節分とは
節分の本来の意味は季節を分けるです。日本には春夏秋冬の四季があり、暦の上でそれぞれの始まりの日を立春・立夏・立秋・立冬といい、その前日を節分といいます。
現在では、節分というと立春の前日の節分のことを言います。立春は二十四節気の一番最初で、旧暦ではここから新しい年が始まります。4回の節分の中では特別な日であり、尊い日とされてきました。旧暦の立春の前の節分は、今の大晦日のようなものと考えれば、その特別な意味も理解できます。
節分の行事
豆まき
節分の最大のイベントは豆まきです。各地の有名な神社・仏閣では有名人を招いて盛大に豆まきを行なっています。そこには多くの人が集まり賑わっており、その様子はテレビなどでも報道されているのは毎年見る風景です。
また、幼稚園や保育園などでも楽しい年中行事として行われているところが多く、各家庭でもそれぞれのやり方で楽しく行われています。
豆まきの由来
豆まきは、もともと中国で行われていた追儺という厄払いの風習に由来します。それが平安時代に日本に伝わったとされています。天武天皇の時代に宮中行事として豆まきが初めて行われたことは記録に残されています。
当時は現代のような発達した科学も医学もない時代です。病気になったり災難に見舞われるのは、悪魔や邪鬼、怨霊などのせいであるとされていました。そのため人々の幸せな暮らしのためには厄払いは大切な儀式でした。陰陽師が活躍していたのもこの時代です。
豆まきの意味
厄払いのために豆をまくのは、新しい年を迎えるにあたって邪悪な魔(鬼)を滅して、魔の目をめがけて豆をまき、そして福を招いて新年の幸せを願う意味があります。「鬼は外、福は内」にはそういう意味があります。そして、ここでまく豆のことを「福豆」と言います。
豆は大豆をまくことが多いようですが、地方によっては落花生など他の豆のところもあります。何れにしても、生の豆ではなく煎った豆をまきます。それは、生の豆では芽が出てしまうからです。芽がでるということは邪気が芽吹くことになるので、これを封じるために豆を煎ります。
野外のイベントでは拾った豆をあとで食べられるように衛生上の理由から、直に豆をまくのではなく、きちんと包装されたものが撒かれます。豆だけでなく、お菓子が入っていることもあります。
豆をまく人
豆をまくのは誰でも良いのですが、年男・年女や厄年の人がまくと特に良いとされています。
<年男・年女>
年男・年女はその年の干支に当たる人のことです。年男・年女は年神様の主語が特に厚く縁起が良いと言われています。縁起の良い人がまく豆は効験が大きいとされるために、年男・年女による豆まきが喜ばれます。
<厄年の人>
厄年の人が豆をまくのは自身の厄払いのためです。厄年は人生の節目であり、体の変化がある時期であり、また災難にも遭いやすいとされています。そのために、厄を払って厄年を乗り越えるために豆まきをします。厄年には色々ありますが、数え年で男性25歳、42歳、女性19歳、33歳が一般的です。また前後の前厄、後厄なども気をつけなければいけない時期に含まれます。
柊鰯
鰯の頭に葉がついた柊の枝を刺したもので、魔除けのために節分の時に玄関に飾ります。鰯の生臭さや柊のトゲトゲに魔除けの力があると言われています。翌日になったら取り外して処分します。節分が近くなると、スーパーでも柊が売られているのを見かけます。
恵方巻き
最近では節分の楽しみといえば、恵方巻きを一番にあげる方も多いかもしれません。太巻きの海苔巻きをその年の恵方に向かって無言で食べると願いが叶うという言い伝えがあります。もともとは関西の方の風習でしたが、近年全国に広がりました。広く浸透するとともに、海苔巻きのお寿司だけでなく、ロールケーキなどのお菓子の恵方巻きも登場しています。
節分を楽しもう
節分は日本の伝統的な文化として未来に伝えていきたいものの一つです。神社・仏閣で一般の人も参加できるイベントとして豆まきを開催しているところもたくさんあるので、日時を調べて参加して見るのも楽しいです。また、家庭ではあまり行われなくなっているかもしれませんが、時期が近づくと「福豆」や「鬼の面」などが店頭に並ぶので、多な声で「鬼は外福は内」と豆をまいて見るのも良いでしょう。