テンション・コードとは
コード・ネームのなかには、「9」「11」「13」などの数字や、さらに「♭」「#」などの変化記号が付いているものがあります。
この数字と変化記号はテンション・ノートを表したもので、このようなコードをテンション・コードといいます。
テンション=緊張を感じさせる音を加えることで、豊かなサウンドを生み出せるものです。
テンションは難しいというイメージもあり、避けて通りたい気持ちにもなりますが、テンション・コードを押さえておくことで、楽しめる音楽の幅が広がるので、是非覚えておきたいものです。
特にジャズ系の曲ではテンション・コードなしでは成り立たないと言ってもいいくらいです。
テンション・ノートの扱いには細かい決まりごとがあり、理論的に理解しておくに越したことはありませんが、まずは理屈よりも目の前にある譜面が表している音がわかることが大切です。
このサマリーでは、難しい理論は抜きにして、譜面に記されているコードが弾けることを目標に解説します。
テンション・コードを含んだ曲を弾き込んでいくうちに、感覚的に身につくものがあります。
身体や耳の感覚で覚えることで、自然にテンションのセンスが身についていきます。
テンションの種類9th♭9th#9th11th#11th13th♭13th数字と変化記号の意味
上記の数字+変化記号が表しているのは、ルート(根音)からの音程(インターバル)です。
1オクターブが完全8度なので、
9th=1オクターブ+長2度11th=1オクターブ+完全4度13th=1オクターブ+長6度
♭がつけば半音下の音、#がつけば半音上の音
♭9th=1オクターブ+短2度#9th=1オクターブ+増2度#11th=1オクターブ+増4度♭13th=1オクターブ+増6度
「C(ド)」の音に対しては、それぞれ次のようになります。
コードを例にすると
すべてのテンション・コードで、同じように音が重ねられます。
さらに次のような分類もされます。
ナチュラル・テンション:9th, #11th, 13thオルタード・テンション:♭9th, #9th, ♭13th
これらのテンション・ノートは単独で使われることもあれば、いくつか組み合わされて使われることもあります。
コードの種類と使われるテンション・ノート
コードの種類(役割)によって、使われるテンションは原則として大体決まっています
参考までに、以下に主なものを紹介しておきます。
ただし、意図的に原則以外のものを使用することも少なからずあります。
下記以外にも、色々なパターンがありますが、ごく基本的な、よく出てくるものだけを揚げておきます。
<メジャー・キー(長調)のダイアトニック・コード>コードC major(ハ長調)の例使われるテンション・ノートⅠ, Ⅰ6, ⅠM7
C , C6, CM79, (#11), 13Ⅱm7Dm79, 11Ⅲm7Em7(9), 11ⅣM7, Ⅳ6FM7, F69, #11, 13Ⅴ7G79, ♭9, #9, #11, 13, ♭13Ⅵm7
Am7
9, 11 Ⅶm7(♭5)BM7(♭5)11, ♭13<マイナー・キー(短調)のダイアトニック・コード>コードA minor(イ短調)の例使われるテンション・ノートⅠm7Am79, 11, (♭13)Ⅱm7(♭5)Bm7(♭5)(9), 11, ♭13♭ⅢM7, ♭Ⅲ6
CM7, C69, #11, 13Ⅳm7, Ⅳm6Dm7, Dm69,11V7E7♭9, #9, (#11)♭ⅥM7FM79, #11, 13, ♭13Ⅵm7(♭5)Fm7(♭5)9,11♭Ⅶ7G79, #11, 13ⅦdimG#dim♭13
*ダイアトニック・コード:音階上にできるコードのこと
例)C major ,A minor の音階上のコード
<三和音>
<四和音>