おねしょ(夜尿症)とは
寝ているときに知らず知らずにお布団の中で尿を漏らしてしまうことです。「おねしょ」と「夜尿症」とは、年齢を基準に分けられ、幼児期の夜尿のことをおねしょ、5・6歳以降からの夜尿のことを夜尿症といわれています。
尿と膀胱の関係
おねしょの原因が、子供の性格の問題や保護者の育て方の問題だといわれることがありますが、これは間違った考え方です。尿をためる膀胱の大きさと眠っている間に作られるおしっこの量が重要で、夜間の尿の量が多い、夜間の膀胱容量が小さいなどうまくバランスがとれていないことが原因で起こります。
体が冷える
また体の冷えも夜尿を増やす原因のひとつです。体が冷えることで尿の量が増えて膀胱が収縮するので気をつけましょう。冬場は冷えて汗の量が減る分、尿の量が増えるのでおねしょの頻度もあわせて増えるようです。
おねしょには3タイプある
- 多尿型
膀胱容量は正常ですが、夜間尿量が多いのが特徴です。抗利尿ホルモンの分泌が足りない。塩分・たんぱく質の過剰摂取も影響します。
- 膀胱型
膀胱容量が基準より少なく、夜間尿量は正常であるというパターンです。膀胱にためられる尿が少ない、副交感神経の作用が強いなど、膀胱が不十分いうことになります。
- 混合型
多尿型と膀胱型の原因のどちらも該当している状態です。膀胱容量は小さく、夜間尿量は多いという状態のことをいいます。
- 抗利尿ホルモン
睡眠中の尿をコントロールするホルモンで、夜の間に多く分泌されます。赤ちゃんの頃から分泌されるのではなく、成長とともに発達し5・6歳前後(小学校入学時)で分泌が安定してくるホルモンです。
治るの?
おねしょはそのうち治るといわれていても、時期については不安に思うことがあります。多くの場合、第二次性徴が始まる12歳を過ぎる頃にはなくなりますが、治るまでには思うよりも長い時間を必要で、治る時期はお子様の年齢や尿の頻度が影響されます。
- 対応はどうすればいいのか
ホルモンの分泌や膀胱の成長は、焦っても仕方ないのでおねしょが続いてもしばらく様子を見ることが大切です。
- 医療機関に相談
自然に軽減していくことが多く、おねしょが体に悪影響をおよぼすものではないことから、とにかく放置されやすいです。しかしもし学齢期まで持続している場合には、おねしょにより子供が自信を無くし、心理面・社会面・生活面にさまざまな影響をあたえることがあります。
このような影響が治る時期をおくらせる原因にもなるため、気になる場合は医者に相談した方がいいでしょう。相談を含み、医療機関で積極的に治療することは、自然経過をみるよりも早く治癒するといわれています。
こどもへの接し方
こどもがおねしょをしてしまったときに気をつけてもらいたいのは、怒らないことです。寝ている間に起こるため、子供がわざとしているものではありません。怒られるのではないかという不安にさせないことが必要です。おねしょをしたお子様を叱ることは解決にはなりません。
また治る時期は、子供によって異なることから、お子様の成長を見守ることが大切です。寝る前の水分や、寝る前にトイレに行く習慣をつくるなど工夫をしたり、子供には必ず治るのだということを話したり、安心することを心掛けていく必要があります。みんながサポートし、自分で直そうというやる気を起こさせるようにサポートしていきましょう。