今日の日本においては、お正月には神社に初詣、お彼岸に墓参りをし、お盆には故郷に帰り、クリスマスにはパーティーをし、教会で結婚式をし、お寺で葬式をする、そんなことが当たり前になっています。
そんな中で、仏教に由来する年中行事は、信仰心があろうとなかろうと現在でも私たちの生活のなかに根付いています。
一般によく行われている仏教の年中行事について解説します。
元旦会・修正会
奈良時代、あるいは平安時代から続いていると言われています。
年の初めに、前の年に犯した悪業を反省し、清らかな気持ちで誓いを新たに新年のお祝いをします。
節分会
立春の前日に行われます。
一般には炒った豆を邪気を払うために「鬼は外、福は内」と豆まきが行われます。
各地の寺院で賑やかに行われますが、有名人による豆まきが行われるところもでは多くの人が集まりテレビでも報道されます。
涅槃会
2月15日、お釈迦様が入滅した(亡くなった)とされて炒る日に行われます。
入滅のときの様子を表した涅槃図を掲げて法要が行われます。
三仏会のひとつ。
灌仏会・仏生会・降誕会
4月8日、お釈迦様が誕生されたとされる日に行われます。
花祭りとも呼ばれており、花御堂に祀った誕生仏に甘茶をかけて供養します。
また甘茶を飲む習慣もあります。
三仏会のひとつ
春の彼岸会
太陽が真東から上がり真西に沈む春分の日に行われますが、春分の日を中心とした七日間を彼岸と呼びます。
彼岸(あの世)に行った人を供養する日で、彼岸の期間に墓参りをする習慣は広く根付いています。
供養のためにおはぎをお供えして、のちにいただく習慣がありますが、春のおはぎは、ぼた餅ともいいます。
盂蘭盆会
亡くなった先祖を家に迎え供養する行事で、一般にはお盆と呼ばれています。
お釈迦様の弟子の目連尊者が餓鬼道に堕ちて苦しんでいる母を救うために、お釈迦様から教えてもらった供養に由来します。
近年では住宅事情からできない場合が多いですが、迎え火、送り火などの習慣があります。
きゅうりの馬やなすの牛、盆提灯を飾る習慣もあります。
各地で灯籠流しなどが行われ観光の目玉にもなっています。
五山の送り火などは有名でテレビでも中継されています。
新暦では7月13日から16日に行われますが、地域によって8月13日から16日にかけて行うところもあります。
また全く異なる日程になっているところもあります。
夏休みはお盆にとる習慣もあり、帰省する人も多く、もっとも親しまれている行事といえます。
秋の彼岸会
秋分の日に行われますが、前後七日間が彼岸で、意味合いは春の彼岸会と同じです。
成道会
お釈迦様が悟りを開かれたとされている12月15日に行われます。
三仏会のひとつ。
除夜の鐘
大晦日から元旦になる瞬間をまたいで、寺院で鐘が撞かれ、新しい年を迎える決意をします。
人間の煩悩の数と同じ108回撞くのが伝統ですが、実際にはもっとたくさん撞くことが多いようです。
全国の除夜の鐘はテレビでも中継されます。