成人式の由来
成人式は、大人になった儀式として昔からある行事ですが、当初は、男子は元服(げんぷく)、女子は裳着(もぎ)という儀式を行っていました。現在のような形式の成人式は、1946年に埼玉県で行われた青年祭が発祥だといわれています。
この青年祭というのは、小学校の校庭にテントを張ってお祭りのように祝った地域行事です。その後日本全国に広まり青年祭が行われてから2年後の1948年に祝日法が公布・施行され成人の日となりました。成人式の意味は、「大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年たちを祝い励ます日」となっています。
成人式は何をするのか
成人式は、簡単にまとめると「大人になったので一人の大人として生きていくことを自覚しましょう」という意味ですが、お祝いの意味を込めて式典をします。何をするのかというと次のような流れになるのではないでしょうか。
- 式典(市長の挨拶、新成人代表の挨拶、祝辞の紹介など)
- 主催者側による出し物
- 合同で写真撮影
- 成人式終了後に同窓会
最近では、成人式を欠席する方も多く、同窓会だけ参加するなど変化しているようですが、従来の成人式では久しぶりに同窓生と会えるということと、両親への感謝の気持ちをあたらめて考える機会となります。
成人式はいつ
最初は1月15日でしたが、1998年の祝日法改正によって、2000年以降の成人式は、1月の第2月曜日になりました。なお、いわゆる成人式にハッピーマンデーを導入した以降は、前年の4月から、その年の3月に成人する人を式典の参加者とする「学齢方式」が定着しています。
地域による成人式の違い
成人式は日本政府主催ではなく、各地方自治体が自主的に行っているため、成人の日以外に主催する自治体もあります。例えば、就職や進学などで、地元を離れる人が多い地域や豪雪地帯などは、帰省しやすいその年のゴールデンウイークやお盆、あるいは正月に行う市町村も多いです。また仕事の事業形態によって、祝日が書き入れ時となり成人式に地元に帰れない人が多い企業は、社内独自で成人式をするところもあります。
成人式に振袖を着る理由
振袖が誕生したのは江戸時代ですが、若い女性が正装として着る着物の袖丈が時代が経つにつれ段々と長くなってきました。なぜ長くなったのかという由来ははっきりとはしていませんが、「美しく見えるように」長くしたのではないかといわれています。
明治時代に入ると振袖は、普段着として着るには袖が邪魔になるため、未婚女性の正装として定着しました。未婚の女性の正装とした理由には、恋愛のサインの意味があります。昔は、気になる人がいても女性からアプローチすることは厳禁で、はしたない事と考えられていました。その中で、江戸時代初期の踊り子たちが袖を振って女性からの意志をお客様に表現していたことが発端となり、その動作を恋愛のサインとされたのです。
今でも告白したあとに振る・振られるという表現は、この袖を振ることからきているのです。なお、既婚の女性は相手が決まっているため、袖を振る必要がないという意味で袖が短いものを着用していました。
成人式に袖の長い振袖を着るのは「未婚の正装であるという意味」の他にも、「厄払いに通じる」もの、「人との縁に結びつく」ものとして縁起が良い着物と考えられており、結婚式や成人式などのめでたいお祝い事に着ることで「人生の門出に身を清める」という意味をもっているのです。
まとめ
近年は、成人式の式典がイベント化してきて、参加者からすれば「大人になったお祝い」というよりも「同窓会」というイメージになってきており、本来の目的から外れてきている傾向があります。一緒に一度の成人式です。ぜひ成人になる意味を自覚して成人式に臨んでみましょう。