることで、やがて成果があらわれ、いろいろな曲を弾くのに役立ちます。

    このサマリーでは、まず長調(メジャー・スケール)のスケールとカデンツを掲載します。
    #や♭がたくさんの調(キー)は難しいので、まず簡単な調からひとつづつ攻略していってください。

    スケール:音階のこと。カデンツ:終止形 いろいろな終止形がありますが、ここでは代表的な「Ⅰ-Ⅳ-C/Ⅴ-Ⅴ7-C」を採用しました。練習の仕方

    練習のやり方は、それぞれのレベルに合わせて選んでください。

    スケール1オクターブの繰り返し練習スケール2オクターブの繰り返し練習カデンツの練習スケールとカデンツを組み合わせた練習メトロノームやリズムマシン、キーボードの自動演奏機能などを駆使してテンポキープの練習リズムを変える、左右を3度(6度)ずらす、オクターブ上、下で弾く、etc.

    指番号を振っておきましたので、こちらも参考にしてください。

    <指番号>

    左手                        右手

         5     4    3       2     1           1        2      3     4    5
       小指  薬指 中指 人差指 親指          親指 人差指 中指 薬指 小指

    スケール・カデンツ(長調)ハ長調(C Major)
    ト長調(G Major)
    ニ長調(D Major)
    イ長調(A Major)
    ホ長調(E Major)
    ロ長調(B Major)
    嬰ヘ長調(F# Major)
    嬰ハ長調(C# Major)
    へ長調(F Major)
    変ロ長調(B♭ Major)
    変ホ長調(E♭ Major)
    変イ長調(A♭ Major)
    変ニ長調(D♭ Major)
    変ト長調(G♭ Major)

    *変ト長調と嬰ヘ長調、変ニ長調と嬰ハ長調は異名同音音階(エンハーモニック)です。


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    キーボードのためのフィンガートレーニング、短調の各調のスケールとカデンツを紹介します。

    短調にはそれぞれの調に3種類のスケールがあります。

    和声的短音階(ハーモニック・マイナー・スケール)自然的短音階(ナチュラル・マイナー・スケール)旋律的短音階(メロディック・マイナー・スケール)

    ここでは、基本として和声的短音階(ハーモニック・マイナー・スケール)の練習をしましょう。
    自然的短音階と旋律的短音階は別のサマリーで紹介します。

    練習の仕方は長調と同じです。
    指番号は参考にしてください。

    短調のスケール・カデンツー和声的短音階(ハーモニック・マイナー・スケール)イ短調(A minor)

    ホ短調(E minor)
    ロ短調(B minor)
    嬰へ短調(F# minor)
    嬰ハ短調(C# minor)
    嬰ト短調(G# minor)=A♭ minor
    嬰ニ短調(D# minor)=E♭ minor
    嬰イ短調(A# minor)=B♭ minor
    ニ短調(D minor)
    ト短調(G minor)
    ハ短調(C minor)
    へ短調(F minor)
    変ロ短調(B♭ minor)=A# minor
    変ホ短調(E♭ minor)=D# minor
    変イ短調(A♭ minor)=G# minor

    ※嬰ト短調と変イ短調、嬰ニ短調と変ホ短調、嬰イ短調と変ロ短調は異名同音音階(エンハーモニック)です。


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    短調のスケールには3つの種類があります。

    和声的短音階(ハーモニック・マイナー・スケール)自然的短音階(ナチュラル・マイナー・スケール)旋律的短音階(メロディック・マイナー・スケール)

    基本的な和声的短音階の練習ができたら、続いて自然的短音階と旋律的短音階も練習しましょう。
    旋律的短音階は高い音に上がる時と、低い音に下がる時との違いを覚えましょう。

    1オクターブが弾けたら、2オクターブにしたり、カデンツをつけた練習もしましょう。

    短調のスケールイ短調(A minor)
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>

    ホ短調(E minor)
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>

    ロ短調(B minor)
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>
    嬰へ短調(F# minor)
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>
    嬰ハ短調(C# minor)
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>

    嬰ト短調(G# minor)=A♭ minor
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>
    嬰ニ短調(D# minor)=E♭ minor
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>
    嬰イ短調(A# minor)=B♭ minor
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>
    ニ短調(D minor)
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>
    ト短調(G minor)
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>
    ハ短調(C minor)
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>
    へ短調(F minor)
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>

    変ロ短調(B♭ minor)=A# minor
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>
    変ホ短調(E♭ minor)=D#minor
     <自然的短音階>        <旋律的短音階>
    変イ短調(B♭ minor)=A# minor